地下水と浄水処理
- [更新日:2023年1月20日]
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
生駒市内には、21ヶ所の深井戸(深さ約70~240m)があります。
地下からくみ上げた原水については、水道法で水質基準が定められていませんが、年1回の検査を行い水質把握に努めています。
原水には、鉄、マンガンが多く見られますが、1年を通じて水質は安定しています。この鉄・マンガンは、浄水処理の過程で除去しています。また、クリプトスポリジウム対策として、大腸菌及び嫌気性芽胞菌の検査を1ヶ月に1回の頻度で検査しています。
- 取水井戸 3・4・5・6・10・11・12・15・16・36・37・40号
計画取水量 6,600立方メートル/日
浄水処理 山崎浄水場 - 取水井戸 17・19・20・21・22・23・27・28・29号
計画取水量 7,000立方メートル/日
浄水処理 真弓浄水場
また、21ヶ所の深井戸からくみ上げる水量をコントロールして常に適正な水位に保っていますが、長時間使用していると、スケール(水あか)がストレーナー(地下水採水部)などに付着して目詰まりが起こり、くみ上げる水量が年々低下していきます。そのため、高いやぐらを組んでスケールなどを取り除く工事(浚渫(しゅんせつ)工事)を行っています。
このように水源を確保するために深井戸の維持管理に努めています。
山崎浄水場の浄水処理方法
- 深井戸
地下深くに貯まっている水をくみ上げます。 - 着水槽
くみ上げた水に塩素を入れて、溶けている鉄分・マンガンを取りのぞきやすくし、消毒もします。 - 前処理装置
鉄分・マンガンや混ざりものを取りのぞきます。 - 曝気塔
水を空気に触れさせて、炭酸ガスを取りのぞき、細かい混ざりものをかためる薬がききやすくします。 - 混和槽
細かい混ざりものを取りのぞきやすくするため、薬(凝集剤)を入れてかき混ぜます。 - 膜ろ過
10,000分の1mmの穴があいた膜に圧力で水を通し、細かい混ざりものなどを完全に取りのぞき、安全できれいな水にします。 - 浄水池
きれいになった水を配水池に送る量を調節するため、いったん池に貯めておきます。 - 送水ポンプ
遠い所や高い所にある配水池にポンプで水を送ります。 - 加圧ポンプ
送水ポンプでも水を送れないようなとても高い所にある配水池に水を送るため、さらにポンプで力を加えます。 - 配水池
各家庭などに送る水の量を調整するため、いったん池に貯めておきます。
膜ろ過設備導入まで
老朽化した谷田浄水場の更新について検討を重ねた結果、更新が困難との結論に達し、廃止に向けた検討を進めていく中で、山崎浄水場での浄水処理方法を計画しました。
山崎浄水場においても3系統の浄水処理施設が老朽化していたこともあり、1.維持管理面の合理化、2.省スペース化の実現、3.危機管理面の強化を図るため、更新時の浄水処理方法を「前処理+膜ろ過方式」へと変更し、平成19年1月に認可を受けました。
平成19・20年度にかけて施工業者の選定をプロポーザル方式で行うため、「ろ過設備審査委員会」を設置し、学識経験者の皆様に13回にわたる審査を行っていただきました。また、設計・施工についても平成21年1月の着手から3年余りを要しました。
計画段階から平成23年7月の完成に至るまで長きに渡る道のりでしたが、この間ご尽力いただきました学識経験者の皆様、ご協力いただきました周辺住民の皆様に改めて感謝申し上げます。
この山崎浄水場ろ過設備整備改良事業により、従来の方式とは異なり、クリプトスポリジウム(感染すると下痢、発汗、腹痛などの症状を引き起こす水系病原性生物)を完全に除去することが可能となり、また耐震性を備えた災害に強い水道施設となりましたので、消費者により一層、安全な水道水を安定して供給できると期待しています。