第2章 生駒らしい景観の特性

(2)生業の景観
1)農の景観
農地がつくる景観は、場所や時期によって様々な印象があります。平地に広がる農地では、手入れの行き届いた農作物と背後の山の緑が一体となって開放感を与えてくれます。また、斜面に沿った棚田は、その地形をいかし住民の手が加えられている様子を垣間見ることができ、そこに美しさを感じます。
これらの農の景観は、生駒の景観の地をつくり、人々にとっての原風景のひとつとなっています。
2)伝統産業の景観
地域の風土の中で育まれてきた伝統産業が独特の景観を生み出しています。高山町では、茶筌や竹器づくりが盛んで、その材料となる竹の寒干しが、茶筌の里ならではの冬の風物詩となっています。
また、古くからの造り酒屋は、白い漆喰の壁が美しく、店先にある杉玉が映えて、伝統の景観をつくりだしています。