第4章 身近なまちの景観づくり

3.身近なまちの特徴に沿った景観づくり

(3)「集落」の景観づくり

住宅地の景観づくり


 生駒らしい景観の特性でも示しているように、生駒には集落が各地に分布しており、それぞれコミュニティの強いつながりから、その暮らしの中で育まれた、言わば地域に根ざしたデザインを現在に継承しています。しかし、コミュニティも変わりつつある現在では、かつてのつながりが薄れてきています。それぞれの集落が育んできた暮らしの文化や伝統を見つめ直す作業を行いながら、これからの景観づくりの取組を考えてみましょう。

○周りとの調和を意識する

集落は、住宅地と比べてコミュニティのつながりから生まれた景観上の特性が色濃く表れている地域と言えます。そのため、まず意識すべきは、周りとの調和です。"パターン"も参照しながら、集落の景観を乱さないように周りとの調和を意識した景観づくりに取り組みましょう。

<こんなことに取り組んでみましょう>
・建物を建てるときには、周りの建物の特徴を見て、自分の建物のデザインを考えましょう
・昔のことを良く知る人や地元の大工さんなどに昔の話を聞いてみましょう



○共用の空間を守る

集落には信仰に根付いた空間として、お地蔵さんやモリさん、墓地や寺院などがあり、昔から住民に大切に受け継がれてきています。地域の歴史・言い伝えとともに、こうした空間を大切にしていきましょう。
また、住民が協力して道普請などを行う「出合い仕事」が、今も継承されている地域もたくさんあります。道やため池などの共用の空間を当たり前のようにみんなで守る取組は集落ならではのものであり、集落の景観を守っていく上でも大切な役割を果たしています。

<こんなことに取り組んでみましょう>
・お地蔵さんやモリさん、墓地、寺院など共用の空間の維持管理に取り組みましょう
・道やため池などの共用の空間を地域で守る取組に参加しましょう

○集落の周りの自然とのかかわりを育む

住宅地と同様、集落の周囲にも、樹林地などの緑の空間や小河川など、集落と一体となった自然豊かな空間がある場合が多く、水利などともかかわることから大半は地域の住民によって所有し管理されています。
それらの自然とのかかわりを、引き続き住民で協力して育んでいきましょう。

<こんなことに取り組んでみましょう>
・周辺の樹林地、小河川などの自然空間の維持管理に取り組みましょう

○コミュニティの行事にかかわる

自治会では住民相互の交流や、より良い地域づくりのための活動に取り組んでいます。これらのコミュニティの活動も景観づくりにはとても重要なものです。人の手が加わることでいきいきとした暮らしの様子が垣間見え、住んでいる人も誇りと愛着を持って暮らしていくことができます。また、こうした取組をきっかけとして様々な人とのつながりが広がり、ますます友達が増えて楽しくなることもあります。

<こんなことに取り組んでみましょう>
・自治会や子ども会、婦人会など、コミュニティで取り組まれている活動に参加しましょう
・お祭りや清掃活動など、地域での行事に参加しましょう



○まちなみのルールを考える

集落では、家屋のデザインなどに対して暗黙のしきたりがあり、わざわざ意識することがなくても整った集落の景観が形づくられてきました。しかし、こうした技法はもしかしたら世代交代とともに失われていくかもしれません。"パターン"も参照しながら、集落の特徴をひも解き、まちなみのルールを考えてみませんか。

<こんなことに取り組んでみましょう>
・自分たちのまちの望ましい姿、ルールについて話し合いましょう



【「集落地での景観づくり」で活用できる支援制度】

・景観アドバイザーから技術的なアドバイスを受けられる相談窓口を設けています
・集落のまちなみを守るためのルールづくりを支援します

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