荻巣樹さん(2025年5月号掲載)
- [更新日:2025年4月21日]
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おぎすいつき
「グリーンヒルいこま」でツバメの子育てを観察し、研究を行う。17歳。将来の夢は鳥類学者として研究すること。鳥以外にも虫や魚など、生き物が好き。本市在住。

好きだから、守りたい 守りたいから、研究したい
生駒駅に隣接する商業ビル「グリーンヒルいこま」には、春にツバメと「ツバメ少年」がやってくる。雛たちに餌を与えるツバメを双眼鏡でのぞく彼は、ただ「観て」いるだけではない。さまざまな記録を取って、研究している。
「かわいくてかっこよくて、美しくて癒される。そんなツバメが大好きです」
幼い頃から、虫などの生き物が好きだった。鳥に興味を持ち始めたのは小学4年生のとき。妹が通う幼稚園の先生が、園に来るシジュウカラの観察をさせてくれた。観ているうちに、雛に餌をあげる頻度が性別で異なることに気づく。5年生のとき、グリーンヒルいこまにツバメの巣がたくさんあるのを見つけてからは、ツバメの子育ての観察と研究に熱中。お店や地域の人たちは、そんな少年を温かく受け入れた。
研究を重ねること数年、中学3年生のとき、研究費の助成として「東京動物園協会 野生生物保全基金」を受けられることに。雛のふんに含まれる昆虫のDNAを調べるなど、研究の幅が広がった。高校1年生のときには、ツバメの越冬地の一つ、フィリピンに短期留学。語学を学びつつ、現地の人にツバメのことを知ってもらうため、英のパンフレットを作って配った。更に、今年の2月には、「第10回高校生国際シンポジウム」で研究内容を発表し、グランプリとなる文部科学大臣賞を受賞。ひたむきに続けた研究が、大きく飛躍した。
原動力は、「大好きなツバメを守りたい」という強い思い。ツバメの数は昔よりも減っているという。ただ、生き物に優しくすることだけが大事だとは考えていない。
「ツバメに巣を作られたくない人の気持ちも分かります。それなら、巣ができてから壊すのではなく、できる前に対策すると、ツバメにも優しい。人間だけが我慢せず、お互いに良い環境で過ごせる方法を考えるのが、『保全』だと思います」
高校3年生になった「ツバメ少年」。観察を始めた頃に感じた「わくわく」は、今も全く変わっていない。
「小さな体で数千kmも旅をするツバメ。その魅力を、研究を通じてたくさんの人に伝えていきたいです」
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