先輩職員のストーリー　#2

　空き家の流通施策など住宅政策全般を担当しています。それまでは環境部門で、歩きたばこ防止条例の策定に携わったり、1日に何十件も寄せられる市民の方々の困りごとや問い合わせに対応したりしていました。

　異動してすぐ、地域の特性に応じたまちづくりを進めるために、住民の方々と地域の現状や課題を共有し、ミライを考えるワークショップを担当しました。人員が限られているので、関われる地域は1年に1か所だけ。僕たちも事前に地域を隅々まで歩き、歴史も学びます。当初は「こんなことして何になるんやろう。地域のことを考えている人って、どれだけいるんやろう」って、半信半疑でした。

　回を重ねるごとに、少しずつ交流が生まれました。地域内で採れた竹筒に木の実を詰めて鉄砲にしたり、つるからリースを作ったり。ご高齢の方にとっては当たり前のことを伝えるだけで、若い世代や子供たちがものすごく喜んでくれる。その姿を見て、さらに意欲的に関わってくださって。自然とお互いを思い合える輪が広がっていきました。

　ただただ「すごいな」って思いました。これが地域の変わる兆しなんじゃないかって。環境部門で対応していた「音がうるさい」とか「あの家の木が邪魔」という声が減っていくきっかけになるかもしれません。お金ではなく、時間と手間をかけて、徐々に変わった気持ちと関係性の先には地域の新しい姿があるし、それをサポートできることがうれしいです。

　都市計画課住宅政策室　日和 岳