先輩職員のストーリー　#6

　文具メーカーで4年間働いていました。筆ペンに使うインクの配合など商品開発を担当。商品化されたものはたくさんありましたが、お客様とやりとりするのは営業担当者です。私は直接ユーザーの声が聞けず、自分の仕事が本当に役に立っているのか実感できませんでした。「もっと社会貢献ができる仕事がしたい」。大学で学んだ土木の知識を生かそうと転職を決意しました。

　最初の配属は、道路や橋を維持管理する管理課でした。「道路に穴が開いている」「溝の蓋が壊れている」といった声が連日届きます。ときにはお叱りの言葉をいただきますが、前職では経験できなかった生の声。「当たり前を支えてほしいという気持ちを大事にしよう」と心掛けて対応しました。1年目は法律や土木に関する専門知識も乏しく苦戦。分からないことは先輩に聞き、足りないスキルを勉強で補いました。徐々に分かり始め、トラブルを解決できたとき、住民の方から「ありがとう」と声を掛けられ、「相手に喜んでもらえる仕事ができた」と働く嬉しさをかみしめました。

　今は、交差点の安全対策を担当。市内の主要な交差点を1つずつ調査し、危険な場所に車止めやガードパイプを設置しています。道路は生活に直結する、なくてはならないもの。縁の下の力持ちとして、これからも皆さんの当たり前を支えていきたいです。

　土木課　室井 良介