第1章 景観づくりの理念と姿勢

3.景観づくりの姿勢

 景観づくりの理念を踏まえ、生駒らしい景観づくりに取り組んでいく時に、特に大切にすべき考え方を景観づくりの姿勢として示しています。

(1)生駒らしい景観の特徴を理解する

 将来における本市の景観づくりの方向を考える上では、これまで培ってきた良い景観の特徴である景観面での生駒らしさの 本質(「無名の質」※)を理解する必要があります。「生駒らしい良い景観をつくっていこう」といっても、「生駒らしい景観」とはどのようなものなのか、また何が「良い景観」なのかが分からなければ、どのような景観を目指せば良いのか分からないからです。

 多くの人が訪れるような歴史的景観や都市的景観の特徴とは異なる本市の景観は、大部分が日常の何気ない「普通の景観」です。その中にある良いものを見つけ、どのようにいかせば良いのかを考えていくことが景観づくりでは重要になります。

 まずは、生駒らしい景観の特徴を知るために、生駒らしい景観が生み出されている背景にまで目を向け深く理解することが、生駒らしい景観づくりのはじめの一歩です。


(2)生駒らしい景観を構成する要素を見い出す

 生駒らしい良い景観の特徴が分かったとしても、どのように成り立っているのかが分からなければ、具体的にどうやってつくっていけば良いのか分かりません。

 誰もが何となく感じる良い建物や良いまちには、実は普遍的な共通の要素があります。これらの共通する要素をパターンとして見い出し、誰もが使えるようにすることで、いきいきとした建物やまちを生み出すことができる、 という考え方が「パタン・ランゲージ」(※)です。

 生駒らしい景観をつくっていくためには、それらがどのような要素で構成されているのかを見い出していく必要があります。「パタン・ランゲージ」の手法を取り入れながら、生駒らしい景観に共通する普遍的な要素を「パターン」として見い出し、うまく組み合わせることで、生駒らしい景観をつくっていくことが可能となるのです。



(3)市民・事業者・行政が 協働で生駒らしい景観をつくる

 景観は骨格となる地形の上に、これまで培われてきた地域形成の歴史が重なり、人々の営みが展開された結果、目に見える環境として表れてくるものです。つまり、景観は様々な立場の人々の営みによってつくられているのです。

 景観づくりは、市民・事業者・行政といった立場の違いを超えて協働で取り組んでいくことが必要です。立場の異なる人々が、それぞれの立場に応じた方法により、共通の目標を目指して取り組んでいくことが協働です。協働で進めていくためには目標像を共有することが必要となります。

 生駒らしい景観を目指して協働で取り組んでいくためには、まずは生駒らしい景観の特徴を理解した上で、特徴を構成する要素を見い出し、その要素を組み合わせて景観づくりを進めていくという方法を共有しなければなりません。

 そしてそれぞれの立場からできることを考え、主体的に取り組んでいくこと、お互いが連携することで取組の効果を高めていくことができます。

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