はじめに ~わたしたちの暮らしと景観~


 3.基本計画を策定する意義


(1)みんなが大切に思う景観を守る

 生駒山系や矢田丘陵などの山なみ、竜田川や富雄川などの河川の流域がつくる地勢は、本市の景観の骨格であり、大きな特徴として誰もが認める大切なものです。このため、立場は異なってもみんなが「大切である」という思いを共有しやすいものです。

 みんなが大切に思う景観は、適切な保全の枠組みを定め、将来にわたって継承していくことが必要です。本計画では、みんなが大切に思う景観をきちんと守っていくための考え方や道筋を示します。

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(2)多くの人の目に触れる景観の魅力を高める

 駅前や幹線道路沿いは多くの人が行き交い、多くの人の目に触れる機会も多いことから、住む人や訪れる人にとって生駒のイメージとなる、いわば「顔」となる場所です。このような場所の景観の魅力を高めることは、生駒全体のイメージアップにつながるため、景観を考える上では非常に重要なことです。

 景観は多くの人がかかわり、それぞれの事業や建築行為などが重なり合って形づくられるものであり、目指すべき姿を共有し、お互いに協力しながら実現を目指していくことが重要です。本計画では、多くの人の目に触れる景観の魅力を高めるための考え方や道筋を示します

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(3)暮らしの景観を育む

 本市の景観を構成する大部分が、住民が普段の暮らしの中で接する普通の景観(「生活景」)です。歴史、風土、文化などが息づく地域もありますが、特に個性が際立つ地域がたくさんあるわけではありません。そのため良い景観についての思いも人によって様々であり、あるべき将来の景観の姿を共有することが難しいといえます。しかしまちの景観を育んでいくためには、将来のまちのあるべき姿を共有し、その実現をお互いに協力しながら目指していくことが重要です。

 まちにかかわる活動を楽しみながら広げていくことで、暮らしがいきいきとなり、良い景観づくりにつながっていく、そんな取組も出てきています。

 本計画では、上記のようなことを踏まえて、わたしたちが日常的に接する暮らしの景観を育んでいくためのヒントや道筋を示します。

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(4)景観からまちづくりを考える

 かつては、コミュニティの中で受け継がれてきた風習や文化が地域に色濃く反映され景観をつくっていましたが、高度経済成長期以降には住宅を商品として購入する時代となり、さらに少子・高齢化や情報社会の進展とともに、空き家・空き地問題やコミュニティの希薄化が全国的な課題となっています。このような状況は住宅都市として発展してきた本市も例外ではなく、同じようなことがまちの中で起こり始めています。

 本計画では「つくる」から「守る」「手入れする」ことに時代が変わりつつある中で、見た目だけではなく、住まい手の顔が見えるまちの育て方など、今までとは違った視点でまちの問題について考え、話し合うための一つのきっかけとなるのが景観だと考えています。

 わたしたちの暮らしが目に見える形で表れた景観という視点を通して、まちについて考えてみることで、問題解決の糸口が見つかるかもしれません。





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