肝炎ウイルスと肝臓がん
- [更新日:2024年4月11日]
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検診を受けましょう!
肝炎ウイルスは、感染して適切な治療をせず放置した場合、肝硬変や肝がんに進行する恐れがあります。
しかし、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、感染しても自覚症状がないことが多く、気付かないうちに進行している感染者の方が多く存在することが問題となっています。
肝炎ウイルスの感染の有無は、一般的な健診で行われる肝機能検査のみでは確認できず、肝炎ウイルス検査を受ける必要があります。
全国での肝炎(ウイルス性肝炎)の持続感染者は、B型が110万人~140万人、C型が190万人~230万人存在すると推定されています。
少なくとも一生に一度は、肝炎ウイルス検査を受けましょう。

ウイルス性肝炎とは
ウイルスによって、肝臓に炎症が生じ関し肝細胞が破壊される病気を総称して「ウイルス性肝炎」といいます。ウイルスの種類によってA型、B型、C型などに分類されます。B型、C型肝炎ウイルスは主に血液が直接体内に入ることによって感染します。
(注意)握手、くしゃみ、キス、食事、入浴(公衆浴場)、トイレなどのような日常的な接触では感染しません。

B型・C型肝炎はほとんど自覚症状がない!
症状が重いとされる急性肝炎でも自覚症状がみられる人は2~3割です。慢性肝炎の場合では、自覚症状のない場合が非常に多いといわれています。そのため、肝炎に気づかず感染したまま放置していると、知らない間に肝硬変や肝臓がんに進行する危険があります。
肝炎の症状:全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、黄疸など

B型・C型肝炎になると肝硬変や肝がんになる?
C型肝炎ウイルスに感染すると60~80%という高い確率で慢性肝炎に進みます。B型肝炎ウイルスでは持続感染者のうち10~15%の人が慢性肝炎に進みます。慢性肝炎の経過が持続すると、肝硬変や肝臓がんへと進行することがあります。
しかし、早期に発見して適切な治療を行うことで肝炎を治したり、肝炎の進行を遅らせることができます。

厚生労働省 肝炎総合対策キャラクター

肝炎ウイルスに感染していたとき(検査結果が陽性の場合)
検査を受け、精密検査が必要となった方は必ず専門医療機関を受診してください。
精密検査の結果、すぐに治療を必要としない場合であっても、定期的に受診し超音波検査等にて経過観察する必要があります。

がんと診断されてからの生存率
肝臓がんの生存率は他のがんと比較して低く、予防のためにも肝炎ウイルス検査は重要です。
・ 2009年から2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で64.1%(男性62.0%、女性66.9%)。
・ 部位別では皮膚、乳房(女性)、子宮、前立腺、甲状腺が高く、肝臓、食道、肺、胆のう・胆管、膵臓、脳・中枢神経系、多発性骨髄腫、白血病は低い。

5年相対生存率・・・がんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標
資料:国立がん研究センター[がん登録・統計]