生駒にホタルが飛び交う環境を作りたい
- [更新日:2021年5月13日]
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生駒市内のホタルが飛び交う環境を取り戻したい。その思いから環境保全の啓発活動、ホタルの人工飼育、市内でホタルが生息しているエリア調査などを行っている「市民公益活動団体『ほたる』」さん。
今回は、団体代表の芦田さんと、メンバーの野竹さん、松島さんにお話を伺いました。
団体発足のきっかけ
市民公益活動団体「ほたる」の皆さん
団体発足のきっかけは、生駒市主催の地域ボランティア養成講座でした。
受講者の中で何の活動ができるか話し合ったときに「生駒にホタルが飛び交う環境を作りたい」という声があり、団体を結成。
平成20年の発足以来、10年以上にわたって活動しています。
人とホタルが共存する環境を作るために
竹林園内にあるホタルの飼育小屋。中の水温は一定に保たれています。
団体の活動紹介
自然界で生きられないホタルを人工で飼育
生駒市の高山竹林園の中にあるホタルの飼育小屋に、1日おきにメンバーが交代で向かいます。
この小屋では、生駒の今の自然環境では育ちにくくなったホタルを、卵からサナギになる直前まで育てています。
もともと自然の中で暮らしていた生き物、人工で飼育するためには細やかなケアが必要です。
そのため、1日おきにホタルの生育状況の記録、エサやり、水温の管理などを1時間程度行っています。
ホタルが生息する為の自然条件とは
これまでの10年以上の活動を通して、ホタルが生活するためにはいくつかの条件があるということが分かってきました。
主な条件がこちらです。
- ホタルの餌となる貝(タニシやカワニナ)がいること
- ホタルそのものが暮らせるようなキレイな水が保たれていること
- 卵を産むための土壌が整っていること
昔は市内各地で見られたホタル。今では
昔はホタルが生駒市内の川にたくさん飛び交っていました。
ところが、これらの条件を満たしている場所は少なくなっています。
今となっては、ホタルの生息が確認されているのは、富雄川支流・竜田川の支流・高山町のごく一部になってしまいました。
ホタルが減少した主な理由は、生活排水やゴミのポイ捨て等による水質の悪化や、岸のコンクリート化によるものと言われています。
ホタルを知らない子ども達にホタルを見せてあげたい
ホタル観賞会での一コマ
毎年6月に高山竹林園や大谷川(竜田川の支流)で行っているホタルの鑑賞会には多くの人が訪れます。
参加者に話を聞いてみると「生駒にもこんなにホタルのいる川が残っているんですね」と感慨深げに話していました。
また、ヘイケボタルを手のひらに乗せた子どもが「光っているのに熱くない、なんでかなあ?」と問いかけていたのが印象的でした。
街単位でホタル活動を行う地域も
住んでいる地域にホタルが住む環境を取り戻そうと立ち上がったところもあるんです。
生駒市北新町では、自治会単位でのホタルの会が立ち上がりました。
このように地域ごとに生まれた団体のサポートも行いながら、協力して市内の環境保全に取り組んでいます。
ホタルを見たことがない子どもたちが増えてきたように思います。
観賞会でホタルを見た子どもたちが受けた感動を、次の世代にも伝えていきたいと思っています。
今後の展望
長期的な活動をめざして
インタビューの様子
これまでの活動でよかったこと
これまで10年以上にわたって活動をしてきました。
目的を共有できる仲間やリタイア後の新たな人間関係ができたことも良かったと思っています。
活動が評価され、生駒市から環境行動賞を、そして奈良県から環境保全功労賞もいただきました。
また、マイサポいこまの届出数や、市主催のイベント等に出展した時に市民の皆さんが話しかけてくれるなど、皆さんが活動の力を与えてくれています。
今後の展望
これまでの活動を通して、ホタルが飛び交う環境を作るうえで大事だと考えていることがあります。
それは、私たちが行っている生駒市内という広い範囲のものと同じくらい、地域ごとでの活動が重要になっているということ。
今後は、これまでの活動を発展させつつ、自治会など狭いエリアで、住民が主体となったホタル生育のための環境活動を支援していきたいです。
この活動は数年で効果がでるものではなく、長い年月をかけて進むものだと考えています。
そしていつかは、子どもの頃からホタルを目にし、その経験を未来につなげられるように環境保全に興味を持ってもらいたいです。
一人ひとりにできることがある
以下のような人は、メンバーとなって活動してみませんか?
- 住んでいる地域内でホタルが飛び交う環境を作りたい
- 生駒市内のいろんな地域で、ホタルが飛ぶための環境啓発活動をしたい
- 時間の余裕があって、少しの時間でも、がっつりでも、何かしてみたい
興味を持たれた人は、竹林園の飼育施設の見学もできます。
活動をしなくても一人ひとりにできることがあります
例えば、日々の暮らしを少し見直して、生活排水を減らすように心がける、道端にゴミを捨てない。
このように、日々の暮らしを少し見直すと、皆さんもホタルが飛ぶ環境を生み出す力になります。
インタビューを通して
一人ひとりの積み重ねが、未来の市民のためになる
地域単位で見学に来られる人たち
生駒のまちにホタルが飛び交う環境を作る。
環境保全の先には、未来の生駒に暮らす子ども達の思い出につながっています。
活動に参加しなくても、自分自身が、日々の暮らしを少し見直すだけでも効果があることが分かりました。
いつの日か、生駒市内の各地でホタルが飛び交う環境が生まれるために、ホタル博士たちの活動は続きます。
活動に興味がある方はららポートにお問合せください
この団体活動に共感された人や、以下のような人は、ららポートまでご連絡ください。
- 昆虫が好き
- 地域に知り合いを作りたい
- 時間があって何かしてみたい
- 自分が住んでいる地域にホタルが飛んでいるか知りたい
- 自分が住んでいる地域にホタルが飛ぶ環境を作りたい
いきなり団体に連絡するのが不安と思われる方もご安心ください。
ららポートでは、団体の活動を紹介できるほか、直接会うための初期調整も間に入って行っています。
団体情報
団体名
市民公益活動団体「ほたる」
設立年・団体構成員数
平成20年4月・9名(令和2年11月現在)