賃貸住宅の「原状回復義務」はどこまで?
- [更新日:2023年7月7日]
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質問
5年間住んだ賃貸マンションを退去。その後、家主から原状回復費用として20万円の請求書が送られてきた。小さい子どもがいるので、傷や汚れをつけないように注意しながら生活していたうえ、退去時の立ち会いでも、修理が必要になるとは聞かされていないので納得できない。支払う必要はあるのだろうか (30歳代 男性)
回答
「原状回復」とは、部屋を入居時の状態に戻すことではありません。そのため、相談者には家主に請求書の明細を求め、疑問点や納得できない点があれば、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をもとに話し合うように助言しました。
ガイドラインでは、原状回復を「借主の故意や過失、その他通常の使用を超えるような使い方によって生じた劣化や毀損を復仇すること」と規定。借主は通常の使用によって生じた、日焼けなどによる畳やクロスの変色、フローリングの色落ち、テレビや冷蔵庫の後部壁面にできる「電気焼け」による黒ずみなどの「通常損耗」や経年変化の修理費用を負担する義務はありません。また、通常損耗以外で借主負担となる場合でも全額ではなく、壁などのクロスは「平方メートル単位」、畳は「一畳単位」で最少範囲を負担すればよいとされています。負担割合を判断する際には、賃貸住宅の築年数や入居からの経過年数なども考慮に入れて、家主と話し合うことをおすすめします。