田中 大志 さん(2022年12月号掲載)
- [更新日:2023年1月31日]
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田中 大志(たなかたいし)
初めて上映した作品「ガリラヤの漁師」は、イスラエルのハイファ国際映画祭学生部門銀賞を受賞。市内に住んでいた経験も。映像作家・映画監督。28歳。
十人十色の「自然体」がにじみ出るような映像を
結婚式や幼稚園の記録など、多岐にわたる映像を制作している。でもそれは週の約半分。上映会の調整や映画館への営業、ロケ地探し…、残りは「映画」の制作や配給活動に傾倒している。
「映画では、自分の見ている世界や想いを形にできるんです。生涯ずっと撮り続けると思いますね」
映画に興味を持ち始めたのは、小学5年生。授業で自分と同世代の子が主人公の作品を観たときだった。そこから、レンタルショップも利用し、さまざまなジャンルの作品を観あさった。
「高校ではアルバイトをしてカメラを購入。自分でも撮影を始めるくらい好きになりましたね」
転機となったのは、6年半に及んだイスラエル留学。語学だけでなく、大学で映像制作も学んだ。留学がなかったら、今の自分はないという。
「高校卒業後、新しいことに挑戦したいと留学を決意しました。自分の内なる『声』に導かれたんです」
そうした想いや留学時に言葉の壁を感じ話せなくなった経験から、「声」を強く意識。帰国後、たまたまYユーチューブouTubeで、特定の状況・場面だけで話せなくなる「場面緘かん黙もく」を知る。「映画にしたい」と、帰国後初の作品「そのこえ」の制作を決めた。
短編とはいえ、資金も人脈も全くない日本での制作。工事現場で働いたり、映画祭でボランティアをしたりと必死だった。 「ロケ地は実家のあった生駒に。すてきな風景や人のあたたかい生駒で撮りたいと強く思ったんです」
舞台の一つ「指定障害福祉サービス事業所ひだまり」では、利用者の皆さんも出演。事前にボランティアとして参画し、撮影で緊張感が出ないように丁寧に関係を築いた。 「作品では、出演者の本来持つ良さが自然と出ることを望んでいます。そのための環境・状況づくりが自分の仕事だと思っています」
5月、初めての試写会を生駒で開催。上映前の不安は、当事者の「感動しました」の一言で吹き飛んだ。現在も全国で上映を続けている。
「この映画をきっかけに、場面緘黙の症状のことを多くの人に知ってほしいです。次も『声』をテーマにした長編を撮ろうと動いています」
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