心肺蘇生法の流れ(AEDを用いた方法)
- [更新日:2024年10月16日]
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心肺蘇生法の流れ
倒れている人を発見したら
安全を確認する
・傷病者の救助の前に、自らの安全確保を優先します。
・誰かが突然倒れるところを目撃したり、倒れているところを発見した場合には、まず周囲の安全を確認します。車が通る道路などに人が倒れている場合や室内に煙が立ち込めている場合などは、特に気を付けます。

1 反応(意識)の確認

・傷病者の肩をたたきながら、耳元で「もしもし」、「大丈夫ですか」と呼びかけ、反応があるかないかを確認します。
・呼びかけなどに対して目を開ける、何らかの返答または目的のあるしぐさがあれば「反応あり」、けいれんのような全身をひきつるような動きは、「反応なし」と判断します。
・反応があれば、傷病者の訴えを聴き、必要な応急手当を行います。
・反応があるかないかの判断に迷う場合、またはわからない場合も心停止の可能性を考えて行動します。

2 反応がなかったら~119番通報とAEDの手配~

・大きな声で周囲の人に助けを呼びます。そして、119番通報とAED(自動体外式除細動器)を持ってくるよう依頼します。
・協力者が誰もいなければ、まず「119番通報」をします。
・協力者が一人しかいないときは、「119番通報をしてからAEDを持ってきてください。」と依頼します。
・119番通報をすると電話を通して、通信指令員があなたが行うべきことを指導してくれます。電話のハンズフリー(スピーカー)機能を活用すれば、両手が使えるので指導を受けながら胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行えます。心肺蘇生の訓練を十分に受けていない場合でも、落ち着いて指示に従ってください。

3 「普段通り」の呼吸をしているか?確認をします。

・呼吸の確認は、傷病者のそばに座り「普段通りの呼吸」をしているか、胸部と腹部の動きを見て、10秒以内で確認します。
約10秒かけても判断に迷う場合は、呼吸が無いものと判断し、直ちに胸骨圧迫を開始します。
・しゃくりあげるような、途切れ途切れに起こる呼吸がみられる場合は、普段通りの呼吸ではないと判断し、直ちに胸骨圧迫を開始します。(心停止が起こった直後には、あごだけを動かし、胸や腹の動きがない場合やしゃくりあげるような呼吸がみられる場合があります。このような呼吸を「死戦期呼吸」といい、普段通りの呼吸ではありません。)
・十分な呼吸が感じられるならば、回復体位にする。
回復体位については以下の添付ファイルをクリックしてください。

4 胸骨圧迫(心臓マッサージ)
・胸骨圧迫によって心臓や脳に血液を送ることで、AEDの効果を高めたり、脳の後遺症を少なくしたりすることが期待できます。
・心停止でない傷病者に胸骨圧迫を行ったとしても、重大な障害が生じることはないとされていますので、ためらわずに胸骨圧迫を開始してください。
・心肺蘇生を行っている間は、AEDの使用や人工呼吸を行うための時間以外は、胸骨圧迫はできるだけ中断せずに絶え間なく続けることが大切です。
・もし、救助者が2人以上いて、交代可能な場合には、疲労により胸骨圧迫の質が低下しないよう、1~2分間程度を目安に交代することをお勧めします。
・胸骨圧迫は、必ずしも服を脱がす必要はありません。その場合は胸の真ん中の固い部分を圧迫するよう心がけてください。圧迫位置が不安な場合は服を脱がして行ってください。服を脱がして行う場合は、周囲の環境に応じてプライバシーに配慮した方法(例えば三角巾で胸部を覆うなど)も考慮してください。

傷病者に普段通りの呼吸が無いと判断したら、直ちに胸骨圧迫を開始します。
・胸の真ん中、胸骨上(胸骨の下半分)に手を置きます。
・手の組み方:両手で圧迫するために両手を重ねて、両肘を伸ばします。
(こどもに行う場合は、押しすぎないように片手の圧迫をお勧めします。)

・押さえ方:指先を傷病者の胸から離し、拳の付け根で押さえることにより、力が集中します。
(胸が約5cm沈むまでしっかり圧迫する。)
こどもの胸骨圧迫の深さは、胸の厚みの3分の1を目安に圧迫します。
・リズム:1分間に100~120回(概ね1秒に2回)のテンポで絶え間なく圧迫します。
・圧迫と圧迫の間(圧迫を緩めるとき)は十分に力を抜き、胸が元の高さに戻るようにします。

5 人工呼吸(口対口の人工呼吸により、肺に空気を送り込む)

胸骨圧迫を30回続けたら、その後気道を確保して、人工呼吸を2回行います。
気道確保
・傷病者の、のどの奥を広げて空気を肺に通しやすくします。(気道の確保)
・片手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の人差し指と中指の2本で傷病者のあご先(骨のある硬い部分)にあてて、頭を後ろにのけぞらせ(頭部後屈)、あご先を上げます。(あご先挙上)
(注)指で下あごの柔らかい部分を強く圧迫すると気道が狭くなるので注意します。

人工呼吸(口対口の人工呼吸により、肺に空気を送り込む)
・気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、自分の口を大きく開けて傷病者の口を覆い密着させ、息を吹き込みます。息は傷病者の胸が上がるのが見てわかる程度の量を約1秒かけて吹き込みます。(こどもの場合も同様に、胸が軽く膨らむ程度の量を吹き込んでください。)
・いったん口を離し、傷病者の息が自然に出るのを待ち、同じ要領でもう一度吹き込みます。
(注)2回の吹込みで、いずれも胸が上がるのが目標ですが、もし、胸が上がらない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫を再開し、その後、胸骨圧迫のみの心肺蘇生法を継続します。
(注)人工呼吸をしている間は胸骨圧迫が中断しますが、中断時間は10秒以上にならないようにします。
(注)傷病者の顔面や口から出血している場合や、口対口の人工呼吸をためらわれる場合には、胸骨圧迫のみの心肺蘇生法を行います。

6 心肺蘇生法継続(胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す。)

胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。

胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。
胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30:2)を救急隊と交代するまで、または傷病者に目的のある仕草が認められるまで続けます。

7 AEDが到着すれば!!

(1) AEDの電源を入れる。
・ケースのふたを開け、電源を入れる。その後、AEDの音声メッセージや文字や画像で指示してくれますので、落ち着いて、それらの指示に従ってください。
(注)AEDの準備をしながらも、心肺蘇生をできるだけ続けてください。

(2) 電極パッドを貼る。
傷病者の着衣を取り除き、AEDのケース内の電極パッドを袋から出し、保護シートからはがし、電極パッドに書かれているイラストのとおりに、傷病者の胸部に直接貼ってください。
電極パッドには、小学生~大人用(従来の「成人用」)と未就学児用(従来の「小児用」)の2種類の電極パッドが入っている機種や、本体に未就学児用モードに切り替えるスイッチが付いている機種があるので、小学生以上に未就学児用電極パッド(モード)は使用しないでください。

電極パッドは、胸の右上(鎖骨の下)と胸の左下(左乳頭の斜め下)の位置に、密着させて貼り付けます。(電極パッドにイラストで表示されています)また、電極パッドを張り付けている際にも、可能であれば胸骨圧迫を継続してください。

(3) コネクターを本体に接続する。
(機種によっては、最初から接続されているものもあります。)
(4)心電図パッドを張り付けると、「体から離れてください」などのメッセージが流れ、心電図の解析を始めます。このとき、電気ショックが必要な場合は、次のとおりにします。
1 「電気ショックが必要です」と音声メッセージが流れた場合は、自動的に充電が始まります。
2 数秒後に充電が完了し、「電気ショックボタンを押してください」などの音声メッセージや充電完了の連続音が流れ、電気ショックボタンが点滅するので、「皆さん離れて!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認します。

3 「電気ショックを行います。皆さん離れてください」と周囲に注意を促し、操作している人も周囲の人も、誰も傷病者に触れていないことを確認し、電気ショックボタンを押します。
4 電気ショックが必要がないと解析した場合には、「電気ショックは不要です」と音声メッセージが流れます。その場合も直ちに胸骨圧迫を再開してください。


電気ショックボタンが「点滅」している写真です
AEDを設置している施設については「AED設置施設(別ウインドウで開く)」を参考としてください。

8 心肺蘇生とAEDの繰り返し

AEDは2分ごとに、自動的に心電図の解析を行います。電気ショックの必要があれば再び電気ショックを実行します。
【心電図解析、電気ショック(必要があれば)、心肺蘇生の再開】を繰り返し、傷病者に普段とおりの呼吸や目的のあるしぐさの出現するか、または救急隊に引き継ぐまで続けてください。
(注意)救急隊や医師が到着するまで、AEDの電源は切らないでください。電極パッドも貼ったままの状態にして待ってください。また、救急隊や医師が到着すれば、実施した電気ショックの回数など、応急手当の内容を説明してください。(例:電気ショック1回行いました!・・など)

オートショックAEDについて

「オートショックAEDに表示されているロゴマーク」
電気ショックが必要と解析した場合に、ショックボタンを押さなくても自動的に電気ショックが行われる機種(オートショックAED)もあります。
オートショックAEDでは、傷病者から離れるように音声メッセージが流れ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気が流れます。
特に電気ショックを実施する場合は、音声メッセージに従って、傷病者から離れてください。

AEDを使用するときの注意事項
- 傷病者の胸が汗や水で濡れている場合は、乾いたタオルなどで拭き取ります。
- 濃い胸毛のときは、電極パットが体表に密着しないため、「接触が不良です」などのエラーメッセージが流れます。この場合は、電極パットを強く押しつけるか、電極を素早く剥がすなどして、体毛を除き、予備の電極パッドを貼り直します。
- ペースメーカーなどが埋め込まれている場合は、胸部の盛り上がり部分から3cm程度離して電極パッドを貼ります。
- 胸に貼り薬などが張られている場合に電気ショックを行うと、皮膚にやけどを負うことがあるので、その場合は剥がして、薬を拭き取ってから電極パッドを貼ります。
- ネックレスなどの貴金属がある場合も、接触している皮膚にやけどを負うことがあるので、取り外すことができれば取り外します。取り外せない場合には、電極パッドに触れないようにしてください。
お問い合わせ
生駒市消防本部 警防課救急係 電話0743-73-0119(内線410)