尾山 恭子 さん(2022年9月号掲載)
- [更新日:2022年8月31日]
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尾山 恭子(おやまきょうこ)
近畿編針㈱代表取締役社長。高山町出身。編み物キットや編針セットは本市ふるさと納税の返礼品として毎年大人気。高山竹林園でも購入可能。

編み物が憧れられる趣味になることを目指して
さまざまな大きさや形の、竹で作られた編針がきれいに並ぶ。高山町にある近畿編針㈱は、106年続く老舗の編針メーカーだ。その3代目に就任して20年、持ち前の負けん気で編物が持つイメージを変えようと、日々アイデアを練っている。
「編物の古い・難しい趣味というイメージを払拭したいんです」
ファッションが好きで、服飾の学校に9年通って、デザインを型紙に起こすパタンナーとして働いた。当時社長の父から会社を継ぐ予定だった兄が急死。祖父、父と続いた会社が抱える多くの従業員のことを考え、自分がやるしかないと決意した。
「急な代替わりだったことと、私が当時珍しい女性社長だったということもあって、お客様との付き合い方に苦労することもありました。大変でしたが、色眼鏡で見ずに評価してくれる海外へ目を向けるきっかけになりました」
海外の展示会で目にしたのは、ニットをおしゃれに着こなす若い人たちの姿だった。
「海外の若者は編み方にこだわらずに好きなように編み、できたものを着こなし楽しんでいます。日本の若者にもそう親しんで欲しいです」
そうした想いもあって、編み間違えてもきれいな模様になるユニークな毛糸をいち早く輸入したり、目を引くように自社ブランドを一新したりするなど、イメージ改変に注力してきた。
今後は、編物に必要な道具や、その包装などから、できる限りプラスチックを排除することも目指している。
「編物は実は、サステナブル(再生可能)な趣味なんです」
編針は再生可能な竹で作られ、出来上がった作品も、ほどけば別の作品に作り替えられる。環境への配慮を進めるために、製品を固定する台紙に切れ込みを入れて包装を簡易にしたり、竹製の閉じ針や縄編針を作ったりするなど、独自のアイデアが光る。
「誰かのまねはしたくない。自分で産み出したアイデアで、もっと編み物をおしゃれで環境にやさしい趣味、というイメージにしたいですね」
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