第7回ゆるっとボランティア開催後記
- [更新日:2022年11月18日]
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そなえる!防災
令和4年2月19日(土曜日)
いつ発生するか分からない災害に備え、災害や防災について考えてみましょう!
1995年1月17日の阪神淡路大震災と、2011年3月11日の東日本大震災、この間にある2月に、災害や防災について考えたいと企画しました。
ゆるっとボランティア7回目は、防災の啓発活動をしている団体を講師に迎え、いつ発生するか分からない災害に備え、いろいろな角度から防災につながる、ヒントを教えていただきました。
生駒市独自の感染拡大緊急警報発表中のため、オンラインのみでの開催となりました。
参加者
リモート参加5名・講師陣4名(うちリモート参加1名)・ららポートスタッフ
講師陣の紹介
礒野奈緒さん(特定非営利活動法人市民活動サークルえん)
特定非営利活動法人市民活動サークルえんでは、中高生専門の放課後等デイサービスを運営する他、『日常生活に簡単プラスから始まるいこまの防災』をテーマに防災学習、啓発活動を行っています。
今回は「水害」を想定して、どう行動するのがいいのかを○×クイズ形式で教えていただきました。
渡邉義晃さん(奈良県防災士会生駒市ブロック)
奈良県防災士会生駒市ブロックでは、「自分の身は自分で守る」ための技術習得と知識を市民に提供し、減災につなげるべく防災啓発活動を行っています。
今回は、防災紙芝居「いなむらの火」を通じて過去の事例から災害の特徴を知り、命の安全を優先にした情報伝達の大切さを教えていただきました。
佐藤拓也さん(CODE for IKOMA)
CODE for IKOMAでは、さまざまな人を巻き込み、地域の課題をITで解決することをベースに活動しています。
今回はリアルで正しい情報をアプリやSNSを活用して得る方法について教えていただきました。
高澤慶子さん(生駒女性防火防災クラブ)
生駒女性防火防災クラブでは、火災や災害等の危機から家庭を護りたいと、女性が中心になって防火防災意識の向上を推進する活動を行っています。
今回は新聞紙で作る防災スリッパの作り方の実演や、火災時の煙を感知する住宅用火災報知機の大切さについて教えていただきました。
知っておこう、そなえるための知識や情報
災害に備え、役立つ知識や情報を様々な観点から教えていただきました。
大雨・洪水に備える○×クイズ
大雨・洪水など「水害」の特徴は、天気予報などから、いつ来るか比較的予測できる災害であるということです。
「今、外は大雨が降っている」という想定で、クイズ形式で一緒に考えてみましょう。
街中ならではの危険もいっぱいあるということを知っておきましょう。
天気予報によると、これから風雨がどんどん激しくなり、警戒を呼びかけている状況です。
そんな時、もし、ご家族がこう言われたらどうしますか?
絶対に田んぼ、川、水路などを見に行ってはいけません!!
雨が降りだしたら、氾濫や急な増水などあるので危険です。
ご自身の命を第一に考えてください。
では、実際に避難する時のことを考えてみましょう。
遠くても高台にある避難所を選びましょう。
避難所へのルート上に川がある場合、氾濫していたり、急な増水により流される危険があります。
また、あらかじめ自宅周辺の避難所やそのルートと距離を確認しておきましょう。
さぁ、避難を始めましょう。
車での避難はやめましょう。
では、避難する時の荷物はどうすればいいでしょう?
避難グッズを入れるカバンは両手が空けられるリュックサックが良いでしょう。
また、避難所のスペースは限られているので、持っていく荷物は必要最小限にしましょう。
雨中に屋外を歩いて避難しようという時、
傘をさすと手がふさがり、大雨や風であまり効果がありません。
傘はささずに、洪水の泥水のなかを歩く時に、杖代わりにして足元を確認するために使いましょう
長靴は靴の中に水が入って歩きにくく、脱げやすくて危険です。
長靴を履くなら、膝丈以上のものなら大丈夫です。
外に出ると、道が泥水で冠水してしまっています。
泥水で道路の状況が見えないので、塀や壁づたいだと溝や鉢植えなど障害物があるかもしれないので、危険です。
道路の真ん中を注意しながら歩きましょう。
「水害の避難時に注意すること」のまとめです。
いざという時のために、日ごろから準備しておきましょう。
防災紙芝居「いなむらの火」
防災紙芝居「いなむらの火」は、地震後の津波への警戒と早期避難の重要性、人命救助のための犠牲的精神を描いた紙芝居です。
1854年の安政南海地震の際、紀州有田郡広村で醤油醸造業を営んでいた濱口儀兵衛の実話を元に、ラフカディオハーン(小泉八雲)が1897年短編集のなかの「A LIVING GOD(生ける神)」に物語を書きました。
この紙芝居はそれをもとに作られています。
あらすじ
村の高台に住む庄屋の五兵衛は、大きな地震の揺れを感じたあと、海水が沖合へ退いていく様子を見て、のちに津波の来襲があることに気付きます。
祭りの準備に心奪われている村人たちはそれに気づいていません。
五兵衛は村人に危険を知らせるため、自分の田にある刈り取ったばかりの稲の束(稲むら)に松明で火をつけました。
火事と見て、消火のために集まった人に呼びかけ、高齢者や子どもらを含め、村人全員を高台に避難させることができました。
やがて集まった村人たちの眼下で、津波は猛威をふるい、村は水にのみ込まれていきましたが、五兵衛の機転と犠牲的精神によって村人たちは皆、津波からのがれることができました。
この紙芝居に描かれた1854年の安政南海地震・津波は、実際に高さ約5mの大津波が波除石垣を超えて広村を襲いました。
濱口儀兵衛は100年後に再来するであろう津波に備え、巨額の私財を投じ、海岸に高さ約5m、長さ約600mの広村堤防を築き、その海側に松並木を植林しました。
約4年間に及ぶ大工事でしたが、村人を雇用したことで、津波で荒廃した村から村人の離散を防いだと言われています。
その92年後の1946(昭和21)年、昭和の南海地震が発生し、高さ4~5mの大津波が襲いましたが、広村堤防は村の居住区の大部分を護った、ということです。
日ごろからの備え
実際に地震や火事をはじめ、様々な場面に遭遇した時、頭がフリーズし、動けなくなってしまいます。
そういう時「知っていれば良かった」ということがないように、いざという時少しでも早く行動にうつせるように、日ごろから学び、情報にふれるようにしましょう。
【持ち出し用防災バッグ】
持ち出しする荷物に、準備しておくと良いというものをご紹介くださいました。
・スリッパ:避難所での上履きに使えます。
・レインコート:体を濡らさないためにあると便利です。
・マスク:ほこりを吸いこまないためや、感染予防対策にも必要です。
・レジャーシート:床に敷いたり、 屋外ではタープ代わりにもなります。
・薬:すぐに薬は手に入りません。高齢者や持病のある人など、ふだん飲んでいる薬がある人は、気をつけましょう。
・筆記具(マジックペンも):持ち物に名前を書くのに便利です。
・ラジオ:情報を得るのに便利です。
・懐中電灯:夜間に移動する時に便利です。
・手袋:作業用にも、保温用にも使えます。
いざという時に必ず役に立ちます。
一家に最低1つは用意しましょう。
また、各ご家庭の状況に合わせて準備しましょう。
防災情報を上手に入手して活用しよう
防災情報を上手に入手するためには、ITだけで100%対応するは難しいです。
情報を入手する際の補助的な方法として活用しましょう。
【スマートフォンのアプリやSNSを活用しよう】
通知をタップするとすぐに情報を見れるので便利です。
アプリをダウウンロードするところがスマートフォンによって違うので、確認してから利用しましょう。
【防災情報をゲットするのにおすすめのアプリのご紹介】
・「Yahoo!防災速報」
地域を設定し、その地域で必要な情報、避難情報や豪雨情報他、様々な情報を得ることができます。
災害マップ機能が追加され、周囲の状況を投稿したり、閲覧できます。
・「NHKニュース・防災アプリ」
設定した地域での災害情報をプッシュ通知でお知らせしてくれます。
ニュース速報やニュース情報もお知らせしてくれる他、NHKのニュースが動画配信され便利です。
・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
いろいろなアプリがあり、利用者層や使い方も様々です。
【情報収集におけるTwitter活用術】
Twitterはリアルタイムな情報収集に活用されているアプリです。
利用者も若年層だけではなく30歳代以上の利用者も多く、災害時の状況をリアルタイム把握に活用でき、拡散力があるアプリです。
【SNSでのハッシュタグ(#)の効用】
たとえば、災害時、川や道路、周囲の状況が気になるという時に、危ない所をわざわざ見に行かなくても、その近くに住んでいる人が「#生駒市災害」と#をつけて投稿していれば、情報を共有でき、不安を少しでも軽減、共助につながりますね。
いざ、という時のために、日ごろから準備しておきましょう。
・アプリをダウンロードして、日ごろから正しい情報を得られるように、使い方を理解しておきましょう。
・情報の共有についても、避難訓練と同じで普段からの練習を心がけましょう。
みんなで使って、助け合いに活用しましょう。
新聞紙で作る防災スリッパ作りと火災に備える住宅用火災報知機
【新聞紙で作る防災スリッパ】
災害時の避難所では、感染予防のため、どの施設でも必ず上履きに履き替えなくてはいけません。
上履きがなく、困った時に活用できる新聞紙で作れるスリッパを紹介します。
準備するのは、片足分で新聞紙2枚なので、両足だと4枚は必要です。
作り方
新聞紙で作る防災スリッパ
- 新聞紙で作る防災スリッパ (PDF形式、7.48MB)
新聞紙で作る防災スリッパ
- PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。同ソフトがインストールされていない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Reader をダウンロード(無償)してください。
このスリッパは、自分の足に沿って作り、踵があるので、脱げにくいのが特長です。
新聞紙の枚数を増やすと暖かさが増します。ツルツルした紙はすべるので危険です。
新聞紙は、キャンプなどの時の焚き付けや、寒い時の保温などに使えるのでとても便利です。
日ごろからストックしておくことをおすすめします。
避難所に行く時や防災訓練に参加する時は必ず荷物の中に上履きを入れておきましょう。
さて、これはどんな場面で使用するでしょうか?
これは火災から逃げる時に、ビニール袋の内に空気を含ませるようにして、煙=一酸化炭素を吸い込まないために使います。
一酸化炭素は、吸い込むとあっという間に血液に溶けこみ、脳や体を麻痺させてしまいます。
12月のビル火災時もたくさんの人が亡くなりましたが、ほとんどが一酸化炭素中毒でした。
煙からの非難のポイント
- 煙を外に出そう ・・・ 上部の窓をあけましょう
- ハンカチなどで口を覆い、姿勢を低くし、壁を伝いに移動しましょう ・・・ 出口を探しましょう。
- 息は止めず、少しずつ呼吸しましょう ・・・ 息を止めてしまうと、次に息を吸う時に一気に一酸化炭素を吸いこんでしまいます。
【住宅用火災警報器】
住宅用火災警報器は、家庭で煙の充満をいち早く知る方法として設置が義務化されています。
2006年に新築住宅に、2011年ごろからは新築以外の各家庭にも設置の呼びかけが始まりましたのでその頃に取り付けされたご家庭も多いと思います。
それから10年。
皆さん、どうですか?ちゃんと動いていますか?電池が作動しているか確認しましょう
点検方法
- 設置している警報器のボタンを押す(ひもを引く)
- 音声や音が聞こえたらOK
- 音が聞こえなかったら、電池切れか故障
いざという時作動しないと意味がありません。定期的に確認しましょう!!
今日、今からでも設置しましょう!!
そして10年たったらとりかえましょう
質疑応答&情報交換
安否確認に活用できる方法は?
スマートフォンやインターネットを活用
- IOT(センサー、見守りカメラなど)
本人の反応があることが前提で、本人やご家族の許可が必要になります。
センサーや見守りカメラを利用(例えばトイレ使用をセンサーで検知し安否確認)
予算やご家庭の状況など、対象になる人に合わせて考える必要があります。
- 災害用伝言ダイヤル(171)
災害発生時にNTTが電話の専用の回線を開設します。
そこに「無事です」「**にいます」などのメッセージを録音します。
それを聞いて家族がお互いの安否を確認できます。
災害時でなくても体験版が使える時期があります。
いざという時すぐ使えるように、使ってみて慣れておきましょう。
☆災害用伝言ダイヤル(171)体験利用のご案内(別ウインドウで開く)
3.救援要請ツイート
ツイッターで救助を求める方法もあります。
ですが、投稿はインターネット上に公開され誰でも見れる状態になります。
個人の特定につながる個人情報の入力に十分注意が必要です。
本当に非常時のみに使用する方法と考えた方が良いでしょう。
いざという時のルールを家族間で決めておきましょう。
地域での見守り
- 災害時に、大丈夫であれば黄色いバンダナや「大丈夫です」と書いたうちわなどを各家庭の扉の前に表示する、表示がなければ確認してください、という申し合わせをしておくとご近所同士の安心に繋がりますね。
- 電子回覧板システム:普段から繰り返して使用して、慣れておくことが大切です。
日ごろの避難訓練も大切ですが、情報伝達訓練や安否確認訓練も合わせて行い、慣れておくことが大切ですね。
災害発生時、備えていて便利なもの
- 10円玉:携帯電話が使えなくなった時、公衆電話が使えます。
- 薬:災害時、薬はすぐに手に入りません。特に高齢者や持病のある人は、余分に用意しておくと良いでしょう。
- ファイヤースターター:マッチなどなくても火花から火を起こせます。量販店やキャンプ用品店でも購入できます。寒い時には暖をとり、温かいものを食べることができ、身も心も休まりますね。
- 家族の連絡先を書いた電話番号のメモ:携帯電話の電源が切れてしまうと連絡先が分からなくなってしまいます。あらかじめメモにして持っておくと良いでしょう。
参加者の声
- 生駒で防災の啓発活動をする団体さんを知ることができ良かった。
- 日ごろからの備えの大切さが分かった。
- 避難時に注意しなくてはならないことが分かった。
- 知っているようで実は知らないこと、忘れていたこと等、具体的に、分かりやすくお話していただき大変役に立ちました。
- 「いなむらの火」、とても気に入りました。紙芝居ってすごく訴えるものがあり、見る人の心を引き付けるものだなぁ、と感心しました。
- まずは火災報知器の点検から始めます。
などのご感想をいただきました。
災害、防災についてたくさんの情報、備えるヒントを教えていただきました。
防災は日ごろから備えが大切です。
今日をきっかけに、家族で防災について考え話をしてみてください。
避難リュックの点検や避難経路の確認など備えを始めてみてください。
また、このことを家族や友人、大切な人に伝えてください。
誰もが災害についての知識をもち、何かあれば「#生駒市災害」などで情報発信をし、現代の「いなむらの火」のように行動にうつせるよう、ふだんから「そなえる!防災」につとめましょう。