宝山寺の彫刻が国の重要文化財に指定されます(平成28年3月11日)
- [更新日:2018年4月24日]
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本日、国の文化審議会文化財分科会(別ウインドウで開く)で国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定の答申がなされ、本市門前町地内の宝山寺(別ウインドウで開く)に安置されているご本尊・本造不動明王及脇侍像(制釈タ迦童子[せいたかどうじ]立像、矜羯羅童子[こんがらどうじ]立像、蓮華吉祥天[れんげきちじょうてん]立像、薬厠抳[やくしに]立像)の5軀と銅造倶利迦羅竜剣(どうぞうくりからりゅうけん)1基が重要文化財に指定されることになりました。
宝山寺は、江戸時代に湛海律師が中興開山され、生駒の「聖天さん」として関西では多くの方々が訪れる有名な真言律宗の寺院です。
延宝6年(1678年)に湛海律師が初めて生駒山に入山された際は、前身の寺院は非常に荒廃していたようですが、当時の菜畑村庄屋などの役人から寺地を寄進され、それ以降、徳川5代綱吉将軍や当時の天皇家などからの信仰と寄進を得て、境内に堂塔を整備され、現在のような荘大な伽藍が整うに至ったようです。
それにより、寺院の門前町や参道筋は参詣客でにぎわい、近代には電車やケーブルが発達し、今日の生駒市のにぎわいの源泉となりました。
律師は、建物の整備に加え、宗教的な情熱から多くの彫刻を制作されましたが、ご本尊の不動明王坐像は、最も迫力あるお像です。脇侍の二童子像は、律師の造仏を支えた仏師・院達の作とみられ、江戸時代彫刻の優品といわれています。なお、詳しくは、生駒市デジタルミュージアム(別ウインドウで開く)でご覧ください。
律師が苦心されて生駒山中腹に堂舎を整備し、宗教活動を通して人々を励まし、癒しや安心を与え続けられた心が形に現れた仏像が、国の指定を受けたことは大変喜ばしいことです。
律師が生駒市にもたらされた恩恵とご苦労に敬意を表しますとともに、市民の皆様とともに、これからのまちづくりにしっかりあたっていきたいと思います。また、今後も宝山寺やその他の指定文化財の所有者の皆様とともに、わがまちの先人の心と知恵がこもった貴重な文化財や歴史文化を未来につなぐ取組にもつとめてまいります。