山内 梓さん(2021年7月号掲載)
- [更新日:2022年1月31日]
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山内 梓(やまうちあずさ)
2019年全日本学生アーチェリー個人選手権大会優勝。今年3月に近畿大学を卒業。4月から同大学スポーツ振興センター職員。22歳。
生駒の練習場で培った技術世界を舞台に放つ
70m先にある的に矢を放ち、得点を競う「アーチェリー」。試合でも練習通りの動作を行えるように、同じ所作を意識し、毎日市内の練習場で400本もの矢を放つ。
弓を使う練習や体力トレーニングはあまりつらくない。つらいのは、的に当たらなかったとき。何がだめなのか試行錯誤を繰り返すときだ。
「『物事をプラスに捉えれば成長するはず』という監督の言葉を胸に、今できることに精一杯取り組んでいます」
アーチェリーに出会ったのは高校生のとき。元々は弓道部に所属する姉の袴姿や弓を放つ姿がかっこいいと感じ、弓道部を希望していたが、なかった。高校から始められるスポーツを探していたこともあり、アーチェリー部に体験入部。先輩たちの打つ姿がかっこよく、楽しそうに部活をしていたことが入部のきっかけになった。
「先輩のようになりたい」、期待に胸を膨らませ、練習に取り組んだ。しかし、同級生が大会に出る中、成長が遅く、終始矢を使わずフォームを固める「素すび 引き」を練習。1年生では試合に出場できなかった。
2年生で、試合には出たが、思うような結果は出なかった。それでもひたむきに練習を続け、3年生のとき、全国高等学校総合体育大会の団体戦で優勝。その後、強豪の近畿大学から声がかかり、進学を決めた。
声をかけてくれた金 コーチは「高校のときから、パワフルで迷いのないリズムの良い打ち方。とてもおもしろいと思って誘った」と評価した。大学入学後は、その期待に応えるように朝は授業が始まるぎりぎりまで練習。授業が終わると、すぐに練習に戻り、遅くまで矢を放った。
大学2年生でナショナルチームに入り、初めてオリンピックを意識した。しかし、すぐに出場を目標にしたわけではない。まずは1次選考会の突破、次は2次選考会の突破。一つひとつ目標を据え、確実に歩んでいった。そして、今年3月、最終選考会上位3人に入り、オリンピック代表枠を射止めた。
「メダル獲得に向け、挑戦者という気持ちを忘れず、生駒への恩を返せるよう精一杯がんばります。
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