○生駒市議会基本条例
平成25年12月16日
条例第36号
生駒市議会基本条例をここに公布する。
生駒市議会基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 市民と議会との関係(第4条―第6条)
第4章 行政と議会との関係(第7条―第10条)
第5章 議会運営(第11条―第16条)
第6章 議員(第17条―第20条)
第7章 議会事務局の体制(第21条)
第8章 最高規範(第22条)
第9章 見直し手続(第23条)
附則
生駒市議会は、日本国憲法に定められた、生駒市民による直接選挙によって選ばれた議員で構成する生駒市唯一の議事機関であり、地方自治法(昭和22年法律第67号)に基づき、条例の制定及び改廃をはじめとする生駒市の意思を決定する責務並びに行政を監視し、及び評価する責務を有する。
本市議会は、二元代表制の下で、市長その他の執行機関と対等の立場にある機関であり、権能の違いを踏まえ、健全な緊張関係を保ちながら、議案の審議及び審査、調査、評価並びに政策の立案及び提言を通じて、本市における民主的にして効率的な行政の確保及び健全な発達に当たる責務を有する。
地域主権改革の進展に伴い、地方公共団体は、その組織及び運営に関して自らの責任において決定する領域が拡大し、その結果、本市議会が担うべき役割及び責務も大きくなっている。
あわせて、行政主体の市政運営から市民主体のまちづくりへの転換が求められていることを踏まえ、本市議会は、その役割及び責務を自覚し、市民に開かれ、かつ、信頼される議会として積極的に情報公開及び説明責任を果たすとともに、市民の意思を的確に把握し、議員相互の闊達な議論を通じて政策形成機能を充実させなければならない。
このような認識の下、本市議会は、これまで市民との情報の共有、意見の交換、議案の審議及び審査の充実並びに政策の立案及び提言のための調査活動の充実に取り組んできた。
この取組をより確かなものとし、かつ、推進するため、議員自ら、より良い市政実現への意思及び高い倫理性を持って、常に研鑽を積み、公平に、公正に、及び誠実に職務を遂行し、もって市民の信頼及び負託に応えられる議会の実現に向け、全力を挙げて、かつ、不断に取り組むことを決意し、ここに、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、生駒市自治基本条例(平成21年6月生駒市条例第20号)に定める議会の役割及び責務を踏まえ、生駒市議会(以下「議会」という。)及び議会の議員(以下「議員」という。)の活動の在り方に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確に応え、もって市民福祉の向上及び本市の発展に寄与することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、市民を代表する議事機関であり、公正性及び透明性を重んじ、市民の多様な意見、要望及び提言を市政に反映させるため、市民参加を進め、市民に開かれた議会運営を行うものとする。
2 議会は、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と常に緊張ある関係を構築し、議会の権限を行使するものとする。
3 議会は、市政の課題及び争点を明らかにするとともに、多様な民意を反映するため、各議員の発言及び議員相互の討議を尊重するものとする。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを自覚するとともに、多様な意見を尊重し、討議の推進に努めるものとする。
2 議員は、市政について、市民の意見を把握するとともに、自己の能力を高めるために研鑽し、的確に判断し、計画、施策及び事業(以下これらを「政策」という。)の立案及び提言を行うよう努めるものとする。
3 議員は、市民全体の福祉の向上を目指して活動するものとする。
第3章 市民と議会との関係
(情報共有及び市民参加)
第4条 議会は、その有する情報を市民に積極的に公開し、発信し、及び市民と共有することにより、議会運営について説明責任を果たすものとする。
2 議会は、全ての会議を原則として公開するものとする。
3 議会は、市民から出された意見、要望及び提案を真摯に受け止めて検討し、政策の立案に生かすものとする。
4 議会は、市民からの請願及び陳情を市民による政策の提案と受け止めるとともに、請願にあっては、これを審議し、又は審査するものとする。
(広報広聴機能の充実)
第5条 議会は、市政及び議会運営に係る情報を、常に市民に対して周知するため、広報機能を充実させなければならない。
2 議会は、市民の意見及び要望を把握するため、広聴機能を充実させなければならない。
3 議会は、前2項の規定により広報機能及び広聴機能を充実させるため、広報広聴委員会を設置する。
(市民懇談会)
第6条 議会は、市政及び議会運営について、市民と情報の共有及び意見交換を行うため、市民懇談会を開催するものとする。
第4章 行政と議会との関係
(監視及び評価等)
第7条 議会は、議案の審議、検査、監査の請求及び調査の実施並びに一般質問を通じて、市長等の事務の執行について公平に、公正に、かつ、効率的に行われているかどうかに関して、監視及び評価を行うものとする。
2 議会は、市長等から政策の提案を受けたときは、必要性、効果等について、政策の評価の視点を踏まえ、審議及び審査を行うものとする。
3 議会は、市長等に対する監視、評価及び政策の提言を行うため、市長等との情報の共有に努めるものとする。
4 議会は、市長による専決処分が最小限になるよう、地方自治法第101条第2項及び第3項の規定による臨時会の招集請求権を積極的に行使するものとする。
(政策立案及び提言等)
第8条 議会は、条例の制定及び改廃、市長が提案した議案の修正、決議並びに請願の採択を通じて、市長等に対し、積極的に政策の立案及び提言を行うものとする。
2 議会は、本会議において可決した決議及び採択した請願が市政に関するものであるときは、市長等に対し、その内容を最大限尊重するよう求めるとともに、当該決議及び請願に関する事後の状況、対応等を速やかに議会に報告するよう求めるものとする。
(市長等による政策の説明等)
第9条 議会は、市長等が議会に政策を提案したときは、審議及び審査を通じて政策水準を高めるため、市長等に対して、次に掲げる事項に関する情報を提供するよう求めることができる。
(1) 政策の背景、目的及び効果
(2) 政策の根拠となる関係法令及び条例
(3) 政策の総合計画における位置付け
(4) 政策の実現のための財源及び将来にわたるコスト計算
(5) 他の地方公共団体の類似する政策との比較
(6) 他の政策との比較検討
(7) 政策への市民の参画の有無及びその内容
2 議会は、市長が議会に予算議案を提出するときは、市長に対して、施策別及び事業別の分かりやすい説明資料を提供するよう求めることができる。
3 議会は、市長が決算議案を提出するときは、市長に対して、議会の評価を行うための政策の進捗及び成果を示す分かりやすい説明資料を提供するよう求めることができる。
4 議会は、前3項に規定するもののほか、市政に係る調査に必要な情報の提供を市長等に対して求めることができる。
(議決事件の追加)
第10条 議会は、行政運営に対する監視機能を強化するため、地方自治法第96条第2項の規定により、市政運営に関する特に重要な計画等を議決事件として定めるものとする。
2 前項に規定する議決事件は、別に条例で定める。
第5章 議会運営
(討議による合意形成)
第11条 議会は、議員相互の討議を基本に運営するものとする。
2 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会、議会運営委員会、全員協議会、及び広報広聴委員会において、議案等に関して審議し、又は審査して結論を出すときは、必要に応じて議員相互の討議により合意を形成するものとする。
3 議会は、諸課題に関する議員相互の共通認識を図り、政策の検討を行うときは、必要に応じて全議員による討議を行うものとする。
2 議長から本会議等に出席を要請された市長等は、議員の質問等に対して、その趣旨を確認するための質問をすることができる。
(令6条例9・一部改正)
(委員会活動)
第13条 常任委員会及び特別委員会(以下これらを「委員会」という。)は、専門性を生かして充実した議案の審査を行うとともに、市の諸課題に対して迅速かつ的確に対応するため、調査研究活動を行うものとする。
2 委員会は、政策の立案及び提言を積極的に行うものとする。
3 委員会は、議案の審査並びに政策の立案及び提言を行うため、必要に応じてテーマを定めた調査研究を行うとともに、市民懇談会及び専門的知見を活用するものとする。
(調査機関の設置)
第14条 議会は、市政の課題又は議会活動に関する調査のため、前条第3項の専門的知見を活用する必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができる。
2 議会は、必要があると認めるときは、前項の調査機関に議員を構成員として加えることができる。
3 第1項の調査機関に関し必要な事項は、議長が別に定める。
(議会改革推進体制)
第15条 議会は、議会改革推進のために必要な体制を整備し、議会改革に取り組むものとする。
(危機管理)
第16条 議会は、災害等から市民の生命及び財産を保護するため、日常的に必要な対策を推進するとともに、災害等発生時は行政と必要な協力を行い、その対策に当たるものとする。
3 議会災害対策本部に関し必要な事項は、議長が別に定める。
第6章 議員
(議員定数)
第17条 議会は、その役割及び責務を果たすことができるようになることを前提として、議員の定数を別に条例で定める。
2 議会は、議員の定数を変更しようとするときは、市の現状、課題及び行政需要、地方自治制度の動向並びに市民の意見を考慮するものとする。
(政務活動費)
第18条 政務活動費は、議員による調査活動、政策の立案及び提言等が確実に実行されるよう、会派及び会派に所属しない議員に交付するものとする。
2 政務活動費の交付を受けた会派及び会派に所属しない議員は、生駒市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年6月生駒市条例第19号)の規定により、これを使用するものとする。
3 政務活動費の交付を受けた会派及び会派に所属しない議員は、その使途を議長に報告するとともに、議長は、それを公開するものとする。
(平29条例10・一部改正)
(政治倫理)
第19条 議員は、別に定める条例により、市民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、資質の向上及び品位の保持に努めなければならない。
(議員研修の充実)
第20条 議会は、その政策形成機能、立法機能及び行政監視機能の向上、議員の品位の保持等を図るため、議員研修の充実強化に努めなければならない。
2 議会は、広く各分野の専門家による研修会並びに市民及び議員が共に学ぶ研修会を積極的に開催するよう努めなければならない。
(令6条例9・一部改正)
第7章 議会事務局の体制
第21条 議会は、その政策形成機能及び立法機能を強化するとともに、議会活動を円滑かつ効率的に実施するため、議会事務局の機能及び組織体制を充実するものとする。
第8章 最高規範
第22条 この条例は、議会における最高規範であり、他の条例、規則、告示及び訓令の制定改廃に当たっては、この条例を尊重し、整合を図らなければならない。
第9章 見直し手続
第23条 議会は、定期的に議会の運営状況を検証し、必要に応じてその改善策を検討するものとする。
2 議会は、前項の規定による検討の結果に基づき、議会の運営に係る改善策について、この条例の改正を含む適切な措置を講ずるものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合においては、全議員が賛同する改正案であっても、本会議において改正の理由及び背景を説明するものとする。
附則
(施行期日)
この条例は、平成26年1月1日から施行する。
附則(平成29年3月条例第10号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和6年3月条例第9号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。