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あしあと

    菅 スミヱさん(2023年3月号掲載)

    • [更新日:2023年2月27日]

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    菅 スミヱ(かんすみえ)
    フランス刺繍作家。仏画を中心に花や動物などの刺繍を作っている。元気の秘訣は、洗濯物干しや掃除など、日々の家事で身体を動かすこと。市内在住、93歳。

    刺繍に夢中、50年 糸と情熱で表す仏の世界

    緻密に並んだ糸が織り成すのは、色とりどりの仏の世界。日々の生活の合間に、1日5時間から10時間、針を刺す。小さいもので1日、背丈を超える大きさのものは1年ほどかけて、たくさんの作品を生み出している。
     「本当に刺繍が好きなんです。肩が凝っても気にならない。作品が一つ完成すると、すぐ次に何を作ろうかと悩み始めています。その時間もまた、楽しいですね」

    小豆島で生まれ、結婚を機に生駒へ。子育てをしながら、自分の好きなことにも挑戦したいと思っていた。そんなとき見つけたのが、刺繍教室を始めるという近所の手芸店の貼り紙。「刺繍をやりたい人がいたら教えてあげてね」と店の人に言われ、すぐさま自分が手を挙げ、教室に通い始めた。
     「子どもの頃、叔母が全身鏡のカバーに動物の刺繍をしていたのを見てから、刺繍に憧れていたんです」
     隙間時間に刺繍をする日々。そんな中、平成29年に版画家・棟むな方かた志功の展示会に行き、やりたいことのために努力を重ねた姿に心が動いた。
    「自分も何かがんばってみたい」。そう思い始めた頃に、奈良国立博物館で国宝「刺繍釈迦如来説法図」に出会い、「仏を刺繍したい」という気持ちに火が付いた。

    図録を拡大コピーしたが、細部が分からない。より精度の高い下絵を求めて印刷会社に依頼。それでも分からないところは想像で刺した。完成間近の作品を美術史の専門家に見せると「ここまでの大作を刺繍した人は見たことない」と高評価。その熱意に感銘を受けた専門家から文化財修復に用いた資料をもらい、それをもとに、また刺繍に励んだ。作品の精密さが評判を呼び、
    新聞に掲載されたり、芸術会館美楽来で個展を開催したり。個人で楽しむ刺繍から、誰かに見てもらう刺繍へ変わっていった。
     「ただ毎日、楽しく刺繍していただけなんですけど、刺繍が『見てほしい』と思ったんですかね。自分でも驚きです。これだけ熱中できるものがある人生は、楽しいですね」 
     今も、昨年6月から作り始めた新たな作品に取り組む。6月の完成を目標に毎日針を握り続けている。


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    [公開日:2023年3月1日]

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