○生駒市消費者保護条例

平成19年12月25日

条例第26号

生駒市消費者保護条例をここに公布する。

生駒市消費者保護条例

(目的)

第1条 この条例は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力、経済力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の確立及びその自立の支援その他の基本理念を定め、市及び事業者の責務等を明らかにするとともに、消費者を保護し、及びそのくらしを守るための施策の基本的な事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り、もって市民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

(基本理念)

第2条 消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策(以下「消費者施策」という。)の推進は、次に掲げる消費者の権利の確立及びその自立の支援を図ることを基本として行われなければならない。

(1) 商品及びサービス並びにこれらの提供を受ける権利(以下「商品等」という。)によって生命、身体及び財産に危害を受けない権利

(2) 商品等について自主的かつ合理的な選択の機会が確保される権利

(3) 商品等について不当な取引条件及び取引方法を強制されない権利

(4) 消費生活において消費者の個人情報が侵害されない権利

(5) 消費生活において必要な情報が提供される権利

(6) 消費生活において必要な知識及び判断力を習得し、主体的に行動するための教育を受ける権利

(7) 消費生活に関する意見を表明し、その意見が消費者施策に反映される権利

(8) 商品等によって不当に受けた被害から適切かつ迅速に救済される権利

(9) 消費者被害を受けないために自ら行動することにつき、行政から支援を受ける権利

2 消費者施策の推進は、高度情報通信社会の進展に的確に対応することに配慮して行われなければならない。

3 消費者施策の推進は、環境への負荷の低減その他の環境の保全に配慮して行われなければならない。

(市の責務)

第3条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、消費者施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、消費者施策の策定及び実施に当たっては、消費者及び消費者団体の意見を反映するよう努めるものとする。

3 市は、消費者施策の策定に当たっては、国及び奈良県(以下「県」という。)と役割を分担し、国及び県が策定する施策との整合を図るとともに、その実施に当たっては、国及び県並びに独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)、警察その他の関係機関、自治会その他の関係団体及び関係者との連携に努めるものとする。

4 市は、消費者団体が行う消費生活の安定及び向上に資する健全かつ自主的な活動を支援するため、必要な措置を講ずるものとする。

5 市は、消費者が消費者被害を受けないために、及び消費者被害を回復するために自ら行動することができるよう適切な支援を行うものとする。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、基本理念にかんがみ、商品等を供給するに当たっては、次に掲げる責務を有する。

(1) 消費者に対する危害の防止

(2) 消費者に対する迷惑の防止

(3) 商品等の品質等に関する広告その他の表示、消費者に対する勧誘等を適正に行うことにより、消費者に対する必要な情報の明確かつ平易な提供

(4) 公正な取引の確保並びにその取引の目的及び内容に応じた消費者の年齢、知識、経験、判断力及び財産の状況等に対する配慮

(5) 消費者の個人情報の適正な取扱い

(6) 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するための必要な体制の整備等及び当該苦情の適切な処理

(7) 市が実施する消費者施策への協力

2 事業者は、その供給する商品等について、環境への負荷の低減その他の環境の保全に配慮するとともに、品質その他の内容の向上に努めなければならない。

(消費者の役割)

第5条 消費者は、自ら進んで消費生活に関して必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集するなど自主的かつ合理的に行動するとともに、消費者相互の連携を図ることにより、消費生活の安定及び向上に積極的に寄与するように努めるものとする。

2 消費者は、消費者被害等に関して市長又は関係機関等に相談等をし、必要な情報の提供に努めるものとする。

3 消費者は、消費生活に関し、環境への負荷の低減その他の環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めるものとする。

(消費者団体の役割)

第6条 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、安全かつ公正な取引を確保するための市場の監視、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする。

(危害の防止措置)

第7条 市長は、商品等によって生ずる危害を防止するため、生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれがある商品等に関する情報の収集及び提供その他必要な措置を講ずるものとする。

(啓発活動及び教育の推進)

第8条 市は、消費者の自主的かつ合理的な行動を促進するため、消費生活に関する知識の普及及び情報の提供等啓発活動を推進するとともに、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じた消費生活に関する教育の充実等に努めるものとする。

(消費者団体への支援)

第9条 市長は、消費者団体が行う消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動を促進するため、活動及び交流の場の提供、活動内容に関する情報の発信その他の必要な支援を行うものとする。

(高度情報通信社会の進展への的確な対応)

第10条 市は、消費者の年齢その他の特性に配慮しつつ、消費者に対する啓発活動及び教育の推進並びに苦情の処理に当たっては、高度情報通信社会の進展に的確に対応するために必要な措置を講ずるものとする。

(不当な取引行為の禁止)

第11条 事業者は、消費者との間で行う商品等の取引に関し、次の各号のいずれかに該当する行為として規則で定めるもの又は契約に反する行為(以下これらを「不当な取引行為」という。)を行ってはならない。

(1) 消費者を欺き、又は消費者に迷惑を及ぼして接触し、勧誘する行為

(2) 消費者が契約に関する事項を正確に認識することを妨げる行為

(3) 消費者の自由な意思形成を妨げる行為

(4) 虚偽内容の契約書を作成し、又は契約を締結させる行為

(5) 消費者の状況に不適合な内容の契約を締結させる行為

(6) 消費者に不当に不利益な内容の条項を含む契約を締結させる行為

(7) 過剰な信用供与等を伴った契約を締結させるなどの行為

(8) 不当な信用供与契約等を行う行為

(9) 不当に債務の履行を強要する行為

(10) 事業者の債務不履行等の行為

(11) 解除権の行使等に関し、消費者の権利を妨害する行為

(12) 解除権の行使等に関し、事業者の義務を履行しない行為

(13) 前各号に掲げるもののほか、消費者の利益を害するおそれがある行為

(調査)

第12条 市長は、不当な取引行為が行われている疑いがあると認めるときは、その行為の方法及び内容その他の事項について調査することができる。

(事業者に対する資料提出の要求)

第13条 市長は、次条の規定による指導若しくは勧告又は第16条第1項若しくは第2項の規定による情報の提供に当たって、不当な取引行為の有無を判断するため必要があると認めるときは、事業者に対し、期間を定めて、判断に必要な資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を合理的な理由なく提出しないときは、市長は、不当な取引行為があったものとみなすことができる。

(指導及び勧告)

第14条 市長は、事業者が不当な取引行為を行っていると認めるときは、当該事業者に対し、当該不当な取引行為を是正するための必要な措置を講ずるよう指導し、又は勧告することができる。

(勧告に従わない事業者の公表)

第15条 市長は、前条の規定による勧告をした場合において、事業者が正当な理由なくその勧告に従わないときは、当該事業者の氏名又は名称、当該勧告の内容その他必要な事項を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表に係る事業者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えるとともに、生駒市消費生活審議会の意見を聴かなければならない。

(不当な取引行為に係る情報の提供)

第16条 市長は、不当な取引行為による被害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、速やかに、当該不当な取引行為の方法及び内容その他の必要な情報を市民に提供するものとする。

2 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該不当な取引行為の方法及び内容、事業者の氏名又は名称及び住所、行為者の氏名及び住所その他の必要な情報を市民に提供することができる。

(1) 不当な取引行為に関する苦情の処理の申出(他の市町村等への申出を含む。)が相当数あり、今後も当該事業者による被害の発生があると推測できるとき。

(2) 前号に掲げるもののほか、不当な取引行為により消費者に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるとき。

3 前条第2項の規定は、前項の規定により情報を提供する場合について準用する。

(国の機関等に対する情報の提供)

第17条 市長は、次に掲げる者からの照会(第3号に掲げる者からの照会にあっては、弁護士法(昭和24年法律第205号)第23条の2に規定する手続によるものに限る。)があったときは、相談等により収集した消費生活に関する情報(消費者(相談等を行った者を含む。)が識別され、又は識別され得るものを除く。)を提供することができる。この場合において、当該情報の真実性の審査を経たものかどうかを明らかにした上で提供しなければならない。

(1) 国又は他の地方公共団体の機関

(2) 国民生活センター

(3) 弁護士会

(4) 消費者契約法(平成12年法律第61号)第2条第4項に規定する適格消費者団体

(苦情の処理の申出)

第18条 消費者は、市長に対し、商品等の取引に関する苦情の処理を申し出ることができる。

(苦情の処理)

第19条 市長は、前条の規定による苦情の処理の申出があったときは、助言、あっせん、事業者の氏名の公表その他この条例に定める処理を行うことにより、当該苦情を適切かつ迅速に処理するものとする。

2 市長は、前項に規定する苦情の処理を行うに当たっては、国及び県、国民生活センターその他の関係機関等と連携を図るものとする。

(市長に対する申出等)

第20条 市民は、この条例の定めに違反する事業活動が行われ、かつ、この条例に定める措置が講じられていないと認めるときは、市長に対しその旨を申し出て適切な措置を講ずべきことを求めることができる。

2 市長は、前項の規定による申出があったときは、その調査を行い、必要があると認めるときは、この条例による措置その他適切な措置を講ずるものとする。

(消費生活審議会)

第21条 この条例の規定によりその権限に属することとされた事項のほか、消費者の利益の擁護及び増進に関する重要な事項を調査審議するため、生駒市消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、消費者の利益の擁護及び増進に関する重要な事項について、市長に意見を述べることができる。

3 審議会は、委員10人以内をもって組織する。

4 委員は、学識経験のある者その他市長が必要と認める者のうちから市長が委嘱する。

5 委員の任期は、2年とする。ただし、再任されることを妨げない。

6 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 審議会は、必要があると認めるときは、部会を置くことができる。

8 審議会は、規則で定めるところにより、部会の決議をもって審議会の決議とすることができる。

9 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

10 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(生駒市物価及び消費者保護対策協議会条例の廃止)

2 生駒市物価及び消費者保護対策協議会条例(昭和45年3月生駒市条例第15号)は、廃止する。

(生駒市の特別職の職員で非常勤のものの報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正)

3 生駒市の特別職の職員で非常勤のものの報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例(昭和31年11月生駒市条例第12号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

生駒市消費者保護条例

平成19年12月25日 条例第26号

(平成20年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第5節 生活安全対策
沿革情報
平成19年12月25日 条例第26号