今柄紫峯さん(2024年6月号掲載)
- [更新日:2024年6月3日]
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今柄紫峯(いまがら しほう)
紫峯」は師匠からいただいた雅号。教室には大人を中心に約80人が在籍している。昨年6月に「茶筌MOJI」を生み出した。2歳から本市在住。

廃棄予定の茶ゃ筌んでつづる「茶筌МОJI(モジ)」を世界へ
独特のかすれや、しぶきのような模様。見る人の心を動かす魅力的な書の数々を生み出してきた。特徴はそれだけではない。筆ではなく、製造過程で廃棄となった高山茶筌で書かれているのだ。書道教室の教え子に誘われて参加した茶杓作り教室を機に、茶筌師との縁が生まれる。「毎日廃棄される茶筌がある」。たまたま耳にした話にビビッときた。
「目の前にあるものをたいせつにしたいというシンプルな想いで、茶筌で書くことを決めました。書には竹筆もあるので、茶筌でもきっと書ける。そう信じて、試行錯誤の末、茶筌MOJIを生み出しました」
書を始めたのは、4歳の頃。左利きをなおすために、地域の書道教室に通い始めたのがきっかけだった。先生の指導が良かったことや書くことが好きになったことも相まって、気づけば20歳で「師範」に。教室を持つまでに至った。コツコツ続けてきた努力が実を結んだ。
時代は就職氷河期。就職浪人もしたが、希望していた客室乗務員にはなれなかった。次の希望だった書道家の道に進むことに決める。
「就職活動をしながらも、頭の片隅には『書』がありました。今は、当時の選択が間違いではなかったと思えます。。若いうちから書道家になったことで、全国や世界に足を運び、さまざまな経験を積めました」
人と違う書を書かないといけない。書道家として駆け出しの頃、要望に合わせて書くことが多かった。とあるイベント会場で、「これは書じゃない」と厳しい言葉をかけられる。そのとき、人に合わせるのではなく自分が喜ぶ書を書かないと長くは続かないと気づかされた。
「たいせつにしているのは『自分らしく』書くこと。教室では生徒にも、基本はしっかり教えつつも、創作するときは『自由に』と伝えています」
今後は、教室運営も続けながら、茶筌МОJIアーティストとして、アート活動にも注力。目指すは世界中に茶筌МОJIを広げることだ。
「自分のことを全く知らない人たちがいる環境で、どれだけ戦えるかを知りたいんです。主役はあくまでも書。自分よりも茶筌MOJIが前面に出てくれたらうれしいです」
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