池尾 宥亮さん(2025年12月号掲載)
- [更新日:2025年11月27日]
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いけお ゆうりょう
長弓寺円生院の住職。テンプリッシュ主催。12月7日(日曜日)に開催の「もう一度会いたい僧侶を決める」大会「H1法話グランプリ」も主催している。46歳、市内在住。
文化の中心地だった寺から日本文化を英語で伝える
鳥のさえずりや鐘の音、参拝者が玉砂利を踏む音…。静けさに包まれた長弓寺の境内で、月に1日、英語を話すこどもの声がする。長弓寺に3つある院のうち、円生院で開催しているのが「テンプリッシュ」だ。テンプリッシュはTemple(寺)とEnglish(英語)を合わせた造語。小学1~6年生のおよそ20人程度が、流しそうめんなどの食に関するアクティビティやしめ縄作りなど、日本の文化を英語で学んでいる。
「テンプリッシュに参加した子から『英語が楽しくなった』『できることが増えた』という手紙をもらったことも。私自身も、こどもの成長を感じられてうれしいです」
この活動を始めたのは、平成25年のこと。東京から帰省した友人が、寺の畳に寝転がって「気持ちいい、癒やされるわ」と言葉をこぼしたのがきっかけだった。当たり前の環境だった寺の良さ・ありがたさを実感し、何かに活用できないかと思うように。
そこで長弓寺の「強み」を整理してみた。歴史があること、自然がありつつ、車も停められる利便性があること、地域の英語熱が高まりつつある時期だったこと…。大学在学中にカリフォルニアに短期留学をしていた経験から、英語と寺子屋を掛け合わせて始めることにした。
「寺はかつて、日本の文化の中心地でした。そんな場所で、英語も学べたら…。そんな思いでスタートさせました」
活動には毎回、奈良先端科学技術大学院大学の留学生も7・8人程度参加する。まずはこどもが英語で日本の文化を学び、次は英語で留学生に伝える。寺子屋は習ったことを生徒自ら新入生に教えていくスタイルだったが、それを踏襲。テンプリッシュはこどもや留学生に日本文化を受け継ぐ場も担っている。
「海外に行くと、よく『日本の文化は?』と尋ねられます。私はその質問に、いつも思うように答えられませんでした。将来、海外で活躍するこどもたちが、同じことを尋ねられたとき、感情を込めて話せるようになってほしい。そして、日本に誇りも持ってくれたらと思います。体力がある限り、活動を続けたいですね」
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