住宅を断熱化して健康でエコな生活を!
11月20日(日曜日)にコミュニティセンター文化ホールで、一般社団法人健康・省エネ住宅を推進する国民会議主催の「健康・省エネシンポジウムinいこま」が開催されました。
私は、テーマに関連する生駒市の取組紹介を行い、パネルディスカッションに参加しました。
シンポジウムの前半で、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構理事長で、国の環境モデル都市推進委員会座長でもある村上周三先生と奈良県立医科大学講師の佐伯先生が基調講演をされ、「省エネ」だけではなく「健康」の観点でも住宅の断熱性向上が重要であることを紹介されました。
高齢者に多い住宅内(特に入浴によるもの)での死亡率や心疾患・高血圧症などの循環器系疾患の発病率は、高断熱住宅では大きく低下するそうです。
村上先生は、冬の死亡増加率は寒冷な地域ほど低く、温暖な地域ほど高いというデータを示され、これは寒冷地域のほうが住宅の断熱性能が高く、室温が高いことに起因することを紹介されました。

(当日の村上先生発表資料より引用)
また、深夜0時の室温が18℃を下回ると高血圧発病リスクが非常に高くなるというデータもあるそうです。佐伯先生が奈良県内で実施された研究によっても、室温と血圧には相関関係があり、室温が低いほど血圧が上がることが証明されています。

(当日の村上先生発表資料より引用)
断熱性向上は、高血圧性疾患、心疾患、糖尿病といった様々な疾患の発病率も下げる効果があり、これら疾患予防による健康増進効果を金額に換算すると「世帯あたり2.7万円/年」になるそうです。
断熱性向上は、省エネ効果だけでは経済的なメリットが少なく、全国的に住宅の断熱化があまり進んでいません。健康増進効果も考慮すれば、光熱費削減+医療費削減で投資回収年数を大幅に短縮することができます。
村上先生は、断熱向上を推進するには「省エネ」だけでなく「健康」にも寄与するという「コベネフィット(ひとつの活動が多様な利益につながること)」の考え方が非常に重要であることを強調されました。

(当日の村上先生発表資料より引用)
「エコ+α(地域活性化、便利なくらしなど)」「高齢者が健康に生活し、地域活動で活躍できるまち」を目指す環境モデル都市“いこま”として、断熱性向上による「省エネ」と「健康」のコベネフィットをPRし、住宅の断熱改修を促進する取組を進めたいと思います。
市長講演資料
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