第3章 パターンによる生駒らしい景観づくり
パターン3 ヤマ・ムラ・ノラの調和【都市】
【生駒らしさの読み解き】 生駒らしさを感じましょう

ヤマ・ムラ・ノラで構成される田園景観(北田原町)
昔から人々の暮らしを支えてきた生業の場である農地(ノラ)は平地に広がり、また斜面に沿うようにつくられ、里山や奥山(ヤマ)、居住空間(ムラ)の三つの層が調和して、田園景観をつくっています。

ヤマ・ムラ・ノラの断面構成

「ヤマ」は、住民が生活に欠かせない薪や炭を取っていた場所でもありました。ムラを背後から包み込み自然の恵みとうるおいを与えています。 「ムラ」は、洪水などの災害を避けるために低地の周りの少し高いところに建物が寄せ合って位置しており、ヤマと同じ勾配の屋根が使われていたり、昔ながらの緑や土となじむ色彩の自然素材が多用されていたりと、ヤマやノラと調和した配置・形態・意匠が使われています。 「ノラ」は、水が流れやすいように低地に位置しており、ムラからその様子が一望できるようになっています。ノラはのびやかな空間の広がりを生み、また季節によってその表情を変える、農の営みが目に見えて感じられる場所です。 このように、自然に寄り添った生活の知恵が、農の空間をつくり、今でもなお生き続けています。 (写真:まとまりのあるムラの建物(上町))
【生駒らしさのために】 これだけは守りましょう
○ヤマ・ムラ・ノラという三層の空間の調和を大切にし、それぞれの景観としてのまとまりを損ねないようにしましょ う。 ○ヤマは、背景の緑として保全しましょう。もし、損なうことがあったら、できる限り復元しましょう。 ○ムラは、建物同士をできるだけ寄せて配置するとともに、背景のヤマの緑やノラの農地にとけ込むような素材や色彩 を使う、ヤマの勾配とあわせた勾配屋根を取り入れるなどの配慮を行いましょう。 ○三層の空間を眺めることができる道沿いは、眺望を遮るようなものを置くことや建てることは避けましょう。

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【生駒らしさの工夫】 こんなことやってみましょう
○建物はムラの部分に集めましょう。 | ○ヤマ・ムラ・ノラの構造を受け継ぎましょう。 |
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○周りとなじむように、屋根の形や壁の色合いをそろえましょう。 | ○ムラの意匠を受け継いだデザインを考えましょう。 |
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○道路から三層の空間への眺望を遮らないようにしましょう。 | ○土肌が露出するようなことがないよう、緑化で隠しましょう。 |
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