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あしあと

    平井 冨久子 さん(2023年1月号掲載)

    • [更新日:2023年1月13日]

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    平井 冨久子(ひらいふくこ)
    ディアーズコープいこまで、毎月1回親子で参加し、わらべうたと本を楽しむ「たんぽっぽクラブ」を開催。海外に絵本を届ける活動も行う。生駒市子どもの本連絡会代表。

    50年以上子どもと本をつなぐ文庫のおばちゃん

    俵口町にあるディアーズコープいこまの3階で地域文庫「かしの木文庫」を45年間、開いている。壁一面にずらりと並ぶ約2000冊のほとんどが、絵本や児童文学などの児童書。地域の子どもたちが自由に借りられる私設の図書室だ。

     「本には、たくさんの世界が広がっています。読書を通して、知識を得たり、さまざまな考え方や生き方を知ったりして、子どもたちに真っすぐ育ってほしいと思っています」


    戦後で、物資が乏しかった幼少期。それでも読書好きの母親の影響で、本はいつも身近にあった。一冊を繰り返し繰り返し読んだり、妹に読み聞かせをしたり。辛いときは、本の言葉から元気をもらった。

     ある日、子どもと見ていたテレビ番組で海外の絵本「ちいさいおうち」に出会う。豊かな色彩と自然をたいせつにする物語に心を奪われた。「子どもたちには、こんな本を読んでほしい」と思ったが、住んでいた団地周辺にあるのは住宅ばかりで本屋も駅前に1軒だけ。奈良県立図書館(現・図書情報館)と何度も交渉し、やっとの思いで30冊を貸してもらうことに。団地の集会所に本を借りられる地域文庫を開き、子どもと本を結ぶ人生が始まった。

     50年前、市になりたての生駒に転入。図書館はなく、子どもたちは県の移動図書館を利用していた。「読書環境を整えたい」という一心で、地域の集会所やスーパーに文庫を設立。同時に、市役所に何度も足を運び、図書館開設を働きかけた。

     「中央公民館(現・たけまるホール)に図書室ができたときは本当にうれしかったですね。今や5か所にまで増えて、ほんとありがたいです」


    最盛期は市内に9か所の地域文庫があった。しかし、現存するのは、最初にできた「かしの木文庫」だけ。本から遠ざかっている子どもが増えていると感じた。だからこそ、わらべうたを楽しめるサークルや催しをつくり、さまざまな形で「本との出会い」を提供し続けている。

     「これまで多くの人に助けてもらいながら活動を続けてこられました。しかし、いずれ文庫はなくなってしまうかもしれませんね。それでも、時代やニーズに合った、本を楽しめる場をつくり続けたいです」


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    [公開日:2023年1月6日]

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