『化学物質過敏症』をご存知ですか?
- [更新日:2023年9月13日]
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化学物質過敏症とは
化学物質過敏症は過敏という名が示すように、ごく少量の物質にも反応するアレルギー疾患に似た疾患です。
最初にある程度の量の化学物質に曝露されると、化学物質に対する体の免疫反応が大きくなり、2度目に同じ化学物質に暴露されると、少量であっても過敏症状を呈します。このようなアレルギー疾患様の性格だけでなく、低濃度の化学物質に繰り返し曝露されることで発症する中毒性疾患に近い性格も兼ね備えています。
症状
この疾患には頭痛、全身倦怠感、不眠、便秘、動悸など特徴のない症状が多いです。特に軽度の場合、身体の疲れや軽い風邪、女性であれば更年期障害などとの鑑別が難しい場合が多いと言われています。
化学物質過敏症の主症状
【自立神経障害】発汗異常、手足の冷え、頭痛、易疲労性
【内耳障害】めまい、ふらつき、耳鳴り
【気道障害】咽頭痛、口喝
【循環器障害】動悸、不整脈、循環障害
【免疫障害】皮膚炎、喘息、自己免疫異常
【運動器障害】筋力低下、筋肉痛、関節痛、振戦
【消化器障害】下痢、便秘、悪心
【眼科的障害】結膜の刺激症状、調節障害、視力障害
【精神障害】不眠、不安、うつ状態、不定愁訴
原因
原則的にはアレルギー疾患同様、発症者にとって合わない物質であれば何でも原因物質となる可能性があります。下記のような物質が頻度的に原因物質となる可能性が高く、日常生活の中で身近に存在し、意識せず接触している可能性が高いと考えられています。
大気汚染物質、花粉、排気ガス、殺虫剤、除草剤、ペンキ等の塗料、動物の毛、建材、接着剤、たばこの煙、殺虫剤、消毒剤、洗濯洗剤、柔軟剤、香水、芳香剤、化粧品類など
また、香料のついた洗剤や柔軟剤、香水等、毎日使用しているようなものについて、香りが体調不良を引き起こす『香害』ということばも聞かれるようになっています。
市民の皆さんへ
化学物質過敏症は、未解明の部分が多い疾患です。社会の中で原因物質を完全に取り除くことは難しいですが、できるだけ接触する原因物質の量を少なくすることが望まれます。そのため、一人ひとりが理解を深め取り組むことが大切です。
その香り困っている人もいますポスター(別ウインドウで開く)(消費者庁・文部科学省・厚生労働省・経済産業省・環境省)