賃貸アパートの契約はいつ成立するのか
- [更新日:2023年7月7日]
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質問
急に賃貸アパートに転居することになった。部屋が見つかったので、契約書面に署名捺印し、1か月分の家賃と手数料を支払い、鍵ももらった。ところが数日後、他に気に入った部屋が見つかったので、この部屋を断ったところ、仲介業者から「契約は成立している。いまさらキャンセルはできない」と言われた。本当に契約は成立しているのだろうか。
(30歳代 女性)
回答
賃貸契約の成立の要件としては、
- 仲介事業者から重要事項説明(書)を受けていること
- 前払い賃料などの契約に伴う金銭を支払っていること
- 鍵の引き渡しを受けていること
の3つがあげられます。今回の事例では、2と3は済んでいましたが、1の重要事項の説明が行われていませんでした。重要事項説明は、賃貸住宅を借りるときに、借りる人が「知っておくべき重要な情報」で、重要事項説明書は、その内容が記載されている大変重要な書面です。仲介業者は契約の成立前までに、賃貸契約書とは別に、重要事項説明書を交付し、宅地建物取引主任者に対面で説明させることが法律(宅地建物取引業法)で義務づけられています。借りる人も、この説明の内容をしっかり理解したうえで、重要事項説明書に署名捺印をします。今回の事例では、重要事項の説明がなされていませんでしたので、契約は成立していないとみなし、1か月分の家賃と手数料なども、返還されました。