第2章 生駒らしい景観の特性

生駒らしい景観の特性 伝統と自然に寄り添う暮らし・モリ信仰集落空間の根底にある景観 風景写真


(1)集落の成り立ち

1)集落の中心と境界

    

 生駒には、江戸時代に23の村があったそうです。村は住居が自然に集まった集落で成り立ち、大きな集落には水汲み場や火の見櫓(ひのみやぐら)がつくられたところもありました。これらの場所は、集落の中心としての交流の場となり、その名残なのか、今では集会所や公民館などが建っているところもあるようです。一方、集落のはずれにはお地蔵さんや墓地、神社やお寺などが建てられたことが多いことから、境界を示していたのではないかと思われます。

 このように、集落は中心と境界のあるコミュニティとして、一つのまとまりを形成しています。

計画イメージ


2)地形との関係

 斜面地に広がる集落では、地形を尊重して凹凸に沿うように田畑が耕され、家が建てられてきました。例えば高低差が大きい場所では、石垣や生垣をほどよく組み合わせるなどの工夫がされています。こうした自然に寄り添う土地の使い方は、人の手によってつくられた景観として、見る者に安心感を与えます。

 また、生駒谷では集落や社寺が斜面地にあることから、眺めの良い場所もたくさんあります。

計画イメージ


3)道との関係

 山すそにある起伏の大きい集落の中には、等高線に沿った高低差のない道と坂のある道があります。多くの建物は道の形を変えるのではなく、沿うように建てられてきました。ここでも地形を尊重する姿勢がうかがえます。

 また、内と外で互いに生活や季節の移ろいが感じられるような敷き際(敷地の道路に接する部分)のしつらえを多く見ることができます。生活の一部が外へにじみ出ることにより、通りを表情豊かないきいきとした空間にしています。

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