第2章 生駒らしい景観の特性
(1)住宅地の開発と地形
1)平地から斜面地へ
鉄道が整備された1960年代以降、多くの住宅地がつくられてきました。当初は生駒谷の谷筋の平地などを中心につくられ、年代を経るごとに斜面地や頂上付近にも広がっていきました。 住宅地は、まちなみが似通っている部分も多く見られますが、つくられた年代によって立地する地形が異なっているため、それぞれに特徴が見られます。
2)住宅地を見渡せる場所
斜面地や標高の高い地域の住宅地には、眺めの良い場所があり、そこからは、市街地や山なみが一望できます。 これらの見渡す景観を「眺望」といい、谷の地形である生駒らしさを表した景観であるといえます。
3)通りの先に見える山
通りの先に生駒山や矢田丘陵が見える住宅地では、自然にこれらを目印としていませんか。道案内のときに「生駒山に向かって右側」といった案内をされることもあるかと思います。このように、存在感のあるものが日常の生活の中にとけ込むと、目印として方向を決めたりするものになります。 また、通りに面する敷地から見えるということは、そこで暮らす人にとって郷土愛を育むことにもつながっています。