本末 浩司 さん(2025年8月号掲載)
- [更新日:2025年7月29日]
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もとすえ こうじ
けんぞう倶楽部®代表。有料老人ホームさくらグレイス大和高田施設長。団体名は「健(康)増(進)」が由来。幼少期はよく、辻町の裏山でカブトムシを採っていた。

見守りの輪を生駒市から新しい景色をともに見たい
腕を伸ばして、1、2、3…。閑静な境内に元気な掛け声が響くここは、生駒駅近くにある西教寺。境内で約5年間、認知症予防体操を指導しているのが、ボランティア団体「けんぞう倶楽部®」だ。ここでは2か月に1度「認知症カフェ」が開かれ、地域の人や介護職員、認知症当事者など約20人が集まる。体操の後は談笑したり、家族の介護相談をしたり、思い思いに過ごす。「いつもは家に一人だけど、今日のためにおしゃれをして出かけた」という人も。
「当事者でない人にも利用してほしい。外出したり、人と話すきっかけとなる場所に行ったりすることが、認知症予防の第一歩なんです」
介護福祉士として、普段は市外の老人ホームで施設長を担当。現場で多く見てきたのは「家に帰りたい」と口にする利用者。住み慣れた場所で高齢者が安心して過ごせる場所を作りたいという思いが芽生え、令和元年に同団体を設立。幼なじみである西教寺の住職や介護職員、市民活動推進センターららポートの職員の協力を得ながら、1年後に認知症カフェを始めた。
「地域の集会所のような、誰でも入れる雰囲気にしたくて、お寺を選びました。また、誰でも楽しめるように、体操で難しい動作があるときは『間違ってもいい』という声掛けをたいせつにしています」
終了後、「また来るね」と言う初めての参加者に笑顔で応え、出口付近で階段の昇り降りを支援する学生。認知症カフェを通して作りたかったのは、こうした多世代にわたる「地域の見守りの輪」だ。
輪をつくる挑戦は、市内にとどまらない。「寺を住民に利用してほしい」という市外の住職との出会いが、西教寺に加え2か所での開催を実現させた。更に「支える側を育てる」面でも活動。介護職員の研修指導や福祉学会での講演も行い、認知症は「地域みんなで支える」というメッセージを届ける。気が付けば仲間は15人に。生駒市から全国に向け、見守りの輪を広げている。
「地域の高齢者が、誰かと過ごすことで初めて見えた景色を、住み慣れた地域で見てもらうことが最大の目標で、喜びです」
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生駒市経営企画部広報広聴課
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