奥田 庄作さん(2021年12月号掲載)
- [更新日:2022年1月31日]
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奥田 庄作(おくだしょうさく)
自宅裏の畑で刈り取った藁で注連縄を作る。正月には地域の人から20ほどの注連縄を頼まれる。農地にイノシシが多く出るため年間30頭ほど捕獲する。高山町在住。
地域の正月に欠かせないしめ縄作りの名手
高山八幡宮本殿や拝殿、舞台、井戸…、鳥居以外に掛かっている全ての注連縄を一人で作っている。直径2寸(約センチメートル)から7分(約2センチメートル)まで、さまざまな太さの注連縄。1年で作る縄は15本、長さの合計は60mにもなる。これを20年もの間、毎年10月中旬に行われる「高山八幡宮の祭り」に合わせて掛け替えるのが恒例行事だ。
「仕事をしている時は夜なべしながら何日もかけて作ってましたわ。退職した今は、編み始めてから全ての注連縄を完成させるまでだいたい2日ぐらいやな」
縄には幼い頃から親しんでいた。母が編んでいるのを見よう見まねで覚えたからだ。初めて作ったのは、畑を耕す牛の手綱だった。切れては直し、切れては直しを繰り返した。筵むしろや玄関用の注連縄、米俵など、日常で使うものを作るうちに、自然とさまざまなものが作れるように。今では地域の人に依頼される機会も増え、頼りにされている。
高山八幡宮の注連縄を作り始めたきっかけは、長男の公き み人と さんが高山八幡宮の祭りの手伝いをしていたときのことだ。
「地域の人が息子に『この辺りで注連縄をきれいに編めるのは、もう親父さんだけや。八幡宮の注連縄頼んどいてくれるか』と言っていたそうやけど、本人は直接言ってくれへんから、祭りが開催するギリギリに他の人から聞いて慌てて作り始めたわ」
初めて作った時も、今も、プレッシャーや不安は大きい。自分の目で飾られた注連縄を見て「いけた、いけた」と、ようやく一息つく。
昔は、高山八幡宮の注連縄を作るときは地域の人たちが簡単な作業を手伝ってくれていた。しかし、高齢化などが進み、最近は全ての作業を一人で行っている。
地域の幼稚園などが「少しでも伝統に触れる機会を」と開催した「藁わらのリース作り体験」や「注連縄作りの実演」なども行ってきた。
「今は一人で作っています。それも限界があるけど後継者がおらんわな。地域の人が作るという伝統がなくなってまわんように、いつまでも元気でとにかくがんばらなあかんと思ってます」
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