唐金 祐太さん(2023年6月号掲載)
- [更新日:2023年9月19日]
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唐金 祐太(からかね ゆうた)
(株)リングスターの取締役で、マーケティング室・室長を務める。本社(大阪市)の隣に生家があり、学校帰りに社員が手を振って迎えてくれたのは良い思い出。34歳。
「箱」づくりの先に、美しい海岸をイメージして
明治22年に創業。今年で136年目を迎える老舗企業の営業本部が北田原町にある。工具箱の専門メーカー(株)リングスターだ。耐久性や使いやすさ、サイズなど徹底的にこだわった工具箱は、職人から幅広い支持を得ている。
「シンプルで長く使える工具箱をコツコツと作り続ける。それが会社の原点です。はでな色や、流行だけを追い求めた形はありません。職人さんは、そうした姿勢に価値を感じ、信頼を寄せてくれています。軸を曲げずに代々継承してきたことが、長く続いてきた理由かもしれません」
創業家の長男として生まれ育ち、20歳のときに入社。生産や物流、営業など、さまざまな現場を経験した。昔から親しんだ商品がどのように作られ、運ばれ、売れていくのかを知ることは楽しかった。
令和元年、マーケティング室の室長に就くと、アウトドア市場への進出を決意する。キャンプ用品を収納しやすく、頑丈で座れる商品は消費者のニーズを捉え、挑戦したクラウドファンディングでは、約1100人の支援を得て、目標金額比2800%を達成した。
「職人さんに求められる価値は、キャンプをする皆さんにも提供できると考えたんです。支援のお願いをコツコツ発信する毎日は、本当に大変でした。その泥臭さは会社の歴史から学んだことです」
目下、全力で取り組むのは、海岸に漂着する大量の海洋プラスチックごみの問題だ。長崎県対馬市で、その惨状を目の当たりにすると、「プラスチックのプロである自分たちが向き合わなければ」と決意。
海洋プラスチックごみの再生は困難と言われていたが、一定の条件のもとで、従来と同じ強度の商品を作ることに成功。北田原町の工場で生産し、4月から販売を始めた。
新商品の売上の一部は、対馬市へ寄付している。あの日見た海をきれいにするために、今日もできることをコツコツと進める。
「商品をきっかけに対馬の海の現状を知ってもらえたらうれしいです。今は、子どもたちの世代に私たちの取組を伝えられないか考えています。興味のある人がいれば、ぜひ声をかけてほしいですね」
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