生駒市商工観光ビジョン　めざす将来像とビジョン推進に向けた取組

都心回帰が進み、人口減少による地域経済の落ち込みが懸念される中、従来型の住宅都市の要素に加え、地域で多様な暮らし方、働き方、楽しみ方が叶う新たな住宅都市の実現が、まちの持続可能性の観点からも必要になってきています。本市産業の現状と課題も踏まえ、事業者や市民が主体的に活動することができる活気と魅力ある地域経済を形成し、本市で生まれ育つ子ども達が本市で働き、消費し、まちなかで楽しく過ごすことができるよう、めざす将来像を「将来世代に向けて、「住みよさに、働きやすさ、暮らしの楽しさ」も生み出す、新しい住宅都市」に定めます。

市外での調達・販売が多く、本市に対する経営支援のニーズは少ないですが、県と市で実施してきた製造業向けの立地支援策により、立地企業では従業者数を伸ばすなど規模の拡大が見られます。こうしたことから、立地企業との日常的な関係を構築し、道路等のインフラ関係、増改築、雇用に関する課題を共有し、本市における事業継続のための操業環境の確保を図ります。

新たな顧客の獲得に積極的な小売・飲食事業者の付加価値向上に向けた変革を支援するとともに、新たな開業を促進し、魅力ある店舗の発信や商業イベントの機会などを通じて学びと商いの両立を図ります。さらに、小さな個店の商いそのものに福祉的価値もあることから、個店の多様な価値を発信し、地域においても、買い物や飲食、サービスが楽しめて、暮らしが豊かになる環境づくりを進めます。

市民が身近な風景や文化に触れたり、魅力ある店舗やマルシェなどのまちなかの消費を楽しみ、また身近な地域での市民活動など「まちの魅力」を創出するマイクロツーリズムを推進します。これにより市民が「住んで楽しい身近な観光価値」に気付き、その価値の発信を通じて国内外の来訪者を誘引し、地域経済の活性化につなげていく本市ならではの観光振興を進めます。

市内事業者の事業継続と発展に向け、雇用確保と定着のための支援を行います。市内の未就業の女性や障がいのある人などの潜在的な就業希望者や、多様な働き方を希望する人を支援し、受け入れる市内事業者につなぐことで、多様なライフスタイルを支援するとともに職住近接の雇用・就業環境を実現します。

市内における雇用や消費活動を促進するため、現在実施している製造業向けの立地支援に加え、短期的には、市内の商業地・住宅地への企業誘致・開業支援を実施するとともに、中長期的には、学研高山地区第2工区の開発における産業集積を目指します。また、企業立地はゴールではなくスタートだと認識し、立地企業が本市に根を下ろし、事業を継続できるようフォローアップに注力します。

地域の人を主な顧客とし、地域の人を雇用するローカルビジネス等の起業を促進するため、起業意欲の醸成と、始めやすく、かつビジネスの継続を可能にする支援のエコシステムを構築し、地域で起業しやすい環境づくりを行います。