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    市民とともに創る協働のまちづくりシンポジウム(パネルディスカッション)

    • [更新日:2015年10月9日]

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    中川

     テーマは、「参画と協働のまちづくりについて」ということでございます。生駒市は先ほど、私の方から御報告を申し上げましたように、生駒市自治基本条例ができておりまして、その中に参画と協働ということも謳われており、さまざまな制度、システムというものがこれに基づいて整理されていくという、もう出発点に立っております。

     それから、今日は奈良県と奈良市からもお越しいただいておりまして、県では、今、参画と協働の推進のための基本方針をかつてつくっておったものを、もう一度仕立て直すという大幅な作業に入っていまして、その作業の、いわゆるあとは推進の取りまとめをしてくださっている担当部局の実質責任者でいらっしゃる森川さんに来ていただいています。

     それから、奈良市も参画と協働の推進条例というのも成立させ、可決させています。もう既に動いているわけですね。そういう意味で、大変心強い生駒市のパートナーというふうに考えていいかと思いますが、そこから皆様十分御承知の仲川げん市長に来ていただいております。

     もう一人、ローカル・ガバナンス研究所の木原さんは、実は奈良はもとより、全国でも有名な参画・協働のまちづくりに関する研究者であり、また実践者であり、あるいは理論的提唱者でもあるということで、私も大変尊敬申し上げておりますし、頼りにもさせていただいている研究者であります。今日は、そういうゲスト陣に参加いただきながら、生駒市に高級なエネルギーを注入していただきたい。そういう生駒市の取り組みも評価していただきたいというような感じで進めていきたいと思います。

     それでは、早速生駒市長の山下市長さんの方から、生駒市の取組等につきまして、御所見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

    山下

     先ほど、あいさつの中で、このパンフレットを参照させていただきまして、その2ページに3つの基本原則が書かれているというふうに申しました。

     基本原則1の情報共有及び公開、これはもう今や当然のことで、改めて言うまでもございませんが、生駒市におきましても、この情報共有及び公開ということにつきましては、かなり力を入れてやっておるというふうに自負をしております。日経新聞の全国の市と区の情報公開度の調査でも、生駒市の情報公開度というのはかなりアップをしております。

     基本原則3の人権の尊重、これも当たり前のことでございまして、これも力を入れているんですけれども、今日のテーマは、この第2番目の参画と協働の原則ということでございます。

     一体、じゃ、参画と協働とは何ぞやというふうにお思いのみなさんもおられると思いますので、この自治基本条例という分厚い冊子がお手元に入っておると思うんですけれども、ちょっと出していただけないでしょうか。51ページまである冊子なんですけれども、この第2条、ページで言いますと3ページをちょっと見ていただきたいんですけれども。そこに定義というのが書いてございまして、第2条の4号で、「参画とは市の施策や事業等の計画、実施及び評価等のまちづくりの過程に、市民が主体的に関わることをいう」というふうに書いております。これだけ読んでもよく分からないと思うんですが、「参画」とよく似た言葉に「参加」という言葉がございます。今日、このシンポジウムに出席することも参加でございますけれども、参画という言葉は単なる参加ではなくて、意思形成に加わることで責任ある行動が求められると、そういう意味も含まれているということでございます。

     次に、協働でございますけれども、これも2条の5号に定義がございます。「市民と市又は市民と市民とが、それぞれの役割と責任を担いながら、対等の立場で、相互に補完し、協力することをいう」ということが書いてございます。この定義の中に、役割と責任を担いながら、対等の立場で相互に補完しという、そういったキーワードが散りばめられているんですけれども。つまり、協働とは、お互いの立場や特性を生かして、責任や役割を分担し、協力し合うと、こういうことでございます。協働の際の原則として言われておりますのは、自主自立と対等、そして相互理解、目的共有。3番目に公平、公正、公開ということでございます。つまり、行政と市民、あるいは行政と各種ボランティア団体、NPO団体、それから、ボランティア団体とボランティア団体、市民と市民、いろんな組み合わせがあるわけですけれども、それぞれがそれぞれに自立をし、それぞれの責任と役割を果たして、お互いにお互いの存在を理解し、思いやりながら、公平、公正、公開という原則のもとで協働していくと、そういうことでございます。

     こういうふうに申し上げますと、何かえらい随分難しいことやなというふうに思わはると思いますけれども、じゃ、なぜこういう、一言で言えば、単に市民として税金を払い、選挙に行き、サービスを受けるという、これも当然納税の義務、それから参政権、権利と義務の行使なんですけれども。それだけではなくて、もっと市の意思形成過程、あるいは市の事業の実施に主体的関わるということがなぜ必要なのかということですよね。そのことをちょっとお話しさせていただきたいというふうに思います。

     大きく市民と行政の参画、協働と言った場合に2つの側面があるというふうに思います。まずは、市の施策の意思決定過程に参画する。つまり、政策形成に参画するという場面が1つ。それから、そうやって決定した意思に基づいて市の施策を実施するという、その実施の過程で参画するという、大きく分けてこの2つの面があると思います。

     それぞれの面で、参画と協働ということは、じゃ、行政にとって、また市民にとってどういうメリットがあるのかということをちょっと考えてみたいと思います。もちろん、行政と市民というものを、今、2つ並べましたけれども、これは一応役割分担ということで申し上げているんですけど、行政というのは、もともと市民のためにあるものですから、行政がうまく機能するということは、めぐりめぐって市民のためになるわけですけれども、ここでは行政と市民ということに分けて考えたいと思います。

     政策形成の過程で、市民の方が意思形成に参加するというのはどういう意味があるかということなんですけれども、これまでははっきり言いまして、大事なことを決めるときは、大多数の地方自治体や、以前の生駒市といってもいいと思うんですけれども、市の重要な意思決定は、市長なり、幹部職員なり、市議会という人たちがやっていた。ときどきそこに政策によって影響を受けるいろんな業界団体とか、そういったものが関わるというような形であったわけでございます。

     今、私が言ったような人間というのは、意思形成過程のいわばインナーなわけですよね。そもそも意思形成に関わることが予定されているインナーな人たちなわけですけれども、そういった人たちだけで決めてきたことが、果たしていい結果を生んだのかというと、生んでなかった面もあると思うんですよね。それは、市民というものの直接の関心なり、参画がなかったことで、例えば不必要な箱物が造られて、借金が増えた。あるいは市民の知らないところで税金が無駄遣いされていたということもあるわけですね。

     そういういわば、市民は選挙のときだけいろいろと心、耳障りのいいことを政治家から言われて、あとは蚊帳の外に置かれるという状態がいろいろな弊害を生んできたことはみなさんもお分かりだと思います。そこで、市の政策形成過程に一般市民の立場、政策に全く利害関係のない一般市民の立場、言いかえれば、納税者の立場として、参加してもらうことによって、政策の公平性、公正さを保とうというのが、1つの政策形成過程への市民の参画の狙いなわけでございます。1つはそういう納税者の立場を反映していただくということと、もう1つは、要するに我々行政担当者以上の専門知識を持っておられる市民の方もおられます。そういったものを政策形成に反映していくことで、施策の完成度を高めたいと、これが行政にとってのメリットなわけです。ちょっと具体例を言おうかと思ったんですけど、そこまで踏み込む時間がないので割愛をさせていただきます。

     じゃ、その市民の側に政策形成に関わることでどういうメリットがあるかということですね。例えば、公募委員、いろんな委員会、審議会の公募委員として参加することで、やっぱりそういうふうに参加されることは、みなさん、そのテーマについて興味、関心、あるいは情熱を持ってはるわけですよね。そうした方にとっては、自分の意見を、当然その意見というのは、その人の独りよがりな意見であってはいけないわけですけど、市民代表としてその人の意見を言うことで、当然その人にとっては、自分が公のことに関わるということで一定の自己実現にもなりますし、満足にもなります。

     全市民的に考えると、一市民、利害関係のない一市民、納税者の立場で意見を言うことが、より公平、公正な政策の形成にもなりますし、その方が専門知識を持っていた場合には、より完成度の高い施策が実現すると。これは、めぐりめぐって市民に利益が戻ってくるわけです。そういうメリットが市民の側にもあると思います。

     それから、事業実施の過程で、じゃ、どういうメリットが行政、市民にそれぞれあるかというふうに申しますと、例えば例を挙げて申しますと、今、市では環境基本計画というのを策定して、平成21年度から10年間でこれを達成しようと思っています。大きな目標はCO2の削減ということに。しかしながら、例えばレジ袋の削減とか、過剰包装の削減とか、公共交通の利用促進とか、こういうことをいくら我々行政が、ホームページなり広報で言っても、みなさん、慣れっこになっているんですよね。また、何か言っているなと。でも、例えばどうでしょうか。自分のお隣さんがそれをやっていた。親しい友達がそれを始めたと。車をやめた。あるいはレジ袋をやめてマイバッグを持っていったということになると、非常にインパクトがありますよね。私もやってみようかという気になるはずです。つまり、こういう特に環境問題のように、市民や企業の参加が不可欠な施策については、行政単独で旗を振っても効果が乏しいんですね。ですから、ここに市民参加の意味があるというふうに私は思っております。

     これと、その事業実施の過程で、どう市民がメリットを受けるのかということですね。

     1つは、自分も汗を流して、公のことに参加するということで、満足感を得ていただける場合もあります。全員すべてのケースがそうだとは言いません。先日、私はある生駒市の、かつては新興住宅街、今はかなり高齢化しているようなまちで自治会長を務められた方からお手紙をいただきました。私は、会社を定年して悠々自適の日々を送っていたと、毎年百名山に3つか4つ登るのが楽しみだったけれども、自治会長を引き受けてからは1回も行けなくなったと。こんなことは引き受けたくはなかったと当初は思っていたけれども、1年間やってみたら、やはり地域の人たち、あるいは市の職員と協力し合いながら、自分の住んでいる地域をよくしていくというその行動、そしてそれが成功したときの結果にすごく満足をして、すごくやって良かった、すがすがしい思いで退任したという、お手紙をいただいて私もうれしくなったんですけど。そういう市民自身の自己実現、満足ということもあるんですね。

     それから、NPO、ボランティアというのも、参画、協働の主体なわけですけれども、やはりこういう団体というのは、事業をやってこそ、その組織が強化される。モチベーションも上がる。構成員のスキルが高まる。活動の幅が広がるわけで、例えば市とタイアップして、市の事業の一部をそこがやるということによって、その団体は成長していくわけですね。

     それともう1つ、この地域で考えてみますと、自治会活動が盛んで、向こう三軒両隣の精神が充ち満ちている地域というのはどうかというと、先ほど先生の話にもありましたけれども、やはり、例えば防犯とか防災という困ったときのいざというときの助け合いのときに、これほど心強いことはないわけです。今、どんどん高齢化していって、隣近所と交流がないという地域も出ております。非常にそれは、そういうところで暮らす人は寂しい思いをして年をとっていかなきゃいけません。

     しかしながら、そういう形で隣近所の交流が以前のような昭和の戦後間もなくのような醤油の貸し借りというようなところまではいかないにしても、やっぱり隣近所の交流が盛んということは、安心してその地域で暮らせるということになると思うんですね。ですから、そのことで市民にもメリットがあるというふうに私は思っております。ですから、これが参画と協働のメリットであると、これは行政にとっても、市民にとっても大きなメリットであるというふうに考えておりますので、これを進めているわけで、ぜひともそうしたことを御理解いただいて、このまちづくりに御協力をいただきたいなと思っております。

     ちょっとしゃべり過ぎましたので、あとの方は時間は余りしゃべらないようにしますので、次の方にバトンタッチさせていただきます。どうも済みません。

    中川

     ありがとうございます。本当はもうあとこれの3倍ぐらい時間をお渡ししたかったんですけれども、今日は豪華メンバーをたくさんそろえ過ぎていますので、時間配分に私も苦労します。

     次に、生駒市議会の樋口前副議長さんにお話をお伺いしたいと思いますが、樋口さんと数年前からお知り合いになったんですが、実は同じ学会であることに気がつきました。樋口さんが計画行政学会ですよね。私と入れ替わりに確か世話役、引き受けてくださっていて、私、計画行政学会の監査役で一時理事やっていたんですが、多分私が退いてから後、出られたのかなということで、同じような分野、部門で研究者として、実は仲間なんだということに気が付いたんですね。こういうふうなお話で分かると思いますが、都市計画とか、あるいはそれらの分野ではエキスパートです。技術士の資格もお持ちで、すごいと思いました。そのような樋口さんの、この自治基本条例を踏まえての議会の取組を御紹介いただけるということになっております。よろしくお願いします。

    樋口

     それでは、私は議会の代表ということですので、議会としての市民との参画、協働というのをどう考えていくべきなのかという視点から、少しお話をさせていただきたいと思います。

     今、市長からもございましたけれども行政側では、随分と市民参加、あるいは市民参画ということを進めてきております。各分野でどんどん市民の声を直接聞いていくというスタイルが定着しつつあるなというふうに感じているところなんですけれども。ただ、行政が直接市民の声を聞き出すと、じゃ、議会は何をするんやというようなことにも疑問が至るわけです。厳しい声を聞けば、議会不要論みたいなものも出てきているようなこともあると。そういう意味で、議会、あるいは議員として、市民の代表として、どう立ち居振る舞いをするべきなのかというところについて、今、非常に悩ましい時代になってきたのかなというふうに感じています。ただ、すべての市民が同時に1つの課題に対して意見を言うという形ができない限りは、この議員というのは、あくまでも市民の代表として選ばれて出てきているという正当性を持っているという立場で、やはり全市民の声を反映する形で物を言っていくという役割は、これは決してなくならないだろうというふうに思います。

     ただ、今の課題は、先ほど中川先生の講演の中でも部分的に触れられていたと思うんですけれども、要はその地域の非常に限られた声、あるいは限られた団体の声を代表する、そういう形でいきますと、なかなか広く市民の声を聞いてというふうにはなってこないと。それは各議員さんが、うちの議会ですと24人おりますので、その24人の議員が、それぞれの声を酌み取って、それが市内全域の声をうまく網羅できるのであれば、それは各議員が自分の周りの支援者の声を聞きながら物を言うということでも非常にバランスのとれた議論ができてくるんだろうと思うんですけれども、なかなかそうはいかない。市民の側でも、やはり政治に無関心な方もいらっしゃいますし、そういう意味では、なかなか市民の声というのが議員に伝わってこない部分もあるだろうというふうに思うんです。議会の今の課題というのは、そういった人々の声をどのようにして集めて、それを政策議論の場に持ち込んでくるのかというところが大きな課題になっているなというふうに思っています。

     それと、もう1つは、議会で何が起こっているのかということについて、もちろんその声を集める手前のところで情報発信をしていくということも非常に大事なところかなというふうに感じています。今、議会として、市民の側に情報発信をする方法としては、ホームページと、あと年4回の議会報ということで、それが各御家庭に配布できる。あるいは、みなさんが希望すればいつでも見られるものということで整えられているもの。ホームページについては、本会議のインターネット中継とか、割と早々とそういうことに取り組んでおりますし、会議録もかなり早い時期に公開できるような形もとっていますので、かなりそういうところでの努力はしているつもりなんですけれども。ただ、その議会報、年4回配られてきたものを、みなさんどの程度読んでいただけているのかなというのは、非常に不安に思うところです。実際、見ていて、読んでいておもしろいというものには、多分なっていなくて、ざっと読むと、ああ、こんなことがあったんやなという、本当に情報提供、現状どうなっているのかということの情報提供ぐらいしかできないかと。そこが、実は非常に我々としてももどかしいところがあるんですが、ただ、これをおもしろく読んでいただこうとすると、実は大きく編集をし直していかなければならない。議会というのは、いろんな意見を持った議員の集まりですので、ちょっと違う意見があった場合、どちらかの意見を大きく取り上げるということはできないわけですね。それをやることによって、1つ大きな方向性を見せながら、にわかに情報を伝えるということによって、おもしろい紙面というのはつくられるんだろうと思うんですけれども、なかなか議員相互の公平性みたいなものを担保しようと思うと、非常に平面的な情報発信しかできないということになります。そこは、各議員が自分の情報発信ということで頑張るしかないということになるんですけれども、これも各議員が個人でやる部分については、なかなかお金もかかるということもあって、頻度高くやるというのはなかなか難しい部分はあるんですけれども。そういうところが、実は我々議会として抱えている情報発信の課題ということになっています。もちろん、ホームページも同様です。何かを、どこかを持ち上げてというのか、重きを置いて発信するということが、やっぱりなかなか難しい。そういった中でどういう工夫ができるだろうか。みなさんに読んでいただかないと、情報というのはなかなか届けられないので、そこの工夫というのを議会の編集委員会の中なんかでも議論されていますし、また今、議会対策の検討会というのを設置して、その中で市民参画と広報をテーマに議論している部会があるんですけれども、その中でもいろいろ議論はしているんですが、なかなか妙案が浮かばないという状況になっています。

     次に、市民参画ということで、議会と市民とのつながりをどう整えていくのかというのが次の課題になってくるのかなと思うんですが。今、議会として市民のみなさんからお声を聞く場面というのは、これはもう先ほど申しましたような形で、各議員がそれぞれの支援者とのお話の中で意見を聞いていって、あるいはニーズを聞いていって、あるいは抱えられている問題、課題を聞いていって、それを議会の中の審議に役立たせるという形しか、今はとられていない。ただ、制度としては、参考人ということでお呼びして、委員会で御発言いただくような形もとることは可能なんですけれども、ただ、それも時間、あるいはスペースの制約から、なかなかたくさんの人に来ていただいて、いろんな意見をいただくということが難しいという状況があります。

     今、議会の中で検討課題として挙がっていますのが、議会報告会というものを開催して、市民の方々と意見交換をして、そういう情報収集を図っていくということができないだろうか。その中で、議会の状況もどんどん情報提供していくというようなことをできないかということで考えているところです。この件については、他の自治体でも、地方議会でも、もう既にやられているところもあります。やり方はその地域、地域によっていろんなやり方をされているんですけれども。

     また、ここでも課題を抱えておりまして、要は議会として決まったこと、議会として議論されていることを客観的に御報告できるだろうか。やはり、しゃべり手が議員になりますので、私も今日、議会の代表としてお話しさせていただいていますけれども、やっぱり自分の意見というのは必ず入ります。これをゼロにするということはなかなか難しいことですので。そういったしゃべり手の意見が入ってくる中で、きちっと議会の状況というのを公平にというのか、中立的にお話をすることができるのだろうか。その辺、少しやり方を考えていかなければならない。ただ、やはりこれはやることによっていろんな市民の方々の声を聞けるという大きなメリットがありますので、何とか実現したいなということで、今、検討が進められているところでございます。

     先ほど、少し触れましたけれども、議会改革に関する検討会議ということで、これについて若干触れておきますと、2年前、今期の議員当選当初の夏ごろに設置をされて、市民参加・広報部会、行政監視部会、議会活性化部会という3つの部会をこしらえて、そこに全議員がどれか1つの部会に参加をして、そこで議論をしていくと。議会改革に向けての60項目ほどの課題をまず抽出して、それを各部会に割り振って、その部会ごとにそれぞれの課題をつぶしていくという形で進めています。

     一定答えの出たものについては、これはやりましょうという合意ができたものについては、実際に動かしているということで、1つ御紹介しておきますと、テーマ別調査というものを議会で進めようと。これは、政策検討を委員会としてやっていこうということで、昨年、試行的に実施をしたものです。企画総務委員会で、ちょうどこの自治基本条例の議論が進められていた時期でございましたので、市民参加というテーマで調査をして、それの取りまとめを行いまして、提言書というのをまとめて行政側に、これは議会の企画総務委員会からの提案ですということでお渡ししました。内容的には、市民参加のための施策ということで、その手法の研究、運用。例えば、目的によってその参加の仕方というのは変わるだろうと。その辺をきっちり研究して使い分けていきましょうというようなことであるとか、あるいは情報提供の強化ということで、重要事案について積極的に、あるいは能動的に市民に情報提供していく、できる方法を考えましょうとか、もろもろそういう提案をして、中にこれからの課題になっています市民参画、市民協働のための条例を、あるいはこれは方法論としての方法を担保するための条例を制定しましょうと。こんなことをアウトプットとして提案書をまとめて、市民活動推進課の方にお渡ししているという状況でございます。

     これからの動きというのが、こういうものを反映した形で進められていくんじゃないかということで、私は期待をしているところなんですけれども、そういうことによって、議会からいろいろ政策提案をして、それを行政が受けとめていく、そういう流れができてくるんじゃないかなというふうに思っているところです。

     以上、簡単ですけれども、議会からの報告ということでございます。

    中川

     ありがとうございます。ちなみに、この自治基本条例の議会の項目と議員の項目の条文は、議会の中で審議、検討された案文をそのままここに入れているということですので、本当に議会とも二輪車といいますか、両輪になってつくったという経過があります。これは改めて御報告しておきます。ありがとうございました。

     それでは、藤堂委員さん、どうぞ。

    藤堂

     それでは、私は自治会の立場からお話をさせていただきたいと思います。

     先ほど、中川先生のお話で、自治体というのはコミュニティ系の団体でありまして、現在、自治会及び町内会が弱体化している現状があるというようなお話をちょうだいいたしました。生駒市の現状はどうなのかというところから、まずお話をさせていただきたいと思います。

     まず、現在生駒市には123の自治会がありまして、生駒市全体で平成21年4月1日現在、4万5,274世帯の中で、自治会に加入していただいている世帯数が3万7,870世帯。加入率に換算いたしますと83.64%でございます。この加入世帯につきましては、毎年増加しているんですけれども、それ以上に生駒市の世帯数が増加していることから、平成17年度の自治会加入率85.98%から一時増えた時期もあったんですけれども、少しずつ減少しているというのが現状でございます。実際の加入率につきましては、1つの家の中に2世帯が暮らしておられる世帯を、自治会では1つの世帯として加入していただいているというような現状もありますので、現実的にはもうちょっと加入率は高くなるかもしれませんけれども、現在数字で出ているのがそういう状況です。

     その微妙に減っている中で、じゃ、自治会活動が弱体化しているのかということなんですけれども、自治会はどういう活動をしているかと申しますと、当然住民ですから、自分たちの住んでいるまちをよりよいまちにしたいということで、自治会がやっている活動は非常にいろんな方面で、多種多様な分野にわたっております。活動内容は、それぞれの自治会で少しずつ違ってはおりますけれども、主なものを申し上げますと、例えば子どもの見守り活動を含む防犯活動であるとか、防犯灯の設置、自主防災活動など地域の安心安全を守ることに関わるような活動。それから、地域の清掃活動であるとか、公園の草刈り、ごみ置き場の管理などの環境を守るための活動。それから、お祭りであるとか、自治会の各種の行事等を通して親睦を図る活動。これにつきましては、ただ単に遊んでいるだけじゃないかみたいなことをおっしゃる方もいらっしゃるんですけれども、その遊びを通じて地域の親睦を図ることが、しいては地域力を高めることになり、そして防災に強いまちをつくっていくということにつながるんだという思いで自治会活動を行っております。ほかにも民生児童委員さんと連携したような福祉的な活動であるとか、さまざまな活動を行っております。また、それに加えて、行政とのパイプ役として、広報紙の配布であるとか、回覧を通して現在の生駒市の状況等を市民に知っていただくための活動、または地域で抱えている課題を生駒市と共有しながら、協働して解決していこうというような活動を行っております。

     では、生駒市の自治連合会はどういう活動をしているかと申しますと、自治連合会は自治会をつなぐ組織といたしまして、自治会で抱えている課題、これは1つの自治会だけでは解決できない課題もございますので、それを協力して解決していこうということで、平成15年度から毎年取り組み内容を定めまして、例えばごみ問題であるとか、ペットの糞問題であるような身近な問題から、自主防災会の拡大と活性化であるとか、地域における安心、安全のまちづくりというようなテーマを毎年設けまして活動してまいりました。今年度におきましては、地域力の向上に向けてということで、地域力がある地域、先ほど面識社会というような言葉も出てまいりましたけれども、地域のみんながお互いにお互いを支えられるような地域力を持った社会にしたい、自治会にしたいということで、今年度はそのテーマに基づいてさまざまな活動を行っております。

     また、先ほどから講演の中でも、市民自治協議会、住民自治協議会というような話も出ておりましたけれども、やはり小学校区単位以下というようなお話もありましたので、そういう協議会結成も視野に入れさせていただきまして、昨年度自治連合会では規約改正を行いまして、各小学校校区から2名ずつ自治連合会の役員を選出するという体制に変更いたしました。そして、市民自治基本条例の勉強会であるとか、また市長との地区別懇談会を実施いたしまして、生駒市との情報共有を図り、また地域で抱えるさまざまな問題の解決を図っております。

     これが、現実にやっている活動なんですけれども、各自治会におきまして、抱えている問題はさまざまでございます。お若い世代がたくさん住んでおられる地域もあれば、高齢化ということで深刻な問題を抱えている地域もございます。高齢化ということに関して申しますと、地域でお年寄りをどのように支えていけばよいのかという問題と、もう1つは極端に高齢化してしまった地域では、自治会の役員の、あるいは自治会活動をしていただく方自体がもう高齢化してしまって、地域を支える力がなくなってしまうというような急降下な高齢化を迎えている恐れのあるようなところというのも、確かに現実ではございます。ですから、その点では、先ほどの弱体化ということにつながっていく面もあるんですけれども、その中で各自治会におきましてはさまざまな工夫をいたしまして、そういう地域を何とかしようということで頑張っているわけなんですが。ただ、現実の自治会の役員だけで頑張ってもこれはどうしようもないことなので、今後の自治会活動の担い手をどうやって確保していけばいいのか。また、地域リーダーをどういうふうに育てていけばいいのか。これは、地域の問題であると同時に、地域だけでは解決できない、やはり生駒市と協働して解決していかなければいけない問題だというふうに考えております。

     1年交替の自治会長が多いような地域では、確かに先ほど市長のお話にもありましたように、自治会活動をやってすごく良かったわといって、辞めていかれる自治会長さんも多いんですけれども、そういう方を、良かったね、じゃ、私はこれから自分の趣味の道に生きますみたいな感じで出ていかれるのではなく、今後末永く地域活動に関わっていただけるような仕組みづくりというのが、今後、重要になってくると思います。

     最後になりましたけれども、参画と協働ということについてなんですけれども、自治会は加入率が低下しているとは申しましても、現在まだ80%以上の加入率がありまして、もちろん住宅地なんかではもう100%というところもあります。マンションとかアパートを抱えている地域では若干低いところもあり、でこぼこはあるんですけれども、かなり多くの市民が加入していただいている団体であること。また、今まで地域におけるいろんな問題であるとか、課題であるようなものに取り組んできたという実績を持っている団体であるということから、今後の市民自治協議会というようなものができました際に、その中核をやはり担っていくというか、重要な役割を果たしていかなければいけないというような自覚は持っております。ただ、その際に、先ほど申し上げましたような、それをリーダーとして引っ張っていくような人材を確保して、その人が、人材が途中で途切れることなくうまくリレーして次の世代へ引き継いでいくというような仕組みづくりというのが今後の課題でありますし、また自治会といたしましては、現在自治会で先ほど来申し上げているように、いろんな活動を抱え込んでいる関係上、自治会長さんとか、自治会の役員にはかなりの重荷がかかっているわけなんです、現実問題として。それが市民自治協議会というものが発足した際に、果たしてその重荷が、さらなる重荷が上からどさっとかかってくるのと違うかというような不安を抱いておられる自治会長さんもかなりおられます。その辺を、ほかの団体とどうやって協働して、そして地域の負担をみんなで分かち合っていけるのかというようなこと。また、生駒市との関係で申しますと、市民が担うべき役割、市民にしかできなことはどういうことなのか。また、行政にしかできないことはどういうことなのか。議会にしかできないことはどういうことなのかというようなことを、これからみんなできちんと話し合って、それをお互いに認識した上で、それぞれの立場で責任を持って、それぞれの役割を果たしていくというような仕組みづくりが必要だと当然思いますし、生駒市でも考えてくださっているとは思うんですけれども、それがまだ私たち市民の目から見ると、余りそういうことがはっきり見えてこないということから、今日この場でみなさんの御意見を伺いまして、自治連合会として今後どういう方向に進んでいったらいいのかということも考えさせていただきながら、参加させていただきたいという思いでこの場に来させていただきました。以上です。

    中川

     ありがとうございます。

     とてもシャープな問題提起をいただきました。

     少し、私なりに確認をしておきます。藤堂さんがおっしゃったことで大変重要なことは、地域でなくてはできないこと。それから、行政でなくてはできないこと。それから、議会でなかったらできんこと。これをきちっとしましょうよということですね。最近の言葉で言う事業仕分け。役割分担ということでしょうね。これは大変大事なことです。これからせねばならぬと思います。ところが、今まで、地域でもできることは地域でしましょう。自分でできることは自分でしましょうという言い方ありましたでしょ。私、ちょっとあれがね、もうやめようと思っている。反対なんです。地域でないとできないこと。地域でないとできないことは地域でやってもらうと、こう言った方がはっきりすると思うわね。

     例えば、子どもの安全のための声かけ、見守り運動なんて、これ、行政にやってくれったってできないですよね。防犯にしたって、女性の悲鳴が聞こえたら110番するなんていうのは、これも当然地域でないとできないことですよね。こういうことも一つ一つ明確にしていくことが、今、おっしゃっていた事業仕分けをはっきりさせることになるのと違うかなと思いました。

     それから、もう1つ、総合型住民自治協議会をつくる場合は、自治会、町内会と言いますか、これを中核に据えない限り、絶対にうまくいきません。全国の事例を見てもはっきりします。ただ、それが十分条件を達成できないというところにほかの団体も入れないと難しくなるということですね。だから、自治会、町内会は必要条件であり、絶対必要条件なんですが、十分条件に何が抜けているかということを点検して、その団体が中に入っていただけたら、うまくいくんじゃないかと。ただ、その役員なり、会長なりが一体だれがするか。過剰負担にならないようにするにはというのは、次のステップで一遍考えてみたいですね。ありがとうございます。

     それでは、いよいよこちらのグループに移らせていただきます。早速ながら、県の協働推進課の課長でいらっしゃる森川さんに、県の取り組みなどを含めまして、御紹介いただいて、御助言いただきたいと思います。どうぞ。

    森川

     県の方から、県のくらし創造部協働推進課の課長をしております、森川と申します。 本日かなりみなさん、深い話をお聞きになっていただいた上に、またこの堅い話ばっかりすると、本当に肩が凝っちゃうので、少しまずは県でないとできないことというので、県レベルのデータを少し見ていただいて、くらし創造部ですから、暮らしの状況ってどうなっているんだろうというとこから入りたいと思います。それと、県ってどんなふうに協働を考えているのということで、あと、時間等あれば、提案とか差し上げればなと思ってございます。時間も限りがございますので、まず、暮らしの状況なんですが、県トータルの数字というのがかなりたくさんございます。よくみなさん耳にされていることなので、それを並べていきますので、もう一度確認をしていただければと思います。

     例えば、県外就業率29.32%、これ、全国1位。全国一、県外でお働きになっておられる。みなさん、よく御存知ですよね。ちなみに、生駒市は県外就業率56%です。半分以上ですね。その中でも男性35歳から59歳、リタイヤする直前まで7割をずっとキープされているんですよ。こんなことを言ったら、私は実は生駒に住まわせていただいていまして、生駒から奈良に勤めております。奈良に勤めているといったら、県外就業者じゃないんだけども、市内では勤めておりません。準県外就業者みたいなものでございますが、そういう人間も入れますと、非常に多くの人間が、いわゆる市外で就業されておられる。こういう状況にあります。

     核家族化率というのが、これも県トータルのデータですが、64.9%、65%、いわゆる3分の2の方が核家族化されている。専業主婦率が1位で、一方で女性労働力率と言われるのが47位、ちょうど裏返しです。家で専業主婦されている方々、これ、県内が一番多いんですね。実は生駒、あるいは奈良市の西部というのは、もっと数字が極端にあらわれている地域です。今、言っている核家族化率と専業主婦率、もっと極端に数字出ていると思います。お子さんの通塾率、学校の通塾率は中学生で76.2%で、これも全国1位です。中学生の就寝時間、一番遅い。これは全国1位じゃなくて47位ですね。一番遅い。体力、あるデータ、つい最近のデータですけども、47位、中学生一番体力ない。こういう数字、1位あるいは47位の数字というのがずらずらっと並んでいる地域なんです。

     これ、少し乱暴な言い方をしますと、家庭の姿を乱暴に描いてみますと、新住民の方が核家族化して住まわれていて、奥さんが専業主婦で、奥さんがおられて、子育て、不安だなという生活をされておりながら、でも自分自身の趣味をいろいろ大事にしながら、個性重視しながら暮らしておられると。そして、子どもは塾通いしていて、体もちょっと弱くて、それが大きくなってくると、県外にまた就職しちゃう。そのうち出ていってしまう。お父さん、お母さんは、後々、やっと、さあ60になりました。地域で地域デビューせなあかんと。こういう実態がちょうど今の状態じゃないかなというふうに思っています。

     今、私が申し上げたのは全部県のデータですから、生駒市はもっと数字がゆがんでいるという言い方は非常に失礼な言い方ですけども、激しい状況を示されていると思います。こういう家庭の姿の中で、じゃ、自治会とか、あるいは地域とどういうふうに関わっていこう。単純に今までの地域のあり方を考えましょうというんじゃ、少し成り立たないよねという状況だと思います。

     もう1つ、少し先ほどから自治会の話がございました。自治会だけじゃなくて、いろんな団体が地域にありますよね。少し、その団体の県の全体の状態もお知らせしとこうと思います。

     老人クラブ、こちらは老人クラブでよかったんでしょうか。何か「万青」、万年青年と呼んでおられますが。あるいは、老人クラブの会員の数、奈良県下で11万人おられるんです。35市町村のデータしかないですけども、11万人加入されておられる。あるいは、婦人会も27市町村で5,000人です。子ども会が27市町村で2万2,000人、かなり数字が多いような気がします。ところが、婦人会って、昭和の時代、奈良県下5万人おられたんです、会員。もう入っておられないですね。何をされているんでしょう。よく、私、他の市で聞いていると、最近PTAまでは義務的に行っているんだけど、PTA終わったら、もうスポーツクラブとかへ行って、一生懸命自転車をこいでおられる。これが実態かなというふうな思いがします。それだったら、もうちょっと地域で何かできませんかねっていうのが、私は協働推進課長ですから、協働推進課としてというよりは、みなさんのために、先ほど市長さんがおっしゃったような課題を解決するところに、みんなで目を向けていただいたらどうかなという思いがございます。

     ちょっと長くなっていきますので、あとは県のどういうことをやっているのか、何をやっているのかという話を差し上げたいと思います。

     県の協働推進課では、協働推進円卓会議というものを行ってございます。どうやったら地域のみなさん、あるいは各種いろんな団体がある中で協働を進めていけるんだろう、こんなことを考えている会議でございます。実は、中川先生も、木原さんも、奈良市長も元の組織のときには入って、一緒に議論をさせていただいておりました。その中で、端的に言うと、もう行政だけで社会の地域貢献活動を支えるような社会の仕組み、全部はもう無理ですと。だったら、みんなで支えなくちゃしようがないじゃないのという話でございます。

     元々、県は、県とNPOとの協働ビジョンをやったり、ボランティア、NPO支援というものを進めることによって、協働が進むんじゃないかというふうに思っていました。でも、これもちょっと間違いだなという思いが最近ございます。皆様方のいろんな御意見を聞いていると。やっぱり、地域の核は、地域のコミュニティがあって、その地域のコミュニティが横糸としてまずある。その中で、もう1つの核になるNPOだったり、ボランティア団体というのが縦糸になって初めていろんな課題解決ができていくんだなという思いが、私どもも強く思ってございます。このように、地域のコミュニティって、自治会だけじゃないですよね。老人クラブもあれば、あるいは、先ほどから話としてあんまり出ておりませんが、地域の社協さん、あるいは民生児童委員の方々、こういうみなさんが横糸の部分として、実際はどうしてもやらなくちゃいけないことをやっておられる。実は、奈良県内に幾つの自治会があるんだろうと、調べてみました。3,788ありました、つい最近のデータで。じゃ、ボランティア団体、幾つあるの。実質は、何千あるか分からない。何千あるか、登録できていないです。ただ、今、我々の方で、県レベルで、各市町村とかいろんな地域でされている組織をチェックいたしますと、いわゆる連絡先が分かっているとこですね。NPO法人含めて1,400個ございます。それよりもやっぱり自治会の数の方が多いんです。基本的には自治会があって、そしていろんな地域の問題を解決していく。それをどうやって解決していくのかということをみなさん、一緒に考えましょうというのが、今までの議論、市の段階なんだと思ってございます。

     ボランティア、NPOとの協働ビジョンというのを見直す作業というものを、皆様方と一緒にやっておりまして、基本的なルールはもう全く同じです。先ほど市長からお話あったような、協働の原則でありますとか、自発性、対等性、目的の共有化、こういうもの、皆一緒です。ただ、一番強く委員の方から言われておりますのが、ここにも立席されている委員の方おられますが、企画立案段階からちゃんと議論をやろうじゃないか。これに尽きるんじゃないかな。最初の段階から、いかに議論を始めるのか、ここに尽きるんじゃないかなという思いが強くございます。先ほどのいろんな原則は当然でございますが。

     それともう1つ、これは私、ちょっと個人的な意見になりますが、行政が行っているのは、今まで公共サービスを行政が一生懸命提供しよう。提供する側にもNPO、地域の皆様方、実質はみんな入っておられた。公共サービスを受ける市民の皆様方と、公共サービスを行う市民の皆様方、それを組織だってやられる方、継続性をいかに持つのか。この議論、両面を地域の方に関してお持ちいただくということが、大切なんだろうと思ってください。

     いろんなお話をする前に、ちょっと県のPRをさせていただきますと、県はどんな役割すんねんという話、よくございます。実は、地域のみなさん方と市町村の行政がしっかりとやったら、県ってあんまりやることないようなとこあります。正直言いますと。じゃ、県は広域的な課題、例えば意識啓発でありますとか、それは市町村単位だけではまとまらない、大きな声にならないという場合は、県がやろうという話になるかと思います。

     1つ、あんまり至近な例で申しわけないかもしれませんが、千三百年祭、今、隣の仲川市長さんと一緒になってよくやっておりますが、この千三百年祭というのは、これはこういうイベントを1つの契機として、奈良の地域全体で、奈良のブランド化を進めていこうよ。次のステップの主張に使っていこうよというようなものです。こういうような大きな波というものを起こす役割というのが、県の役割の1つなんだろうなというふうに思ってございます。あと、必要なものとして、県が持っている公共施設をいかにうまく使うのか。国道168号線の山崎町付近では、市民の方々と一緒になって、どういうふうに公共施設を使うのかというお話をさせていただきました。県が持っている施設をみなさん方と一緒に使う。でも、使うのはみなさん方ですから、希有な非常に長い足のトリップのある車の交通を責任を持ってしますから、道路というのはいろんな機能を持っていますので、そういうものも一緒にみなさんとお使いをさせていただければなというふうな思いもございます。

     済みません、長くなりましたので、あともう1つ。協働の手法の応援する手法、情報であるとか、お金であるとか、場所づくりであるとか、こういうものも我々サイドとしては、みなさん方の御意見を踏まえながらつくっていこうと思ってございますので、協働指針という見直し作業を、円卓会議で、中川先生が中心になってしていただいてございますので、ぜひ、ホームページをあけていただきましたら、こういうのが写っておりますので、ぜひそれを見ていただいて、何か意見ありましたら、どうぞ我々の方に御意見いただければと思ってございます。ちょっとPRみたいになってしまいました。

    中川

     ありがとうございました。

     今、森川さんから、山下市長もおっしゃったことですが、政策形成過程、事業企画、制度企画の段階からもう関わってもらうこと。それが協働なんだということを御指摘いただきまして、これで少し印象が強くなったかなと思います。物事を決めるのは役所の方で決めます。中の方でやります。インナーでやります。やるときだけ、ちょっと助けてください。じゃ、何をやるんですか。交通整理です。あるいは受付ですみたいな、こんなのが市民参加だという時代はもうとうに終わっているということですね。これを別の言葉で、政策協働という言い方。あるいは事業協働というふうに2つ。古い言い方もありますけども。はっきり言いましたら、参画すると協働になっちゃうんですね。部分的な参加だったら、これは協力で終わると。参画という言葉を使ったら、もう自動的に協働せざるを得ない。表裏の関係だというふうに考えていただいたらどうでしょう。参画という言葉を使ってたら、それなら当然協働ということを覚悟してまんねということになります。こういうことも常識にしていただいたらどうかなと。これをまた森川さんの方できちんと御説明いただけましたら。今は、生駒市のいわゆる市民構造というのがもう少しみんなで客観的にデータを見ながら、これから5年、10年先、現在。現在はどうか。5年、10年先はどうかということもみんなで考えて将来政策をみんなでつくっていくというふうなことも必要かもしれません。

     どうもお待たせしました。それでは、仲川市長、よろしくお願いします。

    仲川

     みなさん、非常に熱心にお話をいただきましたので、私も待っている間に、いろいろ話す内容を考えているうちに、どんどん中身が変わってきました。御紹介いただきましたが、奈良市長を7月31日からさせていただいております、仲川と申します。2ヶ月半という間ではございますが、今、本市においても、市民との参画と協働をどのように実現をしていくのかということを、優先度を持って取り組んでいるところです。

     もっと手前の話で申し上げれば、私は市長の仕事をする前、8年間、地域でNPO、ボランティアのサポートセンターをさせていただいておりました。本日、御参加をいただいている方々も非常にホームグラウンドな感じのする懐かしいメンバーばかりなんですけれども。今までは、いわゆる民間の立場で、つまり行政の外の視点で、外から行政に対して、もっとこうすべきではないかとか、もっと協働の根本的なところを議論しないといけないんじゃないかというようなことを、口うるさく隣の森川課長などには言っていたような立場でございます。実際にこの2ヶ月半、庁内に入りまして、その行政の立場として民間の地域のパートナー、NPOをはじめとする地域のパートナーと行政がどのように連携をしていけばいいのかというところを、まさに自分の中に2つの価値観、2つの立場を内包しているような立場で今、ある意味、身が割かれそうな立場であったり、ある意味は新しい何かものが、新しく創造できるような、今、そんな2つの価値観が自分の中で内在している、そんな状況でございます。

     本当に無名の若者が市長に就任をしたというのは、ある意味衝撃でございます。この奈良の古い土地柄で、新しい市長がということは、恐らくみなさんもこれまで余り、そんなことはないだろうと思われてきたのではないかと思いますが、やはり長年続いてきた行政の仕組みに対して改革を求める大きな市民、国民の声というのが大きくバックアップをしていただいたのではないかというふうに思っています。

     その柱というのは、当然行政に対して財政やその機能について、もう一度再定義、再設定をしていかなければならないという改革を求める声というのもございますが、もう1つは先ほど来、中川先生、お話いただいたように、これから先のまちの仕組みをもう一度みんなで一緒にゼロベースでつくっていこう。その感覚をみなさんと一緒に今、共有をさせていただいているところではないかというふうに思っております。

     私の前の藤原市長の時代から、平成19年から、奈良市におきましては、奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例というのを、検討会議をずっとさせてきていただいておりました。13回にわたって委員会を行ったんですけれども、今年7月1日で施行させていただいています。いくつか特徴がございますので申し上げたいと思いますが、1つ目として、変わっているとよく言われるんですが、前文が、「さあ、みんなで一緒にまちづくりを進めましょう」というような呼びかけの文調になっております。通常、条例の文章であれば、こうであるべきだというようなかたい文章が多いかと思うんですけれども、これは検討していただいた委員の皆様の御意見もあり、このようなタッチにさせていただいております。やはり、行政が上から目線で物を申すだけでは、市民との協働というのは実現できないというようなところもここに現れてれているのではないかというふうに思います。

     それから、もう1点は、まちづくりの条例という名前もついておりますように、参画と協働によってどんなまちをつくっていくのかということを議論するときに、やはり市民や行政だけではなくて、地域のさまざまな利害関係者、もしくは地域のさまざまな担い手の方々を幅広く巻き込んで一緒に議論をしていかなければならないということが特徴としてございます。そういった意味では、行政、市民、NPO、それから民間の事業者に加えて、地域の学校、それも公立の学校だけではなくて、私立を含めた幅広い地域の担い手に参画をしていただこうというような定義をさせていただいているのが特徴でございます。

     それから、情報の公開というようなことを、これも市民のみなさんが行政と協働しようとしたときに、既に手持ちで持っている今の行政の置かれている現状に対する情報、もしくは、今、行政が何をしようとして、どんなルールに基づいてやっているのかということについての情報があまりに情報格差がある。つまり、対等な議論、対等な立場で協働しようと思っても、そもそも最初の前提条件が違うというようなこともよくあると思います。そういった意味で、本市の特徴といたしましては、市としての義務として、市民との協働するに関する情報の収集の義務。それから、それを共有し、公開をする義務というのを明文化させていただいております。

     それから、あとは先ほど来出ております、政策の形成から、企画立案段階から評価まで、すべてのプロセスにわたって市民が参画をできるような仕組みをしっかりと担保していきましょうということでございます。政策形成、政策決定、実行、そして評価、さまざまな段階がございますが、やはりこれまでの参画、協働というのは、形ばかりのものが中心となっており、例えばほぼ決まったものを、パブリックコメントという形で部分的に意見を伺う。そして、それが部分的には反映をされますけれども、大筋しゃんしゃんで決まるというようなことが、やはり審議会や委員会でも中心ではなかったかなと。これは、私も今まで外の立場で見ておりましたので、どうもそのように見えてしまうところがございます。当然、一部努力をして改善をしている部分もございますけれども、これからは委員の選定であるとか、委員の意見をどれだけ真剣に、その政策立案の土台の部分に組み込んでいくのかということもしっかりと考えていかなければならないというふうに思っております。

     それから、もう1つ特徴は、実際にこの協働を実現していくための仕組みづくりでございます。こちらの本旨といたしましては、市民参画及び協働によるまちづくり基金という、いわゆる参画を実現していくための財源についてもしっかりと仕組み化していきましょうということまで踏み込んで書かせていただいております。また、これ、後ほど申し上げますけれども、私もマニフェストでこの参画と協働を実行していくための財源的な手当てということを掲げております。そのあたりも、少し特徴として御紹介をしたいというふうに思います。

     次に、私、つい3カ月ほど前までは、旗振って選挙をしておりましたので、マニフェストというのがございます。これは、御存じのように、4年間にわたってどのような市政を実現していくのかという大きなビジョン、方向性、基本的な考え方に加え、個別の事業ですね。私の場合、33のマニフェストを掲げさせていただきましたけれども、いつまでに幾らの予算でどんなふうに実現をしていくのかということを明文化をさせていただいております。先ほど申し上げたように、今までNPOという民間の立場で公益の活動をするというポジションで仕事をしておりましたので、当然、マニフェストをつくるに当たっても、市民として市民団体との協働というのが大前提と考えてまいりました。その中で、幾つか事業を御紹介いたします。

     まず、先ほど中川先生からも出ました、事業の仕分けというのがございます。どうしても、役所の場合、予算の編成過程に市民の声をしっかりと反映するということはなかなか難しい現状がございます。恐らく皆様も、今年の予算はこう決まりましたという結果で情報を聞かれる。場合によっては、役所にこういうことをしてほしいと言いに行くと、今年はもう予算がありませんという悲しい答えを聞かれることが非常に多いと思います。これは、予算の編成の過程からしっかりと地域の声、市民の声を聞きながら、一緒に協働してより地域のニーズに合った予算組みをしていきましょうというものです。

     そのもう1つ前段階として、今、奈良市では1,500の事業を抱えております。その1,500の事業のうち、どの事業が本当に必要で、どの事業は既にもう役割を終えているのか。もしくは、こちらの事業とこちらの事業、どちらにより優先的に予算をつけるべきなのか。その工程が今までは役所の机の上で職員がそろばんをはじいていた。もしくは、議会の中でほぼ密室に近いような場所で議論をされて決まってきた。その過程に市民がなかなか声を挟む、口を挟む機会がなかったと思います。宣伝になりますが、11月22日、23日、日曜日と月曜日で祝日でございますが、奈良県内では初めてとなります、事業の仕分け作業を行います。これは、なぜ今申し上げたかというと、一般の市民の公募の委員の方を一緒に入っていただいて、市民の目線で役所の予算編成に関わっていただこうという事業です。もちろん、予約申し込み、入場料等不用ですので、もしお時間おありの方はぜひ奈良の市役所にお越しいただければというふうに思っております。

     それ以外には、税の使途に市民の声を反映するという1%制度、今、日本でも10ぐらいの自治体で取り組みが始まっております。元々はハンガリーのパーセント法という法律が一番オリジナルではございますけれども、恐らく今日お越しの皆様もたくさんの税金を生駒市にこれまでお支払いになってこられたと思います。ただ、払ったら払ったが最後、大きなどんぶりに入ってしまって、何に使われるのか全く分からんという状況が今までだったと思います。この制度は、個人住民税の1%相当額を、自分が選んだテーマや活動に寄附ができるという仕組みでございます。生駒市もそうですが、奈良市も奈良県の中で特に県外の就業者が多い。つまり、足元の活動に余り関心をお持ちでない方が非常に多いという土地柄がございます。当然、税金の使われ方がどうなっているのかということにも、なかなか関心が高まらない。そういったところを考えれば、この1%という枠ではございますけれども、市民の声を反映していきたいということで取り組みたいと思っております。

     時間がどんどんやってまいりました。ほかにもいろいろございますが、もう1点だけ。役所は、総合計画、先ほど中川先生の話でもございましたが、約10年に一度すべての施策、テーマ、事業を包括する総合計画を策定いたします。これまでは、やはり行政の職員が机の上で書く。若しくは専門の業者がほとんどでき上がったものを冊子にして持ってくる。市民の方には、でき上がったものが伝えられるというような形がやはり多かったんですが、これから10年先のまちの未来に対して、市民のみなさんにも、当然主役として参画をしていただく。そのためには、この計画策定にまずもって市民のみなさんが入らなければ意味がないだろうということで、これは私のマニフェストにも掲げているところでございますけれども、2011年から2020年までの10年間の奈良市のビジョンを今、まちづくり市民会議という、54名の公募委員さんと一緒にですけれども、これからどんなまちにしていこうかというようなことを議論させていただいているところでございます。

     たくさん申し上げることはあるんですけれども、一たんこのあたりにいたしまして、また後段でお話できればと思います。ありがとうございました。

    中川

     ありがとうございました。

     ただいま、お話ございました、住民と行政との情報格差、これが実は情報の共有ということを自治基本条例の原則にした主要因、主な原因といってもいいですね。これは、情報は公開しますよと。公開型、されているのは当たり前。そうじゃなくて、当事者とか関係する、関連波及すると言っていいでしょうか、そちらには積極的に情報を送り続けると、そういうアクションも要求するということです。

     それから、例えば今、お話に出ました、意思形成過程から決定、実行、評価に至る各プロセスにかかわりましょうというのが協働ですよと。これは、もう山下市長さんもおっしゃってくださったこと。同じことをおっしゃいました。だから、これが原則だということは、もう一遍確認していただけますでしょうか。

     それから、もう1つ、実はサービス受給者市民が事業仕分けに参加するとかいうこともありましょうが、サービスだけじゃなくて、租税負担者市民、税金を払っている方の市民も参加する。この2つの顔を実は市民は持っています。市民、市民と言いましても、もっとサービスして欲しいという市民と、もっと削ってと、こんだけ税金払わすな、料金をもっと下げてという市民との間に引き裂かれているケースというのは結構多いんじゃないですか。ここんところをどのように統合するんですか。それをきちっとしないと、一般公募市民として参加している市民が、我こそは市民、市民といったって、どっちに向かってもわがまま言っていることになりはしませんかという課題は残っているんですよ。このあたりは、市民の側も考えてもらわななりません。つまり、経営者として判断するという立場に立ってもらわないと。サービスはもっと限りなくやってくれ、料金をもっと下げ、それが言える原因はどこにあるんですかと。役所は、とにかくサボっとるやろ。職員、多過ぎるやろ。給料、高過ぎるやろ。そんなことありません。もうこれ以上、絞りに絞って絞り切れんとこまで来ている自治体がほとんどですね。もうその安易な言い分は通らなくなります。一緒になって考えないと駄目ですよね。もうそろそろその時点に来てもらわんとあかんのと違いますやろか。

     奈良市の事業仕分けは、構想日本に助けてもらうんですね。構想日本さんのおやりになっている事業仕分けというのも、1つのいい手法ではございますが、別に構想日本の手助けをいただかなくてもできるぐらいの自治体はあってほしいなと、私は思うんです。どうもありがとうございました。

     それでは、お待たせしました。木原さん、どうぞよろしくお願いします。

    木原

     最後になりました。大体エキスといいますか、言うところ、すべてみなさん方、多面的にお話しされましたので、私、何を話しすればいいのかなと、ちょっと不安な面もあるんですけども。私も、実はならまちのまちなみ保存運動を30年前に始めまして、30年近くいわゆるこのNPO活動をやってきた者なんですね。ですから、そういう立場から、行政、議会を見るということになるかと思います。

     今回、生駒市が、奈良県で最初に自治基本条例をおつくりになったということは非常に評価できますし。もう1つは、やはりの生駒市議会のホームページをここにお邪魔する前に見させてもらったんですけども、相当情報的にも、量的にも、質的にも相当積極的に有権者のみなさん、市民のみなさんに議会活動を伝えたいという、そういう意欲が相当強く感じましたね。そういう意味で、非常に生駒市さんの行政並びに議会、みなさん、非常に頑張っていただいているなということを思っています。

     協働という取り組み、十数年前から始まったんですよね。やはり、先ほどからずっと言っていますように、今までは公共サービスといいますか、これを担うのは行政だけだというような考え方から、公共活動とか公共サービスを担うのは行政もそうだし、市民もそうだし、当然企業もそうだということで、公共活動を担う担い手が多元化、多様化してきているんですね。これは非常にいい1つの傾向がここ十数年近く広がってきておりますよね。そういった公共活動を担う者同士がお互いのいいところ、持ち味を出し合って、そしてお互いのウィークポイントを補い合って、そしてお互いの成果を高めていきましょうという、そういうのが協働の1つのメリットと申しますか、魅力なんですよね。そういう意味で、協働ということをいろんな意味で相互に関係を持つことによって、いろんなことを知れたり、いろんなことに気が付いたり、いろんなことを学んだりと言いますか、そういうメリットがあるということですよね。

     その公共サービスの供給ということでの協働というのは進んできたんですが、やはりここ数年というか、ここ二、三年でしょうね。特に、生駒市とか、あるいは奈良市もそうですが、奈良県の協働推進円卓会議でもそうですけども、先ほど森川さんがおっしゃったように、やっぱり政策を提案する、あるいは立案すると言いますか、政策を立案する段階から関わっていくというところが、ここ二、三年の間に大きく変わってきたとこですね。ですから、協働型の政策を形成していきましょうと言いますか、これは非常に大きな流れということで、それをきちっと踏まえられて、奈良市もそうですし、生駒市も自治基本条例に謳われておるということは、非常に私、評価したいと思いますね。

     私は、そういうNPO活動をやってきた立場からしますと、市民のみなさん方に申し上げたいのは、参画と協働を手段として、どんどんと行政内部に入っていただきたい。議会内部に入っていただきたい。突っ込んでいただきたい。そして、協働関係を無理やりにでもつくっていって、そして行政を体質改善、言葉はきついかもしれませんが、改革をしていただきたい。あるいは、議会の改革もしていただきたい。そういう行政改革、行政の職員のみなさん方の並々ならぬ内部の努力だけではなかなか変わらないのが、行政体質ですよね。だから、NPOから市民の声とか風をふうっと協働という窓口を通じて、行政の内部に吹き込むわけですね。そういうことによって、行政の体質は変わっていくだろうし、かつまた議会も全般的に閉鎖的な市民の代表的な機能というものを、ある面では十二分に果たし得ていないような問題が非常に指摘されておりますよね。これも、議員のみなさん方も努力されてはいるんですけども、なかなかそうはいかない。ですから、市民サイドからびゅうっと風を吹き込んで、そして一緒に議会改革研究しましょう、改革しましょうとか、情報の発信の仕方はこうしたらいいんでしょうかということをどんどん提案していくと言いますか、そういったことが、僕はすごく大事じゃないかなと思っていますよね。ですから、日常的に地域のいろんな問題、課題をみんなでディスカッションして、議論をして、話し合いをして、市民同士で話し合いするってすごい大事ですよね。生駒市はすごく活発かと思いますけども。そして、自分たちで解決できることは一体何なのかなということを考えてみるということですよね。そして、解決できないものは、これはひとつ行政の方に話ししようかなとか、あるいは議会の議員さんにちょっと話ししてみようかなというような、そんなような形で関係を構築していくという流れかな。市民同士で課題を一遍話し合ってみる。一遍というよりも、絶えず話し合ってみる。そういったところから出てくるいろんな問題、課題をどんどん審議会にも、委員会にも、あるいは行政の担当者にも、議員さんにもどんどんと提案していくという、そういう力が結果的に、いわば行政、あるいは議会の仕組みを変えていくだろうし、結果的に我々の満足のいく公共的ないわゆるサービスというか、活動が生まれてきますよね。そういったことによって、主権者として市民が実は行政をコントロールするんですよ。議会は行政をチェックするんですけど、その議会のチェックを我々がするんですよという、それが主権者としての、当市の主体としての責任と同時に、1つの役割が特にこれから強く求められているんじゃないかなというように私は思っていましてね。ですから、市民が主権者として責任を持てるような自治体を市民が自らつくり上げていくような形をとっていくための手段として、ツールとして参画、協働に積極的に関わっていきましょうということを、実は申し上げたいんですね。

     最後に、一部PRになるかもしれませんが、私は政策研究ネットワーク「なら・未来」という、奈良の公共政策の質を高める活動をしている組織の代表をしていまして、2004年に奈良市長選挙のときにマニフェスト運動を市民から提案をするということをやってきたわけですね。そんなことを実はやってきたわけですけども、仲川市長が当選されましたが、この前の7月12日の奈良市長選挙に際して、6月18日に実は大討論会というのを開催したんですね。そのときには、議員さんにも参加してもらった。8名の方が参加されました。立候補予定者ね。そして、もちろん市長さんに関しては、鍵田さんは欠席されたんですけども、仲川さんと小林さんが参加されて、そこで議論したんですね。その討論会というのは、やっぱり改めて奈良市が抱えている問題、課題というものを市民としてきちっと学び合おうじゃないかと。そして、我々が選挙で選ぶ市政のマネジメントを任す市長というか、首長というのは一体どういう人なのかというのを見直そうじゃないか。あるいは、行政をきちっとチェックする能力を持った議員、あるいは市民の課題を政策化してくれる議員というのは、どんな人なのかということを、やっぱりその場で選び抜く力というか、選別眼というのは持たなきゃならんですね。そういった場として討論会を開催したんです。

     それは、開催しておしまいでは、やはり問題ですよね。その後のフォローが要りますね。早速フォローをしようと思っていまして、なら・未来市民会議というのを間もなく発足させるんですね。これはどういうことかというと、やっぱり市民として責任を持って、いろんな問題、課題を議論しましょうというのが基本的ベースですよね。じゃ、どんなことを議論しようと思っていますかといいますと、この10月23日に、先ほど樋口さんからも議会報告の話、ございましたけども、9月の定例議会が終わりましたよね。その定例議会の報告会を、実は「なら・未来」が市民会議という形で主催をするわけです。今、11人の議員さんが参加していただけるんですね。そこで、一体どんな議論があったのか。何が仲川さんと討論になったのか。どういう議決をやったのかということを生に聞く機会というものをやはり持つことによって、先ほど樋口さんがおっしゃった、市民のいわゆる声とか、それに対する質問も出るでしょうし、あるいはプレッシャーも出るでしょう。いろんな意味で、そういったことを通じて、議会が身近になって、そして議員のみなさん方も市民の声を聞けるといいますか、そういうのを議会が終わるたびごとにやっていこうと思っています。これも、ぜひとも生駒のみなさん方もやっていただきたいのと、議会と協働で、パートナーシップでやれますよね、議会報告会。全国的に今、議案報告会というのが広がってきていましてね、全国でそういう報告会も含めまして、大体709の市のうちに、89の議会が既に報告会というようなことをやっていますよね。そういう意味で、ぜひとも樋口さんらと協働いただいてやっていただきたいということで、ひとつ議会報告会をしたと。

     それともう1つは、11月14日に、これも奈良市財政検討会というのをやるんです。奈良市の仲川さんも御苦労されていますが、ほとんど財政的に厳しいんですよね。我々の税金の使われ方とか、あるいは財政の実態ですね。このまま放っておいたら、財政再建の、先ほどの泉佐野市は全然ありませんけど、財政の健全化の団体に落っこちはしないかとか、やっぱりこれは心配ですよね。全部我々にはね返ってきますからね。ただ、早いうちに奈良市の財政の実態をきちっと市民も納税者として勉強しようじゃないかということで、その勉強会を公認会計士なんかを呼んでやるのは、この14日なんですね。これもぜひともみなさん方の場でもやっていただいて、そして、そこに議員さんも参加して、職員さんも参加して、一緒にやって財政を、生駒市は奈良市よりもいいかもしれませんが、勉強するような場というのをつくっていただいて、奈良市も塩漬け土地が200億近くあったりしまして、なかなか大変なんですね。それをどうするかということを考えていくようなことを思ったりしていましてね。また、総合計画も第4次始まりますけれども、50人の市民まちづくりの委員がエントリーされて、積極的に登録されて検討されるんですね。まだまだ市民たくさんの声がいっぱいあるわけですよね。そんな声をまたこの市民会議でいろいろと議論して、そしてまたきちっと丁寧にお届けすることもしてもいいんじゃないかなと思ったというようなことをしています。

     最後ですけども、来年の春以降は、仲川さんのマニフェストを検証、評価する研究会、検討会をしようかと思っていましてね。そんな形で、アクティブに市民サイドがどんどんと行政サイド、議会サイドに橋を架けていくというか、どんどんと攻めていくといいますか、そんなことをしていただければどうかなということでお願いいたしまして、私の報告といいますか、意見を終わらせていただきます。

    中川

     ありがとうございます。

     今のお話は、市民ももっと学習する必要があるということもおっしゃってくださっていると思うんですね。ただ、非難、攻撃するばかりは少し時代おくれ、やっぱり行政の持っている公会計であるとか、それから投資とその効果、フロートストックとか、やっぱりきちっと見分けた上で、どういうふうに今まで政策がどういう効果をもたらしてきたのということも、息長く検証しなくちゃいけないのに、現在地点ばっかり見てわいわい言うてきたというのもあると思うんですね。印象論があまりにも横行し過ぎてはいけないので、やっぱり科学的にきちっと検証し、そしてまたきちんとおつき合いしましょうという関係が市民団体との間にも出てこないといけないんじゃないかという意味で、「なら・未来」さんは、逃げも隠れもしない、奈良市内におけるいわゆる評価機関になろうとしているということでしょうかね。

     じゃ、ちょっと残った時間を、あと補足的にちょっとだけ使わせてください。まだ、しゃべってないことがあると思うんですね。そうですので、もう一度山下市長から順番に。

    山下

     今日のシンポジウムの主催者側の狙いは、要するに参画と協働のまちづくりに向けて、市民に立ち上がってほしいというのが偽らざる目的でございます。先ほど、控え室で森川さんとお話ししたときに、実は私も生駒に住んでいるんですけど、仕事ではこんな参画と協働というようなことをやっているけど、生駒のことには全然関わってないんですよね。それがやっぱりちょっと危機感がないからだと思うんです。ちょっと裏話を暴露して申しわけないんですけど。その危機感という言葉なんですけれども、確かに生駒は来年度から夕張市になる、あるいは泉佐野市になるというような状況ではないです。特に、借金は少ないですから、そういった意味では御安心いただきたいと思うんですけれども、財政の硬直化というのは非常に今進んでおります。分かりやすく説明しますと、家計に例えて申しますと、平成2年の時点で年収500万、生駒市にあったとします。平成2年というのはバブルの真っ盛りですね。その500万のうち、自由に使えるお金が197万あります。今、どうかといいますと、平成20年、18年たって、年収は568万に増えましたけれども、自由に使えるお金は、うち20万だけなんですね。つまり、すべてみなさんからいただいたお金は、右から左に出さなきゃいけないものに使われてしまって、なかなか状況に応じた臨機応変な施策というのはしにくい状況になっております。

     ですから、そういう意味では先ほど中川先生も基調講演で言っていただきましたけども、このままずっと少子高齢化が進めば、生駒市のこの財政硬直化がもっと進んで、なかなか住民サービスを満足のいく水準に保つというのは困難になってくることは明らかです。ですから、今から手を打たなきゃいけないというのが私の持っている危機感なんですね。ですから、私はここで今危機感をあおっているわけなんですけれども。

     それでは、参画と協働が生駒で進まないとどうなるか。今、いろんな方からお話ありましたけど、まずは十分な行政サービスができなくなる恐れがあります。そういった中で、今までのような市にお任せという姿勢を市民が持ち続けると、絶対、対立構造になるんですね。すぐ、何か不満があると市に電話して、道路直せ、側溝直せ、草刈りせい、木の剪定せい。もちろんするんです。もちろんするんですが、お金も人も減っている中で、すぐには行けないんですね。やはり、時間がかかる。そうすると、そこで市民のみなさん、「遅いやないかと、ちゃんと税金払ってるねんやと、すぐ来てもらわなきゃ困るやないか」と、言いたくなりますよね。しかし、職員もそういう要求がたくさんある中で走り回っているんですね。ですから、なかなか望むような行政サービスをスピーディに行うことは困難です。ですから、参画と協働を進めないと、そういった意味で、行政と市民が対立構造になるんじゃないかというのを恐れています。

     それと、言うまでもなく、少子高齢化で税収減が進み、一方で高齢化で行政サービスの需要が進めば、当然何かを切っていかなきゃいけなくなる。しかしながら、これはできる限り避けなければならない。その場合に、市として何ができるか。今までのように、市職員をたくさん雇用して、市が直営でやるということはもう物理的に不可能です。私が市長になったときに、市の職員は1,004人いました。今、907人です。来年4月には890人になる予定です。114人、5年間で減る予定です。そうなると、当然市役所だけでは、すべてのことに手が回りません。ですから、その行政サービスの一端を参画と協働で自治会なり、NPO、ボランティアとともにやっていかなければサービスの水準は維持できないということなんです。これは、我孫子の前市長の福嶋浩彦さんという方が言われているフレーズなんですけど、小さな政府、しかし大きな公共。これを目指さなければいけないというふうに私は思っています。

     もう1つ、参画と協働がないとどうなるか。これは先ほども言いましたけれども、コミュニティが崩壊します。どんどん高齢化して、隣近所のつき合いがなくなって、いざ地震があった、災害があったときに助け合うことができない。阪神大震災のときに被害が少なかった地域、あるいは復興が早かった地域というのはどういうところかというと、近所付き合いが盛んなところだったんですね。いざというときに、そのツケは市民にも回ってくるということを御理解いただきたいと思います。

     それで、先ほど中川先生も木原さんも言っていただいたんですけども、民間企業と我々消費者、あるいは地方自治体と市民の関係、この違いは何かということなんですけど、企業に対してはお金を払ってサービスを受けます。だから、もちろんお金に対してサービスが見合わなかったら、文句を言うことは当然ですね。市にも税金を払ってサービスを受けているという点では一緒なんですけども、違いは何かというと、執行機関は選挙でみなさんが選んでいるんですね。市長もみなさんが選んでいる。議員のみなさんも選んでいるんです。選んだ責任というのは僕はあるだろうと思うんですね。選んだ以上、文句を言うだけで、変えればいいや。これも1つの選択ですね。しかしながら、そんなにころころ変えてよりよくなるとは限らないわけですね。もっと悪くなる場合もあるわけで、選んだ以上は、選んだ責任というものも市民が果たす必要があるんじゃないか。これを、先ほど中川先生は、市民も経営者の視点を持ってほしいというふうにおっしゃいました。まさに、そうなんです。行政サービスを増やしてくれても、税金は減らしてくれ。これは無理です。それはなぜかというと、我々も削れるところはすべて削っていますので、市の職員が遊んでいるとか、税金の無駄遣いをしているということは、だんだんなくなりつつあります。ですから、やはり経営者の視点というものを市民の方にも持っていただきたい。これは、私の強く訴えたいことでございます。

     先ほど、木原さんが、どんどん市民は議会にも行政にも意見を言うべきだとおっしゃいました。私は全く同感です。昔から、住民を統治することわざというか格言として、「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」という言葉がありますね。情報を与えるな、でも依存させよ。そしたら、言うなりになると、こういうことなんですけど、私が目指しているのは、その逆です。「知らしむべし、由(よ)らしむべからず」やはり、情報をすべて市民と行政が共有する。対等の立場で行政サービスを拡充することを担っていく。これが由(よ)らしむべしという意味なんですけれども。それが理想的なものだというふうに思っております。

     こういった形で、市民と行政、そして議会が対等の立場でまちづくりを進めることができたとき、それは必ずや生駒というのはすばらしい自治体になることは確かだと。そして、この成功体験というのは、住民の政治意識、市民意識を必ず高めて、やはり、じゃ、今度は県に対しても、県民として意見を言おうじゃないか。国に対しても、国民として意見を言おうじゃないか。そういう市民の政治意識の高揚、市民意識の高揚に必ずつながっていきます。地方自治は民主主義の学校と言われますので、まさにそれが生駒市で実現できれば、私はいいなというふうに思っております。

     ですから、この参画と協働に向けて、今日はぜひとも危機感を持って帰っていただきたいということを、最後にちょっと言わせていただきました。ありがとうございます。

    中川

     ありがとうございます。

     残っている時間、ちょっと場内との討論に使いたいということでしたので、ここから先は追加発言なさりたい方は挙手を願えますか。

    藤堂

     簡単に申し上げます。現在の自治会について、ちょっと補足なんですけれども、先ほど、ほかの団体、森川さんの方から老人クラブであるとか、子ども会というようなお話がございましたけれども、現在、自治会の中にそういう組織を内包いたしまして、民生委員も含めた形で、任意市民自治協議会的な形をとっている自治会も現在頑張っているところがあるというのをつけ加えさせていただいて、あともう1点だけなんですけれども。

     今、市長の方からお話がありましたけれども、やはり市民の方にも責任を持って負担をしていただきたいというようなお話があるということと並行して、もちろん先ほどから十分出ておりますけれども、情報公開、情報の共有、市民側としては、市もこれだけ頑張っているんやから、市民も頑張ってくださいという呼びかけがなければ、多くの市民の方は動かないと思うんですよね。何か知らんけど、負担だけが来たみたいな形に思われないような形で、この条例の施行の働きをしていただきたいということ。

     それから、最後ですけれども、この場におります女性は、幸か不幸か私だけなんですよね。やはり、こういう場にもっと女性の方にも参画していただきたいと思いますし、先ほど森川さんの方から、婦人会も人が減ったというお話がありましたけれども、それは女性の方は活動していないというわけじゃなく、昔は女性がこういう場に参画できなかったので、婦人会というような場が与えられていたという面もあると思うんですけれども。現在は、女性が男性と同じ立場で自治会にも参画をしておりますし、女性の働き方というか、地域における働き方が変わってきたということも現状として御認識いただきたいなと思います。以上です。

    中川

    ありがとうございます。

    森川

     今の話を受けさせていただいてという話なんですけども、参画と協働というのは、やっぱり手段であるというふうな基本方針ですので、地域の課題をいかに解決するかというのを前提としましょうと。せっかく条例をつくったので、次のステップという話だったと思うんですけども、参画と協働のファーストステップはやっぱり情報だろうって、情報をいろいろ出しましょうという話が要ると思っています。

     2つ御提案なんですけれども、市民のみなさんに。

     1つは、交流のプラットフォームみたいなもの、特に先ほど女性の方が非常に活動しているNPO、ボランティア団体で非常に活動されていますので、そういう方々と地域との交流のプラットフォーム、交流の場、意見交換をする場というのをもっとたくさん、いろんな地域でつくっていただくというのはどうだろうというのが1つ。我々、交流セミナーというものを県レベルでもやっておりますけれども、そういうのをもっとやっていただけないでしょうか。これは1つでございます。

     それともう1つ、議会とか、特に委員会ですね、生駒だとケーブルテレビがございますので、ケーブルテレビでもっと流せないのかなと。昼間だったら結構聞いているんだけどなあという気がございまして、そういうことをやったらどうだろうと。

     あともう1つ、地域の中でなかなか私みたいな参加しない、出不精な人間からすると、子どもというのを1つの円にして、子ども支援でコミュニティづくりをもう一度取り組んでいただくのはどうだろうなと。その中には、女性もよりたくさん参加しやすくなるし、自立した社会人をつくる中で、学校でしたら閉鎖されている感じがどうしてもしますので、もう一遍開放しにいきませんかということが提案として、3つ出させていただきたいなと思っております。

    中川

    ありがとうございます。どうぞ。

    樋口

     今のお話を受けてというところもあるんですけれども、まず、交流のプラットフォームづくり、これ、恐らく、今考えられている地域協議会というのが、そういうものに近づくんじゃないか。ここから、議会としての、あるいは議員としての課題として考えているところなんですけれども、ここが一定の権限なり、あるいは財源を持って、その配分もみずから決めていくということになったときに、今の議会の形から、定義とか、そのあたりは随分と変わって来るんだろうなというふうに思います。だから、これができ上がってきた段階でそういうことも検討していかなければならないんじゃないかというふうに思います。これは、今後の将来的な課題ということで述べたということでございます。

     それと、2点目の議会の委員会等々、ケーブルテレビで放映してはどうかと。一部されていたのではないかということと、あとホームページでインターネット中継をやっていますので、これは記録として残されていますので、いつでも見れるという簡便さがあります。ただ、現在は本会議だけがインターネット中継ということですので、今、実は委員会もインターネット中継ができないかということで検討中でありまして、これ、財源が確保できれば一定そういうものは実行していきたいなということも議会の中では話し合われているということでございます。

     最後に、子ども支援のコミュニティをもう一度再生していってはどうかと。これは私自身の市民目線のお話になるんですけれども、やはり私も議員になるまでの経過ということを考えますと、地域活動というのはベースにあります。その中で、出発点はどこかというと、自治会なり、あるいはPTA、さらにPTAの関連で学校で行われているような青少年スポーツ活動への参加、そういうところをずっと続けていきますと、例えば自治会の活動の延長線上にそこのお年寄りがいらっしゃったり、あるいは子ども会があったり。子どもとお年寄りは私の中でつながっていくわけですね。そういう世代を超える、あるいは地域のいろんな分野の活動をされているところを超えていくために、あるいは超えてくっつけていくために、そういう要になるような人材をどうつくるかということが、実は今後課題になってくるんじゃないか。それは、藤堂さんがおっしゃっていたような地域リーダーをどう育成するかというところとも関わってくると思うんですけれども。

     そのときの出発点は、じゃ、何だったのかというと、やはり、まず自分の子ども、あるいは自分の住んでいる周りのことをよくしたいという、非常に身近なところの成果を求めて始めた。それが次第につながっていく過程で、その思いが大きくなって、それらをつないでいくような活動につながっていっているということですので、先ほど、控え室で木原先生から、そういう目の前の成果を求めていく活動だけではなくて、社会全体を、あるいは大きな、マクロな視点でそういう目的設定をして、そこに関わっていこうとする、そういう意識改革みたいなものが必要だというようなこともございましたけれども、やはりその辺をつないでいくには、スタートをどこに持つかというようなことも含めて、何か市民会議のプログラムというのを、行政側でも考えていく必要があるんだろうと思いますし、議会としてもその辺を考えながら提案をしていかなければならないのかなというふうにも考えております。以上です。

    中川

    ありがとうございます。どうぞ。

    仲川

     山下市長、それから樋口議員のお話を受けてということなんですけれども、知らしむべしというところなんですけれども。私もいろいろな地域の方、さまざまな利害関係者の方の声を聞くことが、非常に仕事柄多くなりました。情報公開というのは、どうしても行政の側が持てる情報を市民に伝える義務がある、情報公開、表示をしていこうということであるんですが、どんな地域の方との協議が行われて、そこでどんな議論が起きているのかということ自体も、やはりしっかりと公開をしていかなければならないと思っています。

     1つは月2回、役所の1階のホールで出入り自由の「市長と気軽にトーク」という、何でもざっくばらんに話せる場を設けているんですけれども、多いときだったら100人ぐらい来られるんですね。その100人ぐらいいる中で、自分の要望とか、自分のクレームをみんなのいる前で話すことによって、もっと自分よりも大変な問題があるんだなとか、自分の訴えていることは、場合によっては、ほかの人から見れば、違った見方もあるんだなというふうに、発言した方自身がどんどん成長していかれるというシーンも日々見ています。そういったことも含めて、情報の公開というのは、当然開示をしてより対等な議論をするということだけではなくて、お互いが情報を知ることによって、より高い議論、よりクオリティの高い政策をつくっていくことにつながっていくのではないかと思っています。

     それから、この奈良の場所で協働ということを考えたときには、隣に県の森川さんがいらっしゃいますけれども、1300年前にいろんな違う価値観を協議といいますか、もっと言うと対話ですよね。対話の中で異文化を受け入れて、1つのまちづくり、国づくりを行ってきたという先祖の知恵を考えれば、協働のまちづくりというのを、この奈良の場所で考えることというのは、本当に全国に向けて発信をしていくべき大きなメッセージではないかなというふうに感じております。

    中川

    ありがとうございます。どうぞ。

    木原

     最後申し上げたかったのは、先ほど先生方は制度という形で協働という1つの仕組みを考えられますよね。先ほどの気軽にトークも、これもある意味で行政が制度的に近い形でされていますよね。問題なのはね、例えば日常的に、この問題おかしいなとか、あるいは、これどうなのかということを気軽に担当セクションか、あるいはその窓口に行けば、それをまともに受けとめて、確実にその提案なり意見を言ったことが、行政の中の1つの総合的なセクションみたいなところで、その中身がどうなのかという議論がされて、そこが結果的に提案した人とか、意見を言った方に戻されていくというようなことが目に見える形でリターンされてくるというような仕組みをね。きちんと日常的な問題でしょ。議会終わって、予算化されたものというんじゃなくてね。そうでないようなものに対するぴちっとした受けとめ体制、フォローアップ体制、それがすごく大事かなという気がしますね。絶えず疑問、あるいは絶えず、委員においてですよ、意見を述べていくのを尊重する、それを生かしていくというか、何かそういう取り組みが要るのかなというように思いますね。

    中川

     分かりました。つまり、参画と協働を進めると、行政も情報収集とか配給とか、確保処理に関する行革をせないかんのですよ。自己改革をしてもらえればね。今みたいな縦割りだけではとてもやっていけなくなります。それから、前線職員が、私は年金のことしか分かりません。私は医療のことしか分かりませんというようなことを言ったんでは、歯が立たんようになるわけです。まちづくりの現場で自治会長さんなんかと相談相手になる、パートナーになるというような職員は、当然都市計画法も知っとかないかん。建築基準法も知っとかないかん。保健と福祉と医療とのネットワークなんかも知っとかなあかん。包括センターの位置付けもちゃんと把握しとかないかんという、もうそれだけのことは当然トレーニングを受けなあかんということになりますね。そうすると、今までのような研修システムは変わってくる。だから、自分の所属している部局は、例えば私は土木ですと言いながら、片一方でこんだけのことも実は知っているんですよという、縦横両方の業務に精通するような職員が求められてくるというふうに、行革も迫られるということになるんじゃないでしょうか。

     それから、議会の議員さんも、あの地域の代表ですという議員さんもまだまだ必要かもしれませんけど、この業界の代表ですという議員さんは、逆に目立って仕方がなくなると思いますね。市全体の将来の運命に関して、バランスよく政策がちゃんとこれは偏ってないかということを審議する仕事にすごくセンスをみなさんが見はるようになりますから、ある特定の質問しかしないとなると、これが目立って仕方がないですよね。いつでもこの議員さんが、このバックの業界のことしか言うてはれへんとなったら、それが市民の評価になるというふうに情報が公開されていくというのが本当は正しいと思います。

     ただ、今日のお話は、情報の共有というのは、実はあくまでも公開する、それから公の論理に付すという原則をいかに徹底するかということだと思うんですね。そのための仕組みをどうつくるか。

     仲川市長、みんなで気持ちよく気楽に話ししましょうというのも、実は公開討論の1つの突破口を開こうとしてはると思うんですね。こういうことが雰囲気として文化になっていけば、どうしてこれ、ちゃんと出さないのというような話がいっぱいほかにも出てくる。それに気がついたら、また変えていったらいい。こうなると思うんです。

     これからが大切だと思うんですが、ちょっと先ほど、私、言い間違いしました。生駒のこれからの未来をみんなで考えましょうと言っているんですけど、それが実は地域、地域における、自分たちの地域における未来という意味で申し上げたかったんです。だから、小さな、小学校区レベル以下の自分たちの地域社会の未来を考える、そういうモニュメントを起こしてほしいうということです。生駒全体の未来については、現在総合計画がかなりたたいてきていますし、今は行政と議会との間で対話している状態でありますから、ずっしり全体の将来構想とか未来に関してはかなり整理されていますが、御自分たちの地域における将来というのは、余りみなさんお考えになっていない。この点、地域に帰って、皆、お考えいただきたいなと思うんです。まるで市全体のことを議論するのはいかんと言うてるんじゃないです。まずは、隗より始めよ、そこからかからないとだめということを言いたいだけです。

     それでは、一当たり壇上の人間はしゃべり終えました。あと、場内から御意見ございましたら、御質問等ございましたら、賜りたいと思いますが、御挙手いただけますでしょうか。ただ、ちょっと進行上御協力お願いしたいんですが、御質問は一、二分程度にしていただきたいと思います。

    場内発言者1

     県の森川さんの方から、議会の情報を流すという意味でケーブルテレビを活用したらどうかという御意見をいただきましたが、誠に賛成であります。私も仕事柄、いつもではないのですけれども、傍聴に行かせていただきますけれども、やはり年4回の議会紙では、本当にエッセンスというよりは、断片的な報告しかできておりません。ですから、共同テレビなんかでも流せておりますように、ケーブルテレビを活用するというのは、インターネットを使う方というのは、やはり限られておりますし、自治会ニュースを私は御近所の方にさせてもらっても、本当に知らない方が多いんです、いろんな状況をね。行政のことに関しましては、月2回の広報紙がありますので、やはりこれから議会に関して、インターネット放送というのを前向きに進めていただきたいというお願いであります。よろしくお願いいたします。

    中川

     ありがとうございます。

     これは、樋口さん、ちょっとコメントだけ。

    樋口

     まず、インターネット中継は恐らくそんなに難しい話ではないというふうに考えています。ただ、ケーブルテレビの放映ということになりますと、業者さんとの交渉とか、あと予算的に大丈夫なのかということを検討した上でということになりますが、一たん、議会の方でまた御報告させていただいて、その上で検討させていただくということで。やりますとなかなか言えないところは、どうやというところなんですけれども、こういうところで御了解いただきたいんです。

    中川

     ありがとうございます。ほかにございませんか。どうぞ。あちらさんです。

     先ほどと同じように、質問は手短でお願いしたいと存じます。よろしくお願いします。

    場内発言者2

     いろんな話を聞かせていただきまして、参考になりました。しかし、一番足元の自治会が霧の中なんですよ。本当に一番最後のところの、一番コミュニケーションの多くなかったらいけないその自治会が、私にはどうも霧が濃いなと。これでは、いくら上の方が頑張っていただいても、ここをどういうふうに自治会として、連合会の藤堂さん、どうやって考えていただけるのか、ちょっとお願いします。

    藤堂

    霧が濃いというのはどういう意味か、ちょっと御説明いただけますか。

    場内発言者2

     いろんな面において、とにかく情報も少ない。例えば身近なことを言いますと、班長会というのがあるんです。これは1年間に1回交代された方が、ただ義理で集まって連絡を受けるだけというようなことでは、本当に自治会活動は今どうなっているのか。どういうふうに選ばれてやっているのかとかそれしか分からない。

    藤堂

     それは、個々の自治会によってやり方が全然異なります。情報公開が進んでいる自治会がほとんどなんですけれども、そのように外から公開されていないとおっしゃる方には、私、ぜひお願いしたいんですけれども、自ら自治会の中に入っていっていただきたい。自治会が何となくよく分からないとおっしゃるのであれば、自らの手で改革していただきたい。それができないようであれば、今後の市民自治というのはできないということで、批判するだけではなくて、自ら入っていって活動をともにしていただきたいというのが私のお願いでございます。

     自治連合会の方といたしましても、もちろん情報公開をするようにというようなことはみんなで話し合っております。それが完全にできているか否かについては、今後検証はさせていただきますけれども、自治会をよくしていくのは、みなさん方御自身、私たち住民自らであるということを自覚していただきたいというふうにお願いいたします。

    中川

     ほかにございますか。

    場内発言者3

     今日、お聞きしまして、やっぱりこれは各立場の本音を言わないと、私は変わらないと思います。そして、堅く考えないで、本音の方が続くのじゃないかと思うんですね。先ほど、職員と壁がある、逃げないこと、文句ばっかりの市民もいると、中川先生がおっしゃりましたし、これも固定観念がありまして、責任が怖いとか、つじつま問われると言えない。それとやっぱりそうなると変化はありませんし、それだと全然変わらないし、これだったら何も変化はないので、やっぱりここでゆっくりと、例で言えば、当たり前のことに気がつくこと、映画は見ても感動して、涙を流すのは、それがストーリーがあるからそうなんだと、そういうのをゆっくり考えたらいいと私は思います。

    中川

     ただいまのはちょっと御意見として承ります。回答の要求をしてはるわけではないですね。

     ほか、ございますか。よろしいですか。

     それでは、ここで場内との対話を一たん終えさせていただきます。

     今日のお話は、大変貴重な角度からのキーワードもたくさん出ておりますけども、あえてここでまとめるということを私はいたしません。それは僭越だと思いますし、皆様方のお心の中でのそれぞれの受けとめ方を大事にしていきたいと思っております。

     ただ、1つだけ申し上げたいのは、ちょっと言い間違ったのは私もあるんですね。よく議会改革という言葉が出てきます。今の生駒市は議会改革、大変熱心にやっている自治体の1つでありますけども、行財政改革などの一般公募市民で御参加なさった委員さんの中には、行財政改革というのは行政改革であるにもかかわらず、議会改革まで入っていると勘違いなさって、議会に対する批判をなさるケースがあるんですね。そういうときに、これは市長に対する諮問なので、議会の議長に対する提案をする委員会じゃないし、権限がありませんと、私、何遍もお断りすることがあるんですが、それは、でも食い下がられる一般公募市民って結構多いんです。これらの方々の特徴は、大概が中堅企業の管理職等でお辞めになった方とか、元大学教授とか、元中学校、高校教諭とか、元大手製造業の課長級で終わられたとか、こういう方々は非常にしっかりした方々なのに、こうおっしゃる方が多い。で、そういう方に私はいつも言うんですが、そこまでおっしゃるんだったら、あなたが選挙で投票された市会議員さんのところへ行って、あなたも私と一緒に議会改革に立ち上がってくださいとおっしゃったらいいじゃないですかと言ったら、いや、選挙なんか行ったことありまへんという方が結構おるんです。これ、論理矛盾じゃないですかね。僕はいつも思うんです。自ら政治に関わろうとしないでおって、批判ばっかりしとるという、こういう文化はもうやめましょうということが、今日の僕は底流に流れていると思うんですね。批評、批判ばかりでは何も動きません。まず動きましょうということです。ということを、今日の私の最後の1分だけの特権を言わせてもらいました。決して私物化したつもりはございませんので、お許しください。

     今日はどうもありがとうございました。

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    [公開日:2015年10月9日]

    ID:4193