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あしあと

    【開催レポート】いこま暮らしの研究室プレイベント「対話から始めるまちの実験」

    • [更新日:2026年10月26日]

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    違う立場の人との対話から、まちや暮らしを考える

    2026年10月17日(土曜日)の午後、「いこま暮らしの研究室」のプレイベント「対話から始めるまちの実験」を開催しました。

    「いこま暮らしの研究室」は、「いこまSDGsアクションネットワーク(別ウインドウで開く)」の新たな取組。立場や経験の違う人たちが対話し、暮らしや地域のことを一緒に考えながら、SDGsにつながる実践を生み出していく場です。11月からの本編に先立ち、今回はその入口となる「対話」を体験するプレイベントを開催しました。

    会場となった生駒駅近くのイコマド元町には35名が参加。生駒市内や近隣市町村だけでなく、県外、さらには東京から参加された方もいました。

    オープニング

    答えを出さない哲学対話で、「当たり前」を問い直す

    この日のテーマは「哲学対話」。

    哲学者であり、各地で哲学対話を実践されている河野哲也さん(立教大学文学部教授)をゲストに迎え、まずは哲学対話とはどのようなものなのか、お話を伺いました。その後、会場から出た声をもとに問いを選び、グループに分かれて実際に哲学対話を体験しました。

    河野哲也さんによるゲストトーク 「なぜ?」を聴き合う場のちから

    河野さんは、哲学の知識を競う場ではない、と切り出しました。カントやプラトンの名前を並べる必要はない。哲学の芯は、知らないうちに信じている常識を掘り起こし、「本当にこれでいいのか」を、いったん検討し直すことです。

    河野哲也さん

    たとえに出たのは、お雑煮。関東の家では、すまし汁に焼いた角餅。関西では丸餅や白味噌。東北では、味噌汁に餅ということもある。ほかの土地の人と比べあって、初めて自分の「当たり前」に気づく。年齢や仕事、育った場所が違う人と話すほど、その気づきは起きやすい。自分の常識をひとりで問い直すのはむずかしいので、考えることと話し合うことはペアなのだ、といいます。

    哲学は、一人で考える孤独なものと思われがちですが、もともとは話し合いのなかで考えを深めるものでした。結論ありきで始めない。これからつくっていく過程を大切にする。

    河野さんは、地域での哲学対話の場づくりをよく依頼されるそうです。活動はそれぞれにあるのに連携が足りないのがその理由です。共通の問いを持つことで、人と人のつながりが生まれるのです。

    紹介された実践は、土地ごとに形が違います。宮城県気仙沼市の公民館では、震災から復興しつつあるまちを歩き、「面白い」「変わっている」と思ったものを撮って、円になって「なぜ、ここを選んだのか」を話し合います。岩手県陸前高田市の高校では、人口や環境、スポーツといった大きなテーマを、哲学対話で自分たちの問いに絞ってから、病院や漁業の人に話を聞きにいきます。

    新潟県見附市では、市民と一緒に出した問いが「なぜ、あなたはこのまちに住み続けるのか」になりました。沖縄では、平和や自然を前に、大人と学生が同じ円に座ります。中学生からは「平和は、誰かを犠牲にしないと成立しないのか」という問いが出ました。新潟県南魚沼市の美術館では、作品を前にして床に座って、子どもと大人が語り合います。

    哲学対話のポイントは、人の話を聴くこと。「なぜ、そう思ったのか」を聞き返すこと。考えは、途中で変えてもよい。そして、結論を急がなくてよい。街を歩いたあとでも、学校の探究でも、根本的なことをみんなで話してみる。それくらいの軽さで使える道具だ、と紹介してくれました。

    対話したい「問い」をみんなで選ぶ

    いよいよ哲学対話の時間です。

    まず、河野さんの軽やかな進行のもと、会場全体から声を募りながら、問いの候補をあげていきました。最初は控えめな雰囲気もありましたが、ひとり、またひとりと手があがり、話したいこと・興味あることと、その理由を発言していきました。

    問いを発表

    こうして全部で8つあがった問いの候補のなかから、今回はひとり一票の挙手による多数決で、実際に話すテーマをみんなで選びました。

    挙手をしている様子

    選ばれたテーマは、以下の4つでした。

    • 包装は必要か?

    • 時間に余裕のある方のエネルギーを、どうつかう?

    • 多世代・多様性を感じられる場をどうつくるか

    • いこまの魅力をどう発信するか?

    希望する人が多かった「いこまの魅力をどう発信するか?」は2グループに分割し、全部で5つのグループに分かれて対話をおこないました。

    「包装は必要か?」から広がった対話

    ここでは、「包装は必要か?」について対話したチームを例にあげて、実際の対話の雰囲気をご紹介します。この問いを発案したのは、たにやん(哲学対話では、よくニックネームをつかいます)。地元生駒で、日本酒の酒造会社で働かれています。

    たにやんは、贈答用日本酒の豪華な包装への違和感を言葉にします。年末の贈答品は、紙をたくさん使ってきれいに包むけれど、それらは届けられたあとすぐに捨てられてしまう。「ほんまにここまで必要なんやろうか?」。

    哲学対話

    対話から様々な視点が出てきました。包むのは、中身のためなのか?見た目と見栄のためなのか?リユースやリサイクルを考える前に、欲望と見栄についてしっかり考えた方がよいのではないか。豪華に包むことへのうしろめたさを語る声もあがれば、商品を清潔に保つために人の手に触れさせないという包装の役割を確認する声もあがりました。

    哲学対話2

    対話はさらに展開していきます。建前は必要なのか?確実さばかりの暮らしのなかに、もう少し個性があってもいいのではないか?一方で、「この場では包装はいらないという意見の人が集まったけれど、必要だと考える人の話も聞いてみたい」という声もあがりました。

    「包装は必要か?」という最初の問いから、さまざまな問いが生まれ、自分たちとは違う考えにも目を向けながら、考えを深めていく時間になりました。

    哲学対話3

    哲学対話は、話し合いのなかで、結論を必ずしも目指さないという特徴があります。今回のこの対話も、特定の結論に到達はせずに終わりの時間を迎えました。

    最後に問いを前に進める

    白熱した哲学対話の時間がひと区切りを迎えたあと、それぞれのテーブルの様子を、全体でシェアしあってもらいました。

    発表

    河野さんは、最後にこう話してくれました。

    「今日は、ブレインストーミングのように基本的なアイデアが出たところだ。実行して、振り返って、もう一度哲学対話で考え直す。その繰り返しで、うまくいくのではないか。「いこま暮らしの研究室」でも、この方法を使ってほしい。」

    発表

    今回の哲学対話は、一人ひとりの声が混ざって化学反応が起きる時間でした。ひとびとが集まってじっくり対話することで、ひとりで考えるよりもすこしだけ賢くなれることが実感できるひとときでもありました。11月からはじまる「いこま暮らしの研究室」では、このように対話しながら問いを掘り下げることと、実際にその問いをたずさえて暮らしの現場に足をはこび、すこしずつ実践してみることの両方をトライする場として、アクションネットワーク会員のみなさんと市民のみなさんに活用していただきたいと思っています。

    持ち帰りカード

    参加者の声

    「初めて会う方々とこれだけ対話ができると思っていませんでした」

    「生駒に住んでいるけど知らないことがたくさんあった」

    「参加者の皆さんが秘めておられるエネルギーを感じることができました」

    「行政、市民、企業の違いを乗り越えて話しをするのは哲学対話のようなテーマややり方が有効だと感じた」

    「河野先生のお話が分かりやすく、哲学対話に抵抗感なく入れた」

    「答えをださなくていいんだということを実感できました」

    「よくある課題も、哲学対話をつかうとここまで掘り下げられるんだと知った」

    「問いを掘り下げることで、ここまで対等に話をすることができるんだと感じた」

    発表

    11月から「いこま暮らしの研究室」が始まります

    プレイベントで体験した「対話」を入口に、11月からは「いこま暮らしの研究室」が始まります。

    さまざまな立場の人と一緒に、暮らしや地域について考え、対話だけで終わらず、実際に試してみるところまで取り組んでいきます。

    「いこま暮らしの研究室」 詳細・申込

    お問い合わせ

    生駒市地域活力創生部脱炭素まちづくり推進課

    電話: 0743-74-1111 内線(脱炭素まちづくり係:2860、SDGs推進係:2870)

    ファクス: 0743-74-9100

    電話番号のかけ間違いにご注意ください!

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    [公開日:2026年10月26日]

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