生駒市議会で所信表明演説を行いました
- [更新日:2023年6月13日]
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6月8日に開会した令和5年生駒市議会第3回(6月)定例会において、下記のとおり所信表明演説を行いました。
所信表明
この度は、多くの市民の皆様の温かく力強いご支援を賜り、3期目の市政を担うことになりました。改めて責任の重さに身の引き締まる思いです。市民の皆様からの大きな期待、そして想いを受け止め、これからの4年間、生駒のまちづくりに全力で取り組んでいきます。
2期目は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢による物価高騰など、想定外の出来事に対応した4年間でした。そんな中にあっても、市民の皆様のご理解とご協力を得ながら、次の50年のまちづくりに向けたチャレンジに果敢に取り組み、就学前児童の医療費の完全無償化や実質待機児童ゼロ、公教育におけるICTの活用による新しい学びの創出、自治会館などを拠点とした「まちのえき」の整備、学研高山地区第2工区のマスタープラン策定などの成果を挙げることができました。その結果、市民の定住意向率は85.8%と全国トップ水準で、暮らしの満足度も高い水準を維持できております。
コロナ禍による影響は非常に大きく、この3年余りで人々の暮らし方や働き方、価値観は大きく変わりました。また、想定以上のスピードで進んでいる少子化、「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年問題、脱炭素社会やデジタル社会への対応など、急激に変化する社会に柔軟かつ迅速に適応していくことが求められています。
そうした中、将来都市像である「自分らしく輝けるステージ・生駒」の実現に向けて、単なる「ベッドタウン」から脱却し、「住む」「働く」「遊ぶ」が融合し、多様な生き方・暮らし方が叶う豊かな住宅都市へと転換できる施策を加速させることで、「住む価値のあるまち」としての都市ブランドを構築します。
それでは、これからの4年間におけるまちづくりの具体的な施策を4つの柱に沿って主な内容をご説明申し上げます。
Ⅰ 子育て・教育
一つ目の柱は、「子育て・教育」です。
子育てのしやすさに定評のある本市においても想定を上回るスピードで少子化が進んでいます。多様化するニーズにきめ細やかに対応し、子育てしやすい環境を整備していくことが求められています。
まず、学校給食費の段階的な無償化と第2子以降の0~2歳児の保育料の無償化を国の動向も見極めながらできる限り早期に実現します。この他、産後ケアや家事支援等のサービスを大幅に拡充し、出産後の子育てに係る経済的・身体的な負担を軽減します。
また、市立病院の指定管理者や地域医療関係者等と協議を進め、産科機能の強化や気軽に発達相談や支援が受けられる環境を整備していきます。
また、ICTを活用し、地域内外の皆様とつながって、新しい学びの創出に挑戦する生駒版「未来の教室」や、子どもたちの得意分野や関心を大きく伸ばす「(仮称)地域チャレンジクラブ」の創設によって、21世紀を生き抜く力を育むとともに、壱分幼稚園のこども園化や生駒南小・中学校の施設の建て替えを進めます。さらに、不登校の概念をなくす多様な学びと成長の場を官民あげて取り組むことで、個別最適型の教育を生駒の特徴として磨いていきます。
Ⅱ 地域共生社会の実現
2つ目の柱は、「地域共生社会の実現」です。
これからも少子高齢化、福祉ニーズの増大、担い手不足の進行が予想されます。しかし、本市は高齢者を対象とした地域包括ケアシステムなどを核に、一人ひとりに丁寧に寄り添い、課題解決に向けて取り組んできました。また、地域では多様な活動が活発に行われ、それを応援してきました。
今後は、これまでの取組を基盤に更なる制度間連携を深めます。令和6年には本市で全国サミットも開催します。あらゆる世代や主体、活動がつながる契機と位置づけ、暮らしのセーフティネットと地域づくりを一体的に進めながら、「地域共生社会の実現」に向けて取り組みます。
具体的方策の一つとして、複合化した課題に対する包括的な支援や、潜在的に課題を抱える市民にもアウトリーチから支援につなげる重層的支援体制を整備、運用していきます。
同時に、一人ひとりの生きがいやシビックプライドを育み、地域と主体的に関われる居場所づくりも進めます。自治会館等を拠点とした「まちのえき」の充実をはじめ、自己実現と地域課題を結び付け、地域で過ごしたいと思える空間を生み、新たな事業創出にもつなげていきたいと考えています。
また、鉄道駅のバリアフリー化、バス路線見直し案への対応や「移動支援」の拡充を進め、だれもが円滑に利用できる公共交通の実現に取り組みます。
加えて、南海トラフ地震をはじめとする大規模地震に対する対処能力の改善を図り、市民の皆様の生命・財産を守る取組を進めていきます。
Ⅲ 産業振興・多様な働き方の創出
続きまして、3つ目の柱、「産業振興・多様な働き方の創出」です。
職住近接の推進や雇用の創出に注力し、新しいワークスタイルやライフスタイルのニーズを満たす環境を作っていきます。既存事業者の基盤強化や経営支援はもちろん、起業・創業・副業支援、商業エリアや住宅エリアでの開業補助、まちなかや公園マルシェの支援の拡充などにより、特にクリエイティブ層や地域に根差した仕事に就く個人事業主を増やすことで、地域で新しい仕事を生み、仕事が人をひきつけ、域内消費を喚起するという循環の創出を目指します。農業については、農業環境の整備や後継者育成の抜本的な支援による農地の保全と農業の活性化に取り組むとともに、半農半Xによる豊かなライフスタイルを支援します。
観光については、今年に行われる近畿日本鉄道のエリアキャンペーンや2025年の大阪・関西万博と連動した民間事業との連携で来訪者の誘引、交流人口の拡大につなげます。
Ⅳ インフラ・まちづくり
4つ目の柱が、「インフラ・まちづくり」です。
本市の最優先の取組事項の一つである学研高山地区第2工区については、昨年6月に策定したマスタープランに基づき今年5月には先行個別地区の地権者などからなるまちづくり協議会が設立されました。引き続き、先行個別地区の本格的な事業化と他地区の事業化に向けて取り組むとともに、併せて本市の都市拠点・地域拠点である生駒駅南口、学研北生駒駅、南生駒駅のまちづくりも進めていきます。
また、国道163号清滝生駒道路、国道168号小平尾バイパス、阪奈道路辻町ICの整備についても、国や県と連携し、早期の整備に向けて進めていきます。さらに、現在、市民の皆様から多くのお声をいただいております生駒駅前の自転車駐車場を整備、リニューアルし、台数の確保や利便性の向上に取り組みます。
そして、空き家調査結果を生かした住宅政策、全市展開に向けたニュータウン再生モデルの構築、生駒駅前喫煙所の移転やリレーセンターのあり方検討、公共下水道の県域への接続など、市民の皆様の身近な生活に関わる取組や基盤となるインフラ整備も進めます。
ただいま申し上げました4つの政策の柱を進めるため、分野横断的に取り組むのが、3つの基本的な取組です。
1 DX・IT活用
1つ目が、デジタルトランスフォーメーション、IT活用です。
本市におきましても、まちづくりを進める上での基本的な考え方である人と人のつながりを大切にしながら、デジタル技術を積極的に活用するDXを進めていきます。ただいま策定中のスマートシティ構想を具体化すべく、デジタル人材の採用・育成に継続して取り組んでいくとともに、市役所窓口のワンストップ化やオンライン手続などにより、順次整備します。
2 SDGs・脱炭素
2つ目は、SDGs・脱炭素です。環境モデル都市、SDGs未来都市として、また2050年のゼロカーボンシティを実現するため先駆的な取組にチャレンジする先進都市として、SDGsの推進、脱炭素社会の実現に取り組みます。
本市は、本年4月に政府の脱炭素先行地域に選定されました。既存の住宅地を公募によりモデル地域として設定するのは全国初の取組です。「まちのえき」といこま市民パワーを活かした持続可能なまちづくりに取り組んでいきます。
3 ひと・行政改革・協創
最後に、基本的な取組の3つ目が「ひと・行政改革・協創」です。
「まちづくりはひとづくり」の考えのもと、いこまの未来を皆様とともに創っていきます。
これまでも進めてきました社会人経験者や障がい者採用を拡充し、受け入れ態勢も整備していきます。さらに、生駒駅周辺を中心とした公共施設の再編を行なっていくとともに、職員がより働きやすく、創意工夫のある先進的な取組を生み出すことができるオフィス改革を進め、市民の皆様が訪れたい、使いやすいと感じる施設環境を整えます。
以上の内容を実現していくためには、市民の皆様をはじめとする多様な方々のアイデアや協力関係が必要となります。
次世代に活力あるまちを引き継ぐために市民の皆様と対話し、共に考え、生駒市の新しい50年に向けた第一歩を踏み出せるよう、強い覚悟でまちづくりを進めます。
議員各位、そして市民の皆さまにおかれましては、このような私の想いをおくみとりいただき、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、所信の表明といたします。