長引く せき・たん・息切れ…それってCOPDかも?
- [更新日:2025年4月16日]
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COPD(シーオーピーディー 慢性閉塞性肺疾患)とは
- COPD(慢性閉塞性肺疾患 まんせいへいそくせいはいしっかん)は、長年の喫煙習慣などが主な原因となって、徐々に呼吸機能が低下していく肺の病気です。具体的には慢性気管支炎と肺気腫を合わせたものをいいます。
肺気腫とは、主にたばこの煙が原因となって肺胞(呼吸の際に酸素と二酸化炭素の交換が行われる部位)が破壊される病気です。たばこの煙は粒子が小さいので肺の奥まで入り込みやすく、ニコチンなどの有害物質を吸い込むことによって気道や肺が傷つき、機能低下が起こる病気です。
- 国の統計によると、日本国内のCOPDによる死亡者数は16,941人で死亡率(人口10万対)は14.0人でした(2023年)。あまり知られていない病気であることから、診断にいたっていない潜在的な患者さんは530万人以上いると推計されています。しかし、実際に診断されているのは22万人にすぎません。
(注意)COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略。

COPDの恐ろしさ
- 息切れなどを自覚したころには、かなり進行していることが多いです。
- 現代の医学では、一度壊れてしまった肺胞をもとどおりにする治療はありません。

原因・症状・診断・予防

最大の原因はたばこです
- 「肺の生活習慣病」とも言われており、患者さんの多くが長期の喫煙者や喫煙経験者です。
- たばこの煙は吸っている本人だけでなく、近くにいてたばこの煙を吸う人(受動喫煙)も、COPDになるリスクが高くなり、実際に発症することもあります。
- そのほか、粉じんや大気汚染などで発症することもあります。

主な症状
- 初期は無症状でゆっくりと進行する
- 長く咳や痰が続く
- 歩行や階段昇降などで息切れを感じる
- 喘息のような症状(息苦しさや呼吸困難)

診断
呼吸器内科を専門にしている診療所や病院で、スパイロメーターという機械を用いて、息を吐くときの空気の通りやすさといった肺機能検査を受ければ、簡単にわかります。CTなどの画像診断も行われます。

予防/重症化を防ぐには
- 禁煙により発症を予防することが重要です。
- 発症後も禁煙することで悪化を防ぐことができます。
- 早めの受診をお勧めします(症状がある方)。特に、喫煙歴が10年以上、40歳代以上の人はリスクが高いことが分かっています。かかりつけ医や呼吸器内科などで早めに相談しましょう。

もっと詳しく知りたい方へ
COPDに関する詳しい情報は下記のサイトをご参照ください。
●厚生労働省「健康寿命をのばそうスマート・ライフ・プロジェクト」(別ウインドウで開く)
●日本呼吸器学会「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」(別ウインドウで開く)