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あしあと

    第4回ゆるっとボランティア開催後記

    • [更新日:2022年11月18日]

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    介護の相談室

    令和3年4月17日(土曜日)

    知って安心介護のおはなし!

    不安を抱えながら介護に向き合っている人はたくさんいます。
    それは介護に関わることについて「知らない」ことがたくさんあるからではないでしょうか?

    今回は、経験豊富なボランティアさんから、お口のケア・身体のケア・心のケアについて、知っていて損はないおはなしがいっぱい聞けました!

    そして、ゆるっとボランティア4回目は、リアルとリモートのハイブリッド講座!

    コロナ禍で大勢の人が集まれない状況で、少しでも多くの人に話を聞いていただけるように工夫しました。

    参加者

    リアル参加8名・リモート(Zoom)参加9名・講師陣4名・写真ボランティア1名(ふぉとボランティア生駒)・ららポートスタッフ


    講師陣の紹介

    特定非営利活動法人しあわせ羅針盤 谷村淳子さん

    講師1

    特定非営利活動法人しあわせ羅針盤では、地域の伝統文化の振興・継承活動、自然保護活動、防災に関わる活動などあらゆる方面の活動をする他、手作り講習会やハンドマッサージで心の疲れを癒す活動をしています。

    谷村さんは、介護歴16年。何人ものご家族を介護した経験からお話をしてくれました。


    生駒有里健康クラブ 奥村浩さん

    講師2

    生駒有里健康クラブでは、少林寺拳法の動きを基にした健康体操を教えています。

    奥村さんは、講義と講義の間にリラックスできる体操と、お口のケア・足のケアに係わる体操を指導してくれました。


    池田京子さん(個人ボランティア)

    講師3

    歯科衛生士の池田さんは、院内勤務でなく、在宅・介護施設・病院などを訪問することを専門としています。

    今まで培った歯科衛生士としての技術と経験から、嚥下のしくみや誤嚥性肺炎の予防など、詳しく教えてくれました。


    キャンナス生駒 井上由美子さん

    講師4

    キャンナス生駒はボランティアナースの会で、介護保険内ではできないサービス、緊急の対応や時間外の対応、病院への付き添いなど、介護認定されている人いない人、すべての人を対象に活動しています。

    現役ナースの井上さんは、「弾性ストッキング圧迫療法コンダクター」の資格を持ち、専門的な知識と技術で足のケアの話をしてくれました。


    介護の経験から

    特定非営利活動法人しあわせ羅針盤 谷村淳子さん

    谷村1
    谷村2

    家族の介護は気持ちの持ち方が難しい

    何度も同じ話を聞かされたり無理を言われたりすると、腹が立ったりかわいそうになったり、他人でないという部分で複雑な思いが出てくる。だからこそ身内という立場でなく、1人のヘルパーになりきった。
    お世話をしてあげているという気持を捨て、この人のできないことをお手伝いするヘルパーなんだという気持で接すると、介護することに抵抗がなくなり、自分の気持を律して優しく接してあげられるタイミングをつかむことができた。

    介護を辛いものにしない

    家族や周りの人の協力を得ながら上手に介護サービスを利用することは重要。
    介護体制は、介護の枠とその家の都合に合わせた介護の仕方・工夫があるので、ケアマネージャーさんと相談して、気持を楽に介護と向き合って欲しい。

    私は「小規模多機能型居宅介護」というシステムに助けられた。
    通いと宿泊と訪問を全て受け止めてもらえるタイプのサービスで、急な泊まりなどにも対応してもらえた。

    谷村3

    在宅で看取る

    在宅で看てあげたいという気持があっても、実際には非常に難しいこと。
    私が頑張ったのは、在宅医・訪問看護・施設の介護士・家族で24時間連携をとって協力してもらえるシステムを構築したこと。
    「できない」から入るのではなく「できるためにどうしたらいいのか」を相談できるところを見つけて、気持を共有して助けてもらえれば、大変さは少し回避できる。
    私は、一緒に考えながら、何か手助けになるようなお役に立てることをしていきたいと思っている。

    ひとりで頑張りすぎないで!

    少しでも介護に熱意のある人や専門職の方に協力をお願いして、しんどい介護からしんどくない介護への橋渡しをしたい。
    今一番辛いところにいる介護者の方が頑張らない介護が、悲劇を生まないと思っている。

    在宅医の先生に心を救われた言葉

    一生懸命考えて出した結論が何より誰よりも正しい判断です
    最後まで
    お世話してあげたことは素晴らしいこと。胸を張って送り出してあげてください。


    講座の合間にストレッチ

    生駒有里健康クラブ 奥村浩さん

    奥村1
    奥村2

    口角をあげて楽しい気持ちで
    イメージしたボールを次へ次へと大切に送っていく

    「健康」は身体を動かすだけではない

    健康のために身体を動かすことは必要だと思って既に何かしていると思う。
    心と身体は繋がっているので、身体を鍛えるだけの運動で本当に健康につながるのか?

    想像力を使った運動と深呼吸

    日々のあわただしい生活では、ついつい眉間にしわが寄ってしまい身体が固くなっている。
    そんなことが続いたら身体が不調になるのは当たり前! いつも負担になっているところが痛み出したりする。

    そんな自分に早く気付いて、深呼吸をして口角を上げてみよう。 身体が緩んだら成功!!

    奥村2

    少し活動的に音楽に合わせて身体を動かす

    奥村4

    自分で意識的に身体の一部を動かしてみる

    ダイナミックな動きで身体に活力を!

    好きな音楽に合わせて身体を動かすと身体がウキウキ。自然と楽しい気持ちになる。
    口角が上がり、かるーく汗ばむぐらいになれば成功!!

    身体の不調は「老化」のため?

    年齢とともに身体が衰える。それは仕方のないこと。でもその不調は単なる生活習慣から起こっているのかも?
    一度、自分自身の身体の動きに注意を向け、ゆっくり、ゆったり動いてみることをおすすめします。


    誤嚥性肺炎って知ってますか?

    個人ボランティア 池田京子さん

    池田1
    池田2

    「誤嚥」って何でしょう?

    食べ物や唾液が誤って食道に入らず気管に入ってしまうこと。
    通常、気管に食べ物が入ってしまうと「むせる」という反射機能が働いて異物を押し出す。
    「むせる」ことは怖くない!
    気管に入ったものは出さなければならないので、しっかりむせて、出して、落ち着いて飲み込むことが大事。
    誤嚥性肺炎は、反射が鈍ることで気管に入ってしまった異物を出すことができずに、肺の奥の方に入って炎症を起こしてしまうこと。

    加齢や病気でかむ力が弱くなったり、舌の動きが悪くなったりすると飲み込む機能が落ちる。これは高齢者に多く起こることで、70歳以上で肺炎にかかる人の80%は誤嚥性肺炎。
    寝ている間に少しずつ唾液を誤嚥して肺炎になる人もいる(微量誤嚥)これはむせることが無いので気づきにくい。要注意!
    経管栄養の人でも肺炎は起る。逆流して流動食が気管に入る場合もある。

    池田3

    嚥下のメカニズム

    口に食べ物が入る⇒食べ物をかむ⇒のどの奥に入る⇒唇がしっかり閉まる⇒上あごの蓋が閉まる(鼻への逆流を防ぐ)⇒舌が持ち上がる⇒飲み込む⇒気管の蓋がしっかり閉まる⇒食道の弁が開く⇒食べ物は食道に入っていく。

    逆流性肺炎

    食道の弁がしっかり動かないで逆流した食べ物が気管に入ってしまい炎症を起こすこと。
    胃から逆流したものは胃酸を含むので、粘膜が傷ついてしまう。こうなると次に誤嚥したときに「むせる」感覚が鈍ってしまい、肺炎が再発する可能性が高くなる。

    誤嚥性肺炎の原因

    口の中が清潔に保たれずに肺炎の原因となる細菌が繁殖しやすい環境にあることと、飲み込む力が衰えて誤嚥してしまうことで、誤嚥性肺炎を発症してしまう!

    「むせて」出せればかかるリスクは減る

    池田4

    このチェックリストから誤嚥の心配がないか見てみましょう

    • 唇がしっかり閉じないと嚥下はできない。食べ物がこぼれるのは、飲み込みができないということ。
    • 飲み込もうとするスイッチが入らなければ、のどの中に食べ物がたまってしまう。
      介助する人が、気づかず次々口に入れてしまうと、のどがいっぱいになって気管にあふれる。本人に自覚症状がある場合は咳払いしてもらうと良い。
      見ている人が詰まった感じがあるなと思えば、落ち着いてゆっくり飲み込んでもらうような介助が必要。
    • 飲み込むタイミングがわからなくなると、むせたら怖いのでゆっくりになって食事時間が長くなる。これでは疲労がかさむので危険な状態である。

    誤嚥性肺炎の症状

    • 熱が出る
    • 元気が無い
    • むせる
    • 痰がが多くなった
    • 食べ物をため込む

    これらの症状が見られたら専門医に相談した方が良い。見つかったときにはかなり進行している場合が多いので、初期症状を早く見つけてあげることが重要。

    予防するには?

    • 口の中を清潔にして細菌を減らす!これで発症リスクは下がる! 
      歯の表面は汚れがつかない。歯と歯の間、歯並びがでこぼこしているところ、歯茎の境目、上顎、舌 など見落とさないでしっかりきれいにしていく。
    • 歯のない人は、ガーゼやスポンジブラシを使ってしっかりケアすることが大切
    • 日常生活の中での対策
      ☆食事の姿勢 猫背になると胃を圧迫して逆流しやすい。胃からの逆流を防ぐ為に食事後2時間は座って過ごす。
      ☆調理の工夫 本人が食べれるといっても、明らかにむせてきつそうにしている場合は、小さく切ったり、やわらかくするなど工夫も必要。
      ☆少しずつゆっくり食べる。
    • 食事の形状は医師や管理栄養士に相談するのが良い
    池田5

    「食」は人を良くする

    いつまでも楽しく食事がいただけるように、いつまでも口から食事が取れるように、元気なうちから口腔体操をおこなうことは大事。
    40歳を過ぎるとお口の機能は落ちてきます!

    嚥下体操

    毎食前に行いましょう!

    誤嚥予防体操1

    のど仏の動きで飲み込めたかどうかがわかる

    誤嚥予防体操2

    この動きで首が鍛えられるんです!

    嚥下体操

    順番

    種類

    内容

    回数ほか

    1

    深呼吸

    鼻から吸って口から吐く

    お腹に空気を入れる感覚

    ゆっくり数回

    2

    首まわし

    右回し、左回し

    左右にゆっくり首を曲げる

    各1回ずつ

    3

    肩の上げ下ろし

    肩をすくめるように上げ、すっと抜いて下へおろす

    肩を中心に両手をゆっくりまわす

    2~3回

    4

    上体ゆらし

    上半身をゆっくり左右に倒す

    数回

    5

    ほっぺた

    頬を膨らませたりすぼませたりする

    2~3回

    6

    口と舌の運動

    口を大きく開いて舌をだしたりひっこめたりする

    舌を左右に動かす

    各2~3回ずつ

    7

    発声

    「パタラカ」とゆっくり発声する


    ゆっくり5~6回

    早く5~6回

    8

    喉のリフレッシュ

    冷たい息が喉に当たるように、口をすぼめて息を強く吸う


    9

    首を鍛える

    額に手を当てて抵抗を加え、おへそを覗き込むように強く下を向く

    ゆっくり5つかぞえながら持続

    1~5まで数えながら下を向くように力を入れる

    10

    深呼吸

    1と同様に深呼吸

    ゴクンと唾液を飲んでのどの動きを確かめる


    1. せきばらいをするためには息を吸わないといけない。そのために深呼吸はいい運動。
      誤嚥した食べ物は、とにかく気管から出さないと肺炎になる。
    2. 首をゆっくり回すのは、普段の生活の中であまりしない行動。毎日同じ行動だけなら、そこだけが鍛えられてしまい、動かさないところは硬くなってしまう。
      日頃から動かさないところをしっかり動かすことは重要。
    3. 肩を上げてすとんと落とす運動は肩こりにもいい。脱力することでリラックスできる。
    4. 上半身をくねくねする運動でリラックスできると飲み込みも良くなる。
    5. ほっぺたをやわらかくすると噛むことができる。噛むことで食べ物を飲み込みやすい形にできる。
    6. 舌は口の中の司令塔。舌の筋肉をしっかり付けてあげるのは重要。飲み込むときには舌は上に上がる。舌の筋肉が落ちると飲み込めない。舌の位置が下がっている人は、のど仏の位置も下がってくるので目安になる。
    7. 発声練習はした方がいい。「パタラカ」と発音する時の舌や唇の動きが、嚥下の動きと共通する部分が多い。
    8. ちょっと喉のリフレッシュ。
    9. 飲み込むには首の周りの筋肉を使う。ここが固まっていては飲み込めない。
      のど仏が上がって下がると飲み込めたことがわかるので、食事の時間が少し長くなっても 確認しながら安全に食べてもらうことを勧める。


    老化といわれた足のむくみほっておいてもいいの?

    キャンナス生駒 弾性ストッキング圧迫療法コンダクター 井上由美子さん

    井上1
    井上2
    井上3

    むくみには必ず原因がある!

    • 静脈血が重力に逆らえずに下にたまることによって、むくみは出る。本来下腿(ふくらはぎ)を動かすことで血液を上に戻していく。何らかの原因で筋肉を動かさなくなると、むくみが出ることになる。
    • 生活習慣病が原因のむくみは、足を動かすことによって解消されるが、血圧の高い人など薬の副作用でむくみが出る場合や静脈そのものの病気(エコノミー症候群=深部静脈血栓症や下肢静脈瘤)の場合には、他の解消法を検討する必要がある。
    井上4
    井上5

    ほっておくと良くないむくみ

    • むくむと足がつりやすくなったり、皮膚がうすくなってかゆい色素沈着があったりする。かゆくて掻きむしると傷ができ、むくんでいる足は治りにくいので、どんどんひどくなる。
    • 認知症になると、だるさや痛みを感じにくく、伝えられずに悪化する場合もある。
    • 内臓疾患からくるむくみでないと、血液検査しても異常が出ないので、原因不明といわれることが多い。
    • ずっと続くと、どんどんむくんでいく足にストレスを感じることになり、上げにくくなった足に転倒のリスクが高くなる。
    井上6
    井上7

    むくみは解消することができる!

    • 本当に病気があるか無いかを診断してもらう。適切な治療との併用が必要!
    • 足をあげたりマッサージするのは気持が良いが、そのときにむくみが取れても、座るとすぐ元に戻ってしまう。
    • むくまないようにすることが一番の解決方法
      ☆弾性ストッキング(足を圧迫する靴下)を履く
      日常的に履きやすいものを選んで正しい履き方で毎日日中に履く。
      間違いが多いのは、手術後に履く白い弾性ストッキング。これは日常的に履くようにできていないので、硬くて履きにくい。
      ☆包帯を巻く
      素肌に直接巻くとずれやすいので、普通の靴下やスパッツを履いた上から巻くのが良い。

    むくみやむくみによる傷は必ず治ります!

    むくみを防ぐ下肢の運動

    むくみ予防体操
    むくみの予防1
    むくみの予防2

    足の指をグーパーチョキと動かしたり、つま先を上げ下ろしすることで、ふくらはぎの筋肉は良く動く。
    次にふくらはぎをよくもむ。動かすことも大事だが、マッサージが一番血流をよくすることがわかっている。
    さらに圧迫するストッキングを履きながらすると効果が高い。

    1日何回と決めずに、テレビを見ているときなどにマッサージすればいい
    生活の中で自然にできるのが一番よい


    弾性ストッキングについて

    井上8

    医療用ストッキングの中でも、簡単にサイズで選べるものがある。また、インターネットで購入できるものもある。
    足のサイズでなく、足首の一番太いところとふくらはぎのサイズで記載されているものもある。

    市販で売っているものは、きつ過ぎることは無い。


    参加者の声

    参加者2
    参加者1

    リアル参加の方々からは

    1. 介護の現場を知ることができてこれからの事を考えることができました。
    2. プロのお話しが大変参考になりました。
    3. いろいろ実践的なものを交えて楽しく参加できました。

    リモート参加の方々からは

    1. 高齢者にとって大変良いお話しでした。時間の経つのも忘れて最後まで聞くことができました。
    2. 自宅に居ながら聞けるのがありがたかった。

    などのご意見をいただきました。


    ららポート1
    ららポート2

    今回ららポートはリアルとリモートのハイブリッド開催を実施しました。

    実施に当たっては、皆で知恵を出し合い、スムーズに進むように何度もリハーサルをしました。

    会場では、アクリル板の設置・消毒・検温、講師もマスクでの講義となり、少々声が届きにくい場面もありましたが、皆さん真剣に話を聞いてくださいました。逆にリモート参加の皆さんに伝わりにくい体操の場面もあり、今後の課題にもなりました。

    コロナ禍でも皆さんに安心してご参加いただける講座をこれからも続けていきます。


    お問い合わせ

    生駒市地域活力創生部市民活動推進センター

    電話: 0743-75-6000

    ファクス: 0743-75-0151

    電話番号のかけ間違いにご注意ください!

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    [公開日:2022年11月18日]

    ID:25896